063話 醜い街が教えてくれたこと
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朝起きるて、部屋を出ると店主のおばさんと出会った。
おばさんの目は泣いた様に赤くなっている。
「どうかしたんですか?」
思わず聞いてしまった。
他人が勝手に触れるのは良くないと分かっているけど、どうしても聞かずにはいられない。
もし力になれるのであれば、助けてあげたいから。
「えっ、あぁ、知った顔が亡くなったと今連絡が入ったんだよ。あまり周りからは褒められた様な奴じゃなかったけど、それでもいざ亡くなると悲しいもんだね」
自分達は誰一人として欠けずに強くなろうという決心で綺麗に終幕したが、大事な人や知り合いを失った者もいる。
争いというのは常に危険と隣合わせなのだと痛感させられた。
話し掛けておいて、どう答えれば良いのか分からない。
どう答えたとしてもおばさんが元気になるとは思えなかった。
「さて、仕事、仕事。アイツの分まで頑張らないとね」
気を遣わせてくれたおばさんは、食材を抱えたまま食堂の方へと戻っていく。
心配ではあるけど、深入りするのはやめておこう。
全員で食事を済ませると部屋に戻って荷物をまとめ始めた。
この街にはもう用はない。
だから、次の街に向かうことにした。
大きな荷物を背負って宿を出る。
街から旅立つと察してくれたおばさんが軽食を人数分持たせてくれた。
本当にこのおばさんは優しい人だ。
出来れば、ずっと健康でいて欲しいと切に願う。
「ここともお別れかぁー。いる間は早く次の街へ行きたいって気持ちしかなかったけど、いざ振り返ってみると色々な思い出があるね」
「リルとラルに出会えたのが1番大きいかな」
まさかこんなに早く新たな仲間が見つかるとは思ってもいなかった。
戦力として数えるにはまだ幼い部分もあるが、リルとラルはそれでも期待以上の働きを見せてくれる。
危険になった時、いの一番に動いてくれたのもこの2人だ。
2人がいなければ、今頃死人が出ていてもおかしくない状況だった。
後、シンプルに癒される。
小動物的な可愛さを持っている2人からは癒しのオーラが出ている。
あのモフモフの毛を撫でるだけでも疲れが吹き飛ぶ。
「「私達もご主人様達と出会えて良かったです!!!」」
嬉しいことを言ってくれるな。
こんなに出来た子供は中々いないぞ。
おっと、子を溺愛する親の様になってしまいそうなので、ひとまず落ち着くか。
「それにしても今日人多い。何かあるのかな」
白司録が呟いた。
確かに彼女の言う通り、人が多い。
手には鉄パイプや角材など危なそうな物を持っている連中ばかりだ。
どうしてこんなに危険な人物達が街を彷徨いているのか。
理由はあまり分からなかった。
徘徊する人物を観察していると1人の人物と目が合う。
するとこちらを認識した途端、鬼の形相で走って来た。
目は完全に血走っている。
どうやら興奮状態の様だ。
「お前ら今まで良くも虐げてくれたなッ!」
彼とは今までの人生において会ったことも話したこともない。
だから、彼の言っていることが的外れだと分かる。
しかし、彼にとっては顔など覚えることが出来ない程、不特定多数の人間に恨みを持っているのだろう。
「アンタがどれだけ辛い経験して来たのかは計り知れないが、武器を持つってのはそれだけの覚悟が必要だ」
「ゴチャゴチャとうるせぇー!」
鉄パイプは俺達を襲うが全く持って傷を付ける事すら出来ず、白転黒爆によってあっさりと斬られる。
斬れた鉄パイプが地面に落ちて金属音を奏でた。
それが一層彼を不快にさせたのか、届く事のない鉄パイプで何度も暴れる。
「満足したなら、それ以上暴れるのはやめておけ」
「俺は自由になったんだ。あの文字通り、泥を喰らってでも生活していた日々から抜け出したんだッ!2度とバカになんかさせるかよ!!!」
興奮した大きく手を振りかざす。
彼は泥喰らいだったのか。
街の統治を魔族が行うと言っていたが、それが彼等の立場にも影響を与えたのだろう。
富裕層と平等、もしくはそれ以上か。
憎しみを持った者が持つ力は恐ろしい。
自分の知っている痛みを忘れ、平然と他人に刃を向ける。
同情はする。恨むなとは言わない。
だけど、俺と仲間に向けた刃に容赦はできない。
「・・・なッ!なぜだ!」
今まで戦って来なかった者の攻撃は取るに足らない。
軽く利き手を斬り付けると少しばかりの傷が出来る。
それだけで苦痛の表情を浮かべて見せた。
「アンタらがどんなに酷い扱いを受けて来たのかは知ってる。いや、俺の知っている以上に傷付いて来たのかも知れない。だけど、自分で戦う事を選ばなかったのも事実。今武器を持って反旗を翻すことができるなら、きっとずっと前から出来たはず。他人の力で伸し上がって、それで同じ様に傷付けるのかよ!」
男は俺のことを鋭く睨んだ。
言い返すでもなく、武器を持って反抗するでもなく。
目の前の強敵に戦う気力を失い、憎しみだけが増える。
そのまま男は次の獲物を探すためどこかへと姿を消した。
街のあちこちから聞こえる悲鳴。
あの男の様に街では泥喰らいが富裕層を見つけては襲っているのだろう。
俺の救いたかった人々はこんなにも醜い人間だったのか。
命を掛けてでも守ろうとした意味は果たしてあったのか。
「思い詰めた顔しない。シローはこのパーティのリーダーでしょ?シローが思い詰めるとアタシ達まで不安になる。これは仕方ないって。アタシ達がどうやってもこうなる未来はいずれ来たのよ。この街の運命だったのよ」
ミラが励ましてくれて、前を向いた。
この街はきっと1度崩壊する。
ミラの言う通り運命だったのかも知れない。
その先に明るい未来が待っているかは彼等と魔族次第だ。
ここまで来れば介入出来る話ではない。
俺達は次の街へ行く。
そこでまた強くならなければいけない。
それは力の強さだけではない、心の強さもだ。
この街は最後に大事な事を教えてくれた。
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