005話 女子に絡むうざい奴らは異世界の定番
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あの衝撃的なスライム討伐事件があった翌日。
今日は訓練も休みで丸1日自由な時間が出来てしまった。
特に何をしようか思い付いている訳ではなくフラフラと街を観光するるつもりだ。
昨日討伐が終わった後に1人1000Gの支給があったので、観光ついでに美味しい食べ物でも食べて帰ろうか。
ちなみに言うまでもなく、あれから他の女子と会話は出来ていないのでポイントも貰えていない。
女子と会話しないとポイントが貰えない都合上、当分はポイントは貰えそうにないな。
「さてと、まずはギルドを覗いてみたいよな」
別に冒険者登録をするつもりはないが、折角異世界に来たのであれば1度くらいは除いてみたいと思っていたんだ。
それにギルドの受付のお姉さんは可愛いって相場が決まっている。
決してやましい気持ちはないけど、会ってみたいものだ。
王城を出て、街の中を散策。
昨日、歩いた時も思ったが商売が盛んだな。
店舗型だけでなく、露店もずらりと並んでいて、人々が話をしながら楽しそうに買い物をしている。
日本にいた頃は、みんなが携帯を見て黙って歩いているだけの景色が普通だったので、この光景には温かさを感じるな。
予め貰っていたギルドまでの地図を片手に持ちながら、視線をあちこちに移していると気付けば到着していた。
「ここがギルドか」
思っているよりも広めの造りになっているギルド。
扉は俺の身長よりも遥かに大きく、ダークブラウンの木で出来ていた。
「なんか変に緊張するな」
中の様子は勿論外から見れないので、入るのを躊躇っていると何人かの冒険者が俺を横目に出入りする。
ここで立ち止まっていればやはり変な目で見られるようだ。
勇気を出して扉の前に立ち、覚悟を持って持ち手に手を掛ける。
「離してよッ!アタシの邪魔しないで!」
喧嘩している声と同時に向こう側から掛けられる力。
予期せぬ事態に、俺は思わず扉と正面衝突。
そのまま体勢を崩して地面に転がる。
ちょっと興味本位で来ただけなのに、こんなに不運な事があるだろうか。
確か運気のステータス欄があった気がするから、50になるように振っておくべきだったと今になって後悔した。
「アンタ、大丈夫!?ごめん、アタシのせいで」
「いやいや、気にしないで良いよ。俺が扉の前に立っていたのも悪いし」
「あーあ、ミラちゃんやっちゃったねー。まぁ、そんな事より俺達のパーティに参加してくれよ」
「アンタ達がしつこいからこうなったのよ!」
目の前には、明らかに素行の悪そうな冒険者3名と、赤毛短髪の美少女。
どういう状況なのかは説明されなくても何となく理解した。
ここは助けに入るべきか、否か。
俺が助けに入った所で戦力にならないよな。
それなら何事も無かったかの様に中へ入るか。
いや、ここは女子と話してポイントを獲得するチャンスだと思って助けに入ろう。
「その辺にしとけよ、困ってるのは見て分かるだろ」
「あー?なんだお前、俺が誰かも知らずに声掛けて来たのか?」
「知らないけど、良い噂が流れているタイプではないだろうな」
「ふっ、確かに」
俺の後ろでくすくすと笑う少女。
それを見て、恥をかいたと憤る3人。
なるべく穏便に事を済ませるつもりだったけど、揉め事は暴力沙汰に発展しそうだ。
相手は武器を構えて殺気を出している。
ガタイも良いし、俺が勝てるのかという疑問はあるが、ここまで来た以上引き下がれない。
死んだ時は後ろにいる彼女が骨を拾ってくれるだろう。
「手助けはいる?」
流石に俺1人では不安なのか質問を投げかけて来た。
「いらないって言えば嘘になるけど、それだと格好がつかないから、ピンチの時はこっそり助けてくれ」
「あはは、何よそれ!もしかして、思ってる事全部口に出すタイプ?」
「人生で嘘付いたことないからな」
「それ言う人で本当の人見た事ない」
自分で言っておいてなんだが、俺もない。
そんなどうでも良いような話をしていると痺れを切らして、襲い掛かってくる3人。
言葉を発さず静かに攻撃して来る所が、戦いに慣れた冒険者って感じがするな。
「刃物は流石に卑怯だろ!」
体が自然と動く。
これもスキル欄に書かれていた【護身術】のおかげだろう。
運動の限界まで上げている事もあって、何も苦労する事なく3人を制圧。
地面に倒れ込んでいる姿を見て、少しやり過ぎてしまったかと反省すると同時に、自分がここまで出来る事にまたも驚いた。
最初は全くするつもりが無かった魔王討伐ももしかして出来るのではないかと勘違いしてしまうほどだ。
「ぐっ、あんま舐めんなよ。【火魔法】"ファイア"」
最後の足掻きで俺に向かって火魔法を放つ。
流石にこの距離は避ける事が出来ないかと諦めていると、赤色の髪が俺の前にカットインして来る。
そして、腰に携えた短剣であさっりと火魔法を真っ二つに。
「助けてくれたのは嬉しいけど、アタシ意外と強いから」
どうやら俺の手助けは最初から必要無かったみたいだ。
これは恥ずかしい勘違いをしてしまった。
「さっさと失せな。アタシ、本気で殺しちゃいそうだから」
倒れている3人と同じ目線にする為にしゃがみ込み、首元に短剣を押し当てて決め台詞。
俺が女の子だったら、こんな助け方されたら危うく惚れてしまいそうだ。
3人はキッと睨みこそしたものの何も言わずにその場から立ち去った。
[しつこく迫られている異性の救済を確認。200ptを付与します]
[異性と5分間の会話を確認。5ptを付与します]
[特別な条件を満たした為、スキル【格好付け】を入手しました]
今回はベリーストの時と違って、交友関係一覧に追加されたりはしないみたいだ。
まぁ、たまたま出会ったくらいでは登録されないのだろう。
そんな事よりも大事なのは205ptも入手したという点だ。
前の余りと合わせると285ptで、全ステータスを限界値まで強化してもお釣りが来る。
加えて、スキル【格好付け】がこの世界では地味に嬉しい。
異性が周囲にいる場合、運動のステータスを1.2 倍する効果がある。
本来は体育祭や不良イベントなどで重宝とされるスキルだが、異世界では常に発動させておきたい。
ちなみに、この倍率の概念はステータスの限界値に干渉しない為、序盤はスキルを取った方がお得な場合もある。
「そうだ。ギルドではあんま見ない顔だし、アンタ初心者でしょ?アタシは案内してあげる」
正直、ギルドに冒険者として所属するつもりはないけど、相手の好意を無駄にする訳にもいかない。
それに話せば話す程ポイントは貰えるのだから断る理由もないだろう。
「自己紹介まだだったわね。アタシはミラ・マリストックよ。よろしくね」
「俺は士郎、よろしく」
["ミラ・マリストック"のプロフィールを交友関係一覧に追加しました]
どうやら自己紹介をした相手は交友関係一覧に追加されるらしい。
そんな学びを得ながら、ギルドの中へと入った。
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