048話 眠る彼女
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「ここがゴールドクライシスかぁー。なんか・・・なんか、すごいね」
ベリーの少ない語彙から搾り出たすごいという言葉。
つまりは言い表せない感動を体感しているのだろう。
中にはこの前の夜とは違い所狭しと人で埋め尽くされている。
こんなに広い施設で逸れてしまうのはリスクがあるので、リルとラルの小さな手をしっかりと握った。
2人からぎゅっと返ってくる反応が心をほっこりとさせる。
前とは違うスタッフが同じ様にエレベーターホールで説明を済ませてから、どこへ向かうを訪ねる。
前回は修羅の道だったので今回は凪の道と言いたい所だが、そんな余裕はない。
仕方なく今回も修羅の道を選んだ。
エレベーターが下へ降りていく。
楽しそうにはしゃぐベリーの姿もエレベータが止まると大人しくなる。
そして、扉が開いた。
いつ見ても地獄を煮詰めた様な雰囲気だ。
身ぐるみ全て剥がされる者や泣き叫びながらどこかへ連れ去られる者まで。
見ていて気持ちの良い物だとは嘘でも言えなかった。
「最初は何からする?」
「簡単なのが良いんじゃないか?派手に賭けて失敗するよりは」
「それもそうね。じゃあ、これにしましょう」
選んだのはまたしても同じくブラックジャックだった。
俺はここで沢山稼がせてもらったので、とりあえず見ているだけで良い。
テーブルに座る3人。
そこでゲームがスタートした。
手際良く配られるカード。
3人の手はどれも良い物とは言えない。
寧ろ、弱い方だ。
辛うじて9と10を持っているミラが少し可能性があるくらいか。
ディーラーがヒットするかどうかを聞いてくる。
ミラはセーブしたが、白司録とベリーはヒットを宣言。
「うわぁー!!!バーストしたー!どうしようシロー!やばいかな、やばいかな?」
見事に1人だけバーストするベリー。
まだ1回だけだと言うのに負けてしまったという焦りで、俺の胸ぐらを両手で掴みながら激しく揺らす。
「やめろ!やめろ!大丈夫だから、また勝てるから」
しょうがない、ここは"アレ"を試してみるか。
「ほら、座って座って。俺が念を送ってやるから」
「何そのスピリチュアルなの。ベリーそんなの信じるタイプじゃないよ?」
「良いから良いから」
そっと肩に触れる。
そして、スキルを発動する。
100ptも使って入手した新スキル。
ちゃんと効果があると良いのだけど。
ディーラーがカードを配る。
2枚のカードを恐る恐る捲るベリー。
見えたカードはAとJ。
「えっ!すごいすごい!やったー!」
ここまで上手くいくとは。
【運のお裾分け】というドキラブの方のスキルだ。
自分と相手の運気ステータスを合計して、半分ずつ分配する。
本来は運気の悪いヒロインに使って好感度を上げる物だが、まさかこんな所で役に立つとは。
どんなスキルでも使い様だな。
そこからお金を稼ぐのはあっという間だった。
途中からディーラーに怪しまれていたので、その場を後にしたが、たった1時間くらいて500万は稼いだ。
「やばいかも。ふぁーー、急に眠気が・・・」
ベリーが突然欠伸をした。
ここへ来たいと言い出した本人なのに眠くなるのはどうなのかと思うかも知れないが、彼女はそういう呪いに掛かっているので仕方ない。
事情を2人に話して、ショッピングエリアで休む事にした。
「まさかそんな呪いに掛かってるとはね。普段は元気だから気付かなかった」
「呪いなら元凶を倒せば解ける。だから、私達が力になる」
2人は驚きこそしていたが、どうにか呪いを解いてあげたいと親身になって考え込む。
その姿を見るとたった数日の関係とはいえ、良好な関係値を築けているのを感じられて嬉しくなる。
ショッピングエリアの小休憩ゾーン。
ベンチに寝かせたベリーは、すやすやと寝息を立てている。
呪いなのは分かっているけど、ここだけ見たら遊び過ぎて疲れてしまった子供みたいだ。
リルとラルが寝ているベリーの頭を撫でると、嬉しそうな寝顔を披露する。
この場に俺がいて良いのかと考えてしまうくらい、ほのぼのとした空間だ。
「ちょっと飲み物買ってくる」
「なら、私達も」「付いていきます」
「なら、ちょっとお手伝い頼もうかな」
みんなの分の飲み物を買うとなるとそれなりの量になる。
1人で6人分持つのは大変なので、リルとラルには自分達の分を持ってもらうことにしよう。
後は俺が持てば良い。
1番近くの飲食店で飲み物を注文する。
他のみんなが何にするか聞きそびれたのでとりあえず色んな種類を買っておいた。
「リルとラルは何にする?」
注文のテーブルに身長が届かない2人を両手でそれぞれ抱き抱えて聞いてみる。
沢山あるメニューから1つを選ぶのは難しいらしく、どれにするかしばらく迷っていた。
要らない物を頼んでしまうよりは気に入った物を選んで欲しいので時間など気にせずにじっくりと選んで欲しい。
しかし、その思いとは裏腹に時間が経てば経つほど、あわあわとなるリルとラル。
自由を与えるのも時には不便なのかも知れないと思い、ここは助け舟を出す。
「俺と同じのにするか?結構美味しそうだぞ」
「「うん!それにします!」」
注文した飲み物が届くと、ニコニコと笑みを浮かべて大事そうに両手で持つ。
「「えへへ!お揃いですねご主人様!」」
えっ?可愛いくね?
何これ胸がキュンキュンするんだけど。
恋とは違う何かに目覚めそうだ。
いや、父性や母性キャラはパーティに2人もいらない。
そっと爆発しそうな何かを抑えて、いつもより温かな目で2人を見守った。
それにしてもこのエリアも人が多いな。
富裕層が大半を占めている。
もしかすると買い物だけでこの施設を利用する人もいるのかも知れない。
そんな中に1人だけ目立つ格好の奴を見つけた。
派手な露出に整ったスタイル。
角や尻尾こそ生えていないが、一目見ただけで彼女がギャウルだと分かる。
確かこの街に用があると言っていたな。
何をするつもりなのか気になるが、俺の隣にはリルとラルがいる。
2人ともギャウルの事はトラウマになっているはずだ。
だから、追いかけたい気持ちを押し殺して、みんなの下へと戻った。
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