046話 腹が減ってはなんとやら
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ギルドを出る前にまずは食事をする事にした。
双子の事も知りたいというのもあったし、明らかに痩せ細っているのを見る限りまともな食事は食べさせてもらえていなかったと推測出来る。
人生において空腹は敵だ。
正常な判断や気力など大事な物を全て奪う。
この子達にそんな辛い思いはして欲しくない。
ギルドの食堂に行くと2人にメニューを選ばせる。
「どれがいい?全部美味しいから好きなのを選ぶといい」
「私達奴隷なので」「こんな良い物食べられないです」
「遠慮しなくて良いって。俺は奴隷というより仲間だと思ってるから」
「「仲間?ですか?」」
「そうそう。大事な家族みたいなもんだ」
「家族・・・」「仲間・・・」
言葉を復唱した後に少し固まる双子。
何かを考えている様だ。
そして、2人は顔を見合わせてから喋り出す。
「「あれが良いです」」
指を指したのはメニューに載っているクリームシチューの所だ。
もっと他にもお腹に溜まりそうな物はあったが2人がそう言うなら仕方ない。
何か思い出のある料理なのだろう。
今回はバラバラの料理を食べるのでは無く、全員クリームシチューを頼むことにした。
その方が双子も食べやすいだろう。
料理が届くと双子はキラキラとした目でクリームシチューを見ていた。
気持ちはすごい分かるぞ。
だって、このクリームシチューから溢れ出るミルクの濃厚な香り。
これが食欲を唆る。
それだけじゃない。
白い海の中から見え隠れする野菜や肉の存在感。
あくまでも自分達は主役ではないですよと謙遜している癖にいざ食べると溢れんばかりの旨さをアピールしてくる。
「なんでアンタの方がヨダレ垂らしてるのよ」
「まじか!いや、これは仕方ないんだよ」
食事の時はどうしてもこうなる。
美味そうな物を見るとヨダレが出るのは人間の性たと思う。
「いただきます」
「「・・・?イタダ・・・キマス?」」
俺の言葉を真似する双子。
この挨拶はこちらではしない様なので真似しなくても良いんだけどな。
でも、親の真似をする子供みたいで可愛らしい。
さて、一口目を食べた時にどんな反応をするか。
温かい気持ちで見守ろうとしたが何故か双子は食事に手を付けない。
スプーンを持っているのを見る限り、食べたく無い訳では無さそうだ。
「士郎が食べないと食べない」
白司録がそれに気付いてアドバイスを横からくれる。
俺の事など気にせず食べて欲しいが、一応建前としては奴隷契約をしているので難しいのだろう。
こうなるなら、自由にしてあげる方法も聞いておくんだった。
スプーンでシチューを掬い一口食べる。
それを真似して一口食べる双子。
また一口食べると、同じく一口食べる双子。
何だか小動物みたいで可愛い。
「そうだ、忘れてた。2人は名前なんて言うの?」
「私がリルで」「僕がラルです」
男女の双子か。
顔は整っているが、今までの環境がおざなりだった分勿体無い。
「ご主人様の」「名前も知りたいです」
「俺は士郎。ご主人様とか堅苦しいから普通に士郎で良いからな」
「アタシはミラよ。お姉ちゃんでも、ねぇねでも好きな様に呼んでね」
余りのリルとラルの可愛さにやられて好き勝手言うミラ。
「ベリーはベリーよろしくね」
自己紹介で一人称が自分の名前のせいで盛大にネタバレをするという天然を発動したベリー。
しかも、本名はベリーストだし。
「神奈」
たった3文字の自己紹介。
自己紹介でこれだけ個性を詰め合わせられるのは後にも先にもコイツらぐらいだろうな。
「ご主人様」「そして、みなさんも」「「ありがとうございます」」
深く頭を下げるリルとラル。
助けたのは運命的な要素が強い。
だから、お礼を言われる筋合いはない。
だけど、それを説明したところでリルとラルの気持ちは変わらないだろう。
「どういたしまして」
今はそっとその言葉を受け止めることにした。
「よしっ!腹も満たしたし、次行くか?」
「「次?」」
不思議そうな顔をする双子。
だけど、他の人は何をするか分かっているみたいだ。
戸惑う2人を連れてギルドを出る。
やる事は沢山ある。
服を新しくして、髪を整えて、体を綺麗さっぱりに。
宿に戻ったらもう一部屋空きが出ていないか確認もしなければならない。
───
「疲れて寝ちゃったみたいね」
ベッドで仲良く手を繋ぎながら寝ているリルとラル。
「誰かさんが服屋で着せ替えショー始めるから」
あの後、服屋に行った俺達。
そこでミラが母性本能が爆発。
次から次へと服を持って来ては着せ替えさせを10回近く繰り返していた。
しかも、試着させた服は全部購入していたし。
何となく白司録に対しての態度が柔らかいとは思っていたが、まさか小さい子が好きとは。
「ベリーにも妹はいたけど、あっちよりこの子達の方が可愛いなー」
「ベリーまでそっち側に行くなよ?2人もいたらミラみたいなのがいたら怯えるから」
「アタシを何だと思ってるの」
「頼りになる超ロリショタコン?」
悪気のないクラティカルヒットを放つベリー。
地面に両膝を付いて倒れ込んだ。
天然の言葉って時として鋭いよな。
「ミラは優しいお姉さん」
「もぉー!カンナだけだよ味方はー!」
「え!?なんでなんで!ベリーも褒めたよ?」
「しぃー、リルとラルが起きるだろ」
騒がしい空間だ。
口では静かに言ったものの俺はこの空気嫌いじゃない。
学校に居た時とはまた違う日常。
命のやり取りをして、武器を揃えて、強くなって、それで色々な出会いがある。
だけど、楽しいだけが全てではない。
裏には見えないくらい沢山の闇がある。
綺麗事では片付けられない闇が。
それを知るにはまだ早い。
俺達は当分この空気を味わっていたいのだから。
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