67話 糖分足りてますか?
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全試合見たけれど、結局はレインズに全ての印象を持っていかれた。
他の挑戦者事など記憶に残らないくらい強い。
力も頭脳も種族関係なしにトップレベル。
何より武器も変わった物を使っていて面白い。
勿論、無敗のまま今回のトーナメントも優勝だった。
観客席からは何度もレインズへのエールが送られていて、他の者を応援する人はいない。
この闘技場の主人公は完全に彼だ。
だけど、不思議な事に当事者である彼本人が嬉しさや喜びの1つも見せない。
これだけ勝ち続ければそんな感情も当たり前になってしまう物なのだろうか。
そうだとすると彼がこの闘技場に参加する意味とは。
「この街はアタシ達が強くなる為には打ってつけみたいね」
「本当にその通りだ。アイツを倒した時、俺はもっと強くなれる気がする」
学べる事は多い。
レインズばかりに注目していたが、他の挑戦者だって弱い訳ではないのだから、この闘技場で戦うだけでもかなりの経験が積めるだろう。
・・・ぐうぅーーーっ
誰かのお腹が鳴った。
敢えて誰かと音を出した人を探したりはしないが、1人だけ照れくさそうにしているお嬢様がいるとだけは言っておく。
「最後に食べたのは洞窟内か。お腹が空くのも無理はないよな。ご飯にするか」
「・・・うぅ、賛成」
「お腹の音くらい気にしないの。誰もベリーのお腹が鳴ったなんて言ってないじゃない」
「言った!今、言っちゃったからー!みんな何となく気を遣ってくれてたのにミラが全部言っちゃってるから!」
・・・ぐぅーーー
もう一度なる腹の音。
今回はベリーのお腹の音ではない。
「あれ?あれれ?今、お腹鳴ったよね?はい、これでミラも人の事言えない!」
「さぁ、みんなお腹空いてるし、早くご飯食べましょ」
「なっ、お腹が鳴ってもこの立ち振る舞い!」
「ほら、行くぞベリー!早くしないと置いていくぞ」
お腹が鳴って恥ずかしい気持ちも分かるが、本人以外誰もそんな事は気にしていない。
それよりも早く食事がしたいという気持ちでいっぱいだ。
冷静になったベリーは遅れない様に俺達の後ろを付いてきた。
闘技場の試合が終わった後の街は一層賑わいを見せる。
観戦していた人々も同じく食事を求めて、歩き回っているのだろう。
レインズの連勝の話題が絶えない街路を進むと、良い匂いのする飲食店を見つけた。
「ここにしましょうか」
どうやら、この店を気にしているのに気付いたらしく入店を促す。
最初はみんなの意見も聞いてから決めるべきだと思ったが、みんな空腹が限界に達した様で何も言わずに中へ入っていく。
俺も遅れを取らまいと足を踏み出す。
「いらっしゃいませー!お好きな席へどうぞー!」
席は埋まるとまではいかないが、繁盛していないと言えば嘘になる客の数。
奥の席では、わいやわいやと酒臭い客達が騒ぎ声を上げている。
入る店を間違えたかと後悔したが、後悔では腹は満たされず渋々席に着いた。
「美味しそー!これも!あぁ!こっちも!」
興奮しながらメニューを見るベリー。
まだ食べてもいないのにあまりに良いリアクションをするので、こちらまで気になってきた。
もう1つ用意されていたメニュー表をリラとラルと一緒に見る。
2人ともこう言う時は遠慮して1番安い物を頼もうとするので、反応を伺いながら俺がメニューを決めてあげるのだ。
「おいおい!ネーちゃん達可愛いねー!どういう関係なの?あっちで聞かせてよ」
酔っ払いの1人が美少女3人に気付いて絡んで来る。
冷静な3人は反応すらせず無視を決め込んでいた。
「おい!聞こえてんのー?」
無視されていることに腹を立てた酔っ払いは、1番近くにいた白司録の肩を掴もうと動く。
か弱い女子に手を出すなど言語両断だが、俺の出る幕はない。
それよりも優秀な護衛が近くにいるだから。
「なっ!」
「それ以上先へ手を伸ばす事はオススメしないわ。尤も自分の腕と性欲を天秤に掛けた時に、それでも欲が勝つというなら伸ばして見れば?」
腕には確実に短剣の刃が当てられていて、一歩でも動けば言葉通り腕が飛ぶ。
その状況を見た酔っ払いの仲間達が助けようとして武器を構え出した。
美味しそうな食事の場が台無しだ。
「その辺にしとけよ。ジュースが不味くなる」
フードを被った男がカウンター席からこちらも見る事無く制止する。
酔っ払い達はミラの相手をするよりも、ジュースを飲むフードの男の方を相手した方が勝てると思ったらしく全員で取り囲む。
「ジュース?はっ!笑わせんな!ガキは寝る時間だぞッ!」
拳を1発、背後から襲う。
フードの男は見ずに拳を受け止めて、自分より体格の大きい酔っ払いをカウンターの奥へと放り投げた。
「俺は女じゃねーが、お前らの汚ねぇ手では触られたくないね。そんな事ぐらい誰でも分かるだろ。あっ、そうか!ジュースを馬鹿にするってことは糖分不足で脳に栄養がいかないから分からないか!」
「テメェー、好き勝手言いやがって」
「何、俺とやんの?相手するぜ?」
フードを取った男。
この場にいる誰もが驚く。
「あ、あんたは!レインズ!」
今日の闘技場で優勝していたレインズだった。
通りで軽々と遇らある訳だ。
男達も流石に相手が悪いと酔いも覚めながらに逃げ去る。
残されたのは荒れたカウンターと、完全に気絶した酔っ払い。
レインズは何事も無かったかの様にカウンター席に座り直すと、何も食べずにジュースだけを飲み始めた。
「キャーー!レインズ!サインして!」
「カッコいいぞ!レインズ!」
闘技場の有名人がいると分かった途端、群がる客。
これはこれで別の意味でうるさくなってしまった。
しかも、客の中に紛れて店の人もサインをもらおうとしている。
そのせいで俺達が注文出来るのが遅れてしまったのは言うまでもない。
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