表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

7/125

007話 最初のクエストは簡単なもので

誤字脱字や文章の下手さについてはご了承下さい。投稿予定時間になるべく投稿できるようにします。

面白いと思っていただけたら評価やコメントお待ちしております!

「これで全部の登録が完了ね」


まさか、本当に冒険者登録するになるとは。

当初の目的とは少し違うけれど、これも悪くない選択だったと思う。

それよりも重要なのは今からクエストに出る事だ。


昨日は簡単にスライムを倒した。

しかし、倒したと言っても子供でも狩れるらしい魔物だ。

ミラがいきなり難しそうな魔物を用意して来たら、俺の口からきちんと断ろう。

男として情けない限りだが、命には変えられないので仕方ない。


「これでどのクエストを受けるか選ぶわよ」


沢山の紙が貼られたクエストボードをまじまじと見始めたミラ。

クエストの良し悪しは正直分からないのでミラのチョイスに任せる事にした。

その間に俺は余りに余っているポイントの割り振りをする事に。


「これに決めたー!」


3分間掛けてクエストを決めたミラ。

それと同時に俺もステータスの割り振りが終わった。


名前 :古井(こい)士郎(しろう)

称号 :始まりの1歩

所持金:1000G


ステータス

学力:50(限界値:50)

運動:85(限界値:100)

魅力:50(限界値:50)

話術:50(限界値:50)

運気:50(限界値:50)


スキル:【空気読み】、【護身術】、【言い訳】、【日付記憶】、【格好付け】


こんな感じで全体的にステータスが50になるように割り振った。

特に重要そうな運動は、限界値の向上もしておく事に。

そして、余った135ptの内100ptは残す様な形で35ptを運動に割り振る。


魅力や話術は本当に必要なのか分からないけど、1ptで1UPするなら振っておいて損はないだろうという判断だ。

後は、スキルを取るか迷ったけど、運動に倍率を掛けられそうな物の中でめぼしい物が無かったのでやめておいた。

今あるスキルだけでも十分戦えるだろう。


「どんなクエストにしたの?」

「・・・え!?あっ、あぁー!これよ、これ!」


少し間があったのが気になる。

何かおかしな事でもあったのだろうか。

心無しか顔も赤い気がする。

もしかしてステータスを上げた効果があったとか?

なんて、勘違いか。


「オークジェネラル?こんなの絶対強いでしょ。却下」

「えー。これくらいアタシもいるんだから楽勝よ」

「俺が無理だから。粉々になって死ぬ未来しか見えないから」

「ちぇー、ケチ」


なんかデジャブだな、そのセリフ。

言っておくが、俺は決してケチではない。

命を大事にという作戦で生きているだけだ。

これは異世界を生き延びる上で非常に重要な事だから覚えておく様に。


「人に任せておいて却下なんてひどい人」

「分かった分かった。俺も一緒に選ぶから」


文句ばかり言うのも確かに失礼だと思い、ミラの近くへ行って一緒に選ぼうとする。


「ちっ、近いっ!もっとあっちで探してよ!」


おいおい、そんなに拒絶する事はないだろ。

俺だって人間なんだから、そんなに拒絶されたら傷付く。

最近はリアルの女子と会話出来るようになって来たと思ったが、どうやら俺の勘違いだったみたいだ。

やっぱり女の子と話すのは難しいな。


「えっーと、どれが1番良いかな」


昨日初めてスライムを倒した俺にとっては、どのクエストも難しく感じる。

だけど、辛うじてクリア出来そうだと思うのは、クエストボードの隅っこに貼られていた"ラピッドラビットを10匹討伐"くらいか。

名前からして早い兎ってだけだろうし、死ぬ事はないはずだ。


「これなんかどうかな?」

「あー、ラピッドラビットね。良いんじゃない?結構お金にもなるし」


確かにクエストの依頼書には1匹2000Gと書かれている。

クエストクリア報酬だけでも2万Gは約束されている訳だ。

2人で割っても1万Gだし、我ながらちょうど良い塩梅のクエストを選んだものだ。


「これお願いします」


受付のお姉さんに慣れた様子で受注を依頼するミラ。

依頼書を受け取ったお姉さんは、チラチラと俺の方を見て不安そうな顔をする。


「あの、これラピッドラビットの討伐依頼ですけど、大丈夫ですか?後ろの方先程登録されたばかりですよね」

「あぁー、大丈夫大丈夫!アタシがついてるから。それにバディランクはCなんだし問題ないでしょ?」

「それはそうですけど、そのランクはミラさんの冒険者ランクが高いからそうなっているだけで・・・」

「もぉー、心配性ね。別に初心者(ルーキー)潰そうなんて思ってないから大丈夫よ。手続きお願いね」


少し揉めているようにも見えたが最後はミラの押しに負けて手続きを進めるお姉さん。

たかだか速い兎ぐらいでどうしてこんなに心配しているのだろうか。

いくら駆け出しの冒険者といえど、それくらいなら何とか倒せるだろう。


「なぁー、なんであのお姉さん心配そうに俺の事見てたんだ?」

「えー?んー、何でだろアタシは知らなーい」


おい、コイツ絶対何か知ってるだろ。


「まぁ、とりあえずさっさと準備を済ませて行こうよ!アタシがいるから心配しなくても大丈夫だって」


死ぬ事はないだろうけど、痛い思いもしたくない。

頼むから楽な依頼であって欲しい。


ギルドでミラの説明を受けながら、回復薬と簡易的な武器をまとめて買った。

合計でちょうど1000G。

所持金は使い果たしてしまったが、これから依頼をこなせば増えるので問題ないだろう。


初めて持った自分の為の武器。

命あるものから命を奪う為に使う武器。

格好良いという楽観的な感情の隅に、少しだけ怖いという感情もある。


昨日のスライムを倒した時よりも強くその感情が芽生える。

それが慣れてしまう事に対してなのか、それとも慣れないからこそ生まれる感情なのかは分からない。

どちらにせよスライムを倒したあの時から既に命をやり取りは始まっていたのだと、1日経った今になって気付いたのだった。

ご覧いただきありがとうございました。

よければ評価、ブックマーク、いいねお願いいたします。めっちゃモチベーションに繋がりますのでどうか、どうか!!!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ