056話 魔族の序列
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「ギムレット式モテ男講座その1、女性や子供にはとことん優しく。こんな簡単なことも守れないとは君は愚か者だな」
「また厄介なそうなのが増えてしまいましたね。計画は手筈通りに進めなければいけないのに」
助かった。
あのままではリルとラルを失ってしまう所だったのだから。
インレートはチラチラと時計を見ては焦りを見せていた。
時間を気にするということは、この戦いを少しでも長引けば相手にとって不都合な事が起こる。
インレートの思い通りには絶対にさせたくないので、全力で相手の思惑を阻止したい。
「僕を追い詰めた男が情けないなシロー」
「うるせーな。相手が1枚上手だっただけだ。ここからは好き勝手やらせねーよ」
「そうか。僕の動きについてこいとは言わない。せめて、邪魔だけはしてくれるなよ」
「分かってる」
俺とギムレットが構えた。
連携など一度もした事がない。
だけど、アイツは強い。
その事実があれば勝てるという気持ちになってくる。
インレートを挟み込む形でも攻撃。
俺にも当たる可能性があるというのに容赦無くレイピアで突きを放つ。
インレートが避けるのを見て、俺も当たらない様に反射神経だけで避ける。
そして、こちらからも攻撃を。
勿論、ギムレットに当たることなど一切考えない。
お互いにお互いを喰らう覚悟で放つ、連携のれの文字すらない攻撃。
相手は少しずつその異様な攻撃にペースを呑まれ始める。
(どうなっているッ!私が調べ上げたデータ以上の力が出ている!それにコイツ等、一歩間違えれば味方が死ぬかも知れない攻撃を平気で。読めない、全く読めない)
遂には、ギムレットのレイピアがインレートの横腹を掠める。
ここまで完全に防ぎ切っていたインレートの僅かな綻び。
僅かに滴る魔族の血。
勝利への道筋へと繋がる一撃だった。
しかし、絶望というのはいつも突然に訪れる。
インレートとは別の魔族がゆっくりと近付いてくるのが見えた。
この状況での敵の増援。
はっきり言って最悪だ。
ただでさえ、魔族の相手をするのは、二人掛りでもやっとなのにもう1人増えれば勝ち目が遠くなる。
「何だ、このザマは。インレート、テメェーあれだけ大口を叩いてまだ処理出来ていねーのか」
「イレギュラーが発生しただけだ。すぐに対処する」
「すぐに対処だと?腹部に一撃貰っておいてか?」
味方であるはずのもう1人の魔族は、インレートの傷を素手で触る。
痛みで悶えた顔のインレート。
アイツ等は味方では無いのか。
敵同士と言われても信じてしまう程に関係性は悪く見える。
「サイア、貴様ァー!好き勝手やり過ぎだ!」
「おいおい、序列の俺より下の分際で楯突こうってか?」
「たった数位上の癖に付け上がるなよ!【魔族秘術】"ブラッドエンチャント"!!!」
傷口から出ている血を一滴飲み込む。
側から見ても分かるほど赤黒い光を身に纏う。
恐らく魔族専用のスキル。
一段階上のステージに入ったのは言うまでもない。
まさかこんな隠し玉を用意していたのか。
サイアという魔族の首を狙って一直線に進むインレート。
いきなり始まった2人の魔族の争いに多少戸惑うが、チャンスでもある。
2人が潰し合っている所を俺達も横槍を入れて三つ巴の構造で戦う。
それなら少しは勝機が見える。
「こっちも攻めるぞ!【闇魔法】"シャドウアロー"!」
「言われなくても!【精霊術】"火蜥蜴の憤怒"!」
「私も遠距離なら得意。【全能の書】"風月の舞"」
2人の魔族の争いに巻き込まれない様、遠距離からの攻撃を仕掛ける。
いくら魔族とはいえど、これを全て受けて立ってはいられないだろう。
この三つ巴は、人数の多い俺達が圧倒的に有利。
焦らず冷静に仕留める。
「良いなぁーッ!闘いってのはよぉーッ!ここから全員血祭りにしてやるよ!【狂気化】"レベル1"!」
サイアもテンションが上がると同時にスキルを発動。
全身から漏れ出る赤色の湯気。
髪は色の抜けた白色へと変わっていく。
放たれた3つの遠距離攻撃を見ずに躱しながら、平然とインレートの相手をやってのける。
2人の魔族の強さは言うまでもない。
ここからどちらも討伐する為には限界を超えた戦いを余儀なくされるだろう。
「ベリー!ありったけのバフを頼むッ!」
「うん、分かった!【強化歌い】"スピードソング""パワーソング"!」
前衛陣に掛けられたバフ。
同時に前へと攻め込む。
遅れてミラとギムレットも。
1番最初に辿り着いたのは勿論俺だった。
下側からアッパースイングでサイアに放つ躊躇いのない一撃。
手を伸ばせば簡単に届いてしまう程の至近距離。
ここから攻撃が当たらないはずがない。
心の中でそんな確信があった。
「そりゃ甘いぜ!」
数ミリの世界で躱されてしまう。
後少し動きが速ければ。
あるいは、もっとリーチの長い武器を使っていれば。
戦闘中にも関わらず反省が止まらない。
「これは先程貴方の仲間から頂いた分です」
存在感を消していたインレートが横からスッと現れる。
非常にまずい状況だ。
腕を振り上げたせいで動きが数秒間硬直してしまう。
たった数秒でも命を落とすのには十分だった。
グッと後ろから服の襟を引っ張られる。
しかし、これは敵の攻撃ではない。
敵の攻撃からギムレットが助けてくれたのだ。
先程からギムレットの間一髪のファインプレーには頭が上がらない。
「お返しがしたいなら直接本人に来れば良い。それとも君は恥ずかしがり屋なのか?」
相手の冷静さを失わせる挑発。
これにはインレートの顔も真っ赤だ。
横にサイアの高笑いも一層羞恥心を増幅させる。
「貴方は私の手で必ず殺して差し上げましょう」
怒りのボルテージが最高潮に達したインレートは、突如ギムレットに宣戦布告をするのだった。
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