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クラスで異世界転移したけど何故か俺のステータスだけ恋愛ゲームでした〜意外と戦えるみたいなので女子と仲良くなって魔王倒します〜  作者: 風野唄
第三章 力を求める者よ

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074話 死を斬り裂く一閃

誤字脱字や文章の下手さについてはご了承下さい。投稿予定時間になるべく投稿できるようにします。

面白いと思っていただけたら評価やコメントお待ちしております!

相手の戦闘スタイルは恐らく遠距離型。

詠唱時間を必要とする分、威力や効果の強力なスキルを発動出来ると思って良いだろう。

しかし、それだけなら勝つのは容易い。

遠距離型の1対1では、永遠の課題である距離を詰めて何もさせないというのが有効的だからだ。


ただ控室で見た【結界】というスキル。

あれが厄介極まりない。

レインズでも苦戦する強度を誇る結界は、かなりの時間を稼ぐ。

その間に詠唱が終われば、こちら側の圧倒的な有利が反転して圧倒的な不利へと変わる。


つまり、この戦闘の鍵を握るのはどれだけ早くあの【結界】を攻略出来るのか。

それに尽きる。


「どうした?攻めてこないのか?ケッケッ」

「考え事をしていたところだったから。でも、もう終わったから安心してほしい」

「随分と俺の事を舐め腐ってるようだなー!アイツを早く殺したかったけど、仕方ない。まずはお前からコロス!」


相手の傾向して挑発には弱い傾向がある。

これは明確な弱点だと思って良い。

いくら強い相手でもここ1番の場面で冷静さを欠く可能性があるのは致命的だ。


ブツブツと詠唱に入っている。

棒立ちな所を見るとやはり詠唱中は全く動けない様だ。

それでもそのスキルを使おうとするのは【結界】というスキルに相当な自信を持っているということだろう。


控室の様子を見た感じ、完全に詠唱が終わるまでに掛かる時間は30秒もない。

ゆっくりしている暇もないので近付いて攻撃を仕掛けることに。


「今日の天気は曇り。夜ほどの暗さはないが、十分に追い風だな」


鞘から白転黒爆を抜く。

白転黒爆からは曇天を喰った力を感じる。

その力に呼応して俺の身体からも力が湧き出ているのを感じた。


「自慢の結界、どこまで持つか見物だな。・・・【剣術】”ハイスラッシュ”」


まずは牽制程度に軽く刀を振るう。

力など全く入れていない。

それでも今までに見たことのない様な破壊力が俺の目の前にはあった。

砂埃を撒き散らしながら、唸りを上げて結界へと襲いかかるハイスラッシュ。


耳に入れたくないくらい甲高い音が会場全体に響き渡ったかと思えば、次の瞬間にはガラスの割れた様な破裂音が聞こえた。

観客席もデスエピも、そして何より俺自身が1番目を疑う光景がそこには広がっている。

透明な破片が響めく会場を乱反射しながら映し出す。


焦りを感じながらもここまで来れば詠唱を止めることの出来ないデスエピ。

そろそろ30秒が経過する時間か。

結界がないこの状況は俺にとって最大のチャンスと言える時間。

確実に勝ち上がる為にはここで仕留めるのが良い。

・・・それは分かっている。


分かってはいるが、俺の悪いところが出そうになっていた。

強くなった自分がどこまで戦えるのか。

目の前の相手で試したい。

だから、敢えて攻撃をせず、相手が詠唱を終えるのを待った。


「詠唱完了ッ!【死霊術】”屍蘇生(リボーン)”」


これがアイツの秘策という事か。

通りで調子に乗っている訳だ。


地面から這いずり出る骨だけで身体を形成された生き物。

見た目はファンタジーでよく出るドラゴンに近く、大きさはフィールドの半分を埋め尽くす程大きい。

その恐ろしさから会場からは悲鳴が上がる。


「こいつはな、あのお方から譲り受けた本物のドラゴンの死体から作られた最強生物だ!ドラゴンの遺伝子によってその辺の魔物の何倍もの強さを誇る!テメェーなんかが簡単に倒せるような奴じゃねーのさ!ケッケッケ!!!」


デスエピの高笑いに呼応する様に、ドラゴンという存在の偉大さを知らしめる迫力のある咆哮が屍から発せられた。


「不思議だ・・・」


今、俺の中にある感情は恐怖や不安ではない。

どちらかといえば、その対となる先にある感情。

好奇心や興奮が支配していた。

時折、制御出来ないこの高鳴りが現れるのは、自分の奥底に眠る戦闘狂としての才能があるからなのだろうか。


「不思議だァ?そんな驚いてる場合かよ!テメェーはここで死ぬんだからな!」


白転黒爆を鞘に収める。


「ケッケッ!やっと諦めたか!そうだ、それで良いんだよ!」

「勘違いすんなよ。俺はただ勝ちにいくだけだ」

「笑わせんじゃねぇー!全てを凍てつかせろ!フロストドラゴン!」


口に集められたエネルギー。

一目見ただけで何が起こるのか想像出来る。

一撃でも当たれば致命的であろう強力なブレス攻撃が容赦無く放たれた。


「・・・【剣術】”抜刀・韋駄天”」


もう負けたくないんだよ、俺は。

それがどんな相手であっても。

強くなってみんなを守れる男になりたいんだ。


「ありえない・・・」


広範囲に及ぶブレス攻撃は俺のたった一振りで斬り裂かれた分断される。

俺の勢いは止まらず、屍のドラゴンも容易く葬った。


自慢の玩具が目の前で粉々になる光景を目の当たりにして絶望した顔で膝から崩れ落ちる。

あれだけ控室で殺気を放っていたから強いものだと思っていたがどうやら勘違いだったようだ。

だったら、これ以上戦ったとしても得られるものはない。


淡々と近付いて終わらせようとする。

敗北を感じ、怯え出すデスエピ。

そんな表情で人を見るのはやめてほしい。


「これで俺の勝ちだ」


刃先を相手の喉元にまで押し付ける。

少しでも動けば首が飛ぶだろう。


「勝者!シロー!!!」


会場からは歓声が上がる。

圧倒的な力の差は見ている者を存分に楽しませたのだろう。

俺としてはアップにもならなかったので、不満が残る。

出来れば、レインズと決勝で当たる前に十分に身体を動かせれば良いんだけど。


「クソッ!どうしてだ!ドラゴンの死体を使っていると言うのに。この俺が、この俺が負けるなどあり得ない」

「俺を倒したければ生きてるドラゴンでも連れてくるんだな」


あれだけ暴れたんだ。

これくらいの棘を刺して置いても許されるはずだ。


次の試合もすぐに始まる。

ここで勝利の余韻に浸る時間はない。


静かに歩き出し、控室へと戻った。

ご覧いただきありがとうございました。

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