059話 飛び散る血と掴まれた心臓
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魔族は四方八方から攻撃を仕掛けてくる。
遠距離、近距離などありとあらゆる角度からの攻撃をギリギリで躱しては1人を確実に倒す地道な作業。
体力の心配よりも長く続くこの戦いにいつか終止符が打たれるのかという不安が頭を過る。
火蜥蜴もかなりの活躍を見せてはいるが瀕死状態だ。
ここからは殆ど1人で戦うものだと思った方が良い。
着々と倒れていく魔族が地面に転がっていく。
これが非常に厄介な問題だ。
俺の動ける幅が少しずつ狭められいる。
今のペースで行けば、後10分もしない内に人1人も動けないくらいスペースはなくなってしまうだろう。
「テメェー等、人の島で何好き勝手やってんだ馬鹿野郎が」
後ろから声がする。
この声はマルクポンドだ。
こんな状況でマルクポンドまで揃ったら最悪な状況としか言いようがない。
アイツも戦闘に関しては実力がある。
魔族の相手でさえ、体力を奪われて大変だというのにマルクポンドの相手までするとなると中々骨の折れる話だ。
「これはこれは。マルクポンドさんじゃないですか。今は街の事を思って泥喰らいを殲滅しようとしている所です」
「誰の許可を得てそんな事しようとしてんだ?ここは俺の街だぞ。好き勝手される覚えはないけどな」
「まぁ、そう怒らなくても良いじゃないですか。遅かれ早かれ誰かがこの大規模な浄化をやらなければならかったのですから」
「良いか?よく聞けよ。泥喰らいであっても金を生み出す。つまり俺の財産という事だ。その財産を好き勝手にして良いと言った覚えはないぞ」
どうやらこの状況を把握していないマルクポンド。
クルシームと言い合いを始めていた。
「貴方とは金銭の事以外で全て考えが合いませんね」
「兎に角これをやめさせろ」
「それは出来ない相談ですね。ここまでの準備で既に大金を使いました。今更、何も得られませんでしたなんて納得出来ませんよ」
「そうかよ。なら、こっちも力尽くで止めるしかないな」
派手に暴れ出したマルクポンドは、次から次へと魔族を吹き飛ばす。
たった数十秒でこの制圧力。
味方ではないにしても今の俺にとっては心強い。
「どうして次から次へと邪魔が入る。私は世界浄化の為にここまで尽力して来たというのに。何故、何故、何故だァーー!!!」
発狂するクルシームを横目に2人で大量の敵を倒していく。
気付けばあれだけいた魔族も半分近くに減っている。
希望は見えた。
このままのペースでいけば、確実に守り切れる。
「こうなったら、最終手段を使うしかありませんね。私としては不安要素がありますが、彼女を呼ぶ事にします。来てください、ギャウ・・・グハァッ!!」
クルシームの心臓から腕が生える。
いや、後ろから突き抜かれたという方が正確か。
手に握られた心臓はあまり衝撃的な映像で目に焼き付く。
「ど、どうして、貴方は、味方の、、、はずでは?」
「あははー!アタシ、奴隷制度とか嫌いなんだよね!この街の汚物を掃除するとは言ったけど、汚物は何かなんてアタシ聞いてないからアンタから殺す事にしたの。って、もう聞こえてないか」
目に闇を宿した魔族が1人、そこには立っていた。
最初に会った時よりも淀んだ目。
ここにいる誰よりもレベルの高い殺気が肌を刺激する。
「テメェー何者だ。いや、そんなことは最早どうでも良い。今、テメェーが殺した奴は腐ってもこの街一番の稼ぎ頭。それを殺したってなるとこっちもやるしかねーよな?」
「あはっ!最初からそのつもり!この街が奴隷制度を許しているのがそもそも間違いなんだから領主を殺して、アタシの部下をここの領主にするの?素敵でしょ?」
睨み合う両者。
逃げ出す魔族達。
取り残される俺。
このまま2人がぶつかり合えば、ここは更地になってもおかしくない。
それだけは阻止しなければ。
死を覚悟しながら両者を間へ割り込む。
「この場で暴れるのはやめてもらえるか?既に派手に暴れて物が散乱してるけど、元々人が住んでんだよ。ちょっとは考えろ」
「俺の街で俺が何しようと勝手だろ。それよりも億単位で金を生み出す女を殺してコイツを許さねぇー」
「許してなんて頼まない。だって、アンタはここで死ぬから」
どうやら俺が何を言っても止めるつもりはないらしい。
獣の様に理性を無くして互いに走り出す。
第三者からは瞬間移動したのではないかと思うスピードで。
だけど、俺にはこの時の為にあると言っても過言ではない固有スキルがある。
【スロービジョン】
視界がゆっくりになる。
言い換えれば動体視力が上がった様な物だ。
見えているからと言って体が動くかどうかは別問題だけど。
「一旦、止まれって言ってんだろッ!【闇魔法】"シャドウアロー"!」
1万を軽く超える闇を纏う矢が、嫌味にも照りつける日差しを飲み込みながら暴れる2人へと向かい発射される。
流石にこれで止まるかと思われたが、2人共何事も無かったかの様に綺麗に避けながら前へと進行を続ける。
このままでは2人の喧嘩に挟まれながら死んでいく。
それが嫌なら今は魔力を捧げることに尽力するしかない。
もっと速く、もっと鋭利に。
頭の中で魔力のイメージを膨らませていくのだった。
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