035話 セレントロンは金の街
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馬車に揺られる事1時間半。
中では殆どガールズトークが繰り広げられていて、言い表し難い気まずさを感じていたが、ようやく次の街へとやって来た。
近くに連れて見えて来る外観は、お金に物を言わせた派手な印象を受ける。
「あれが次の街か」
「そうよ。世界各国の大富豪達がここを自分の墓場にすると言われている程の高級街・セレントロンよ」
「ベリーも行った事あるけど、物価はそんなに高くなかったよ?」
ベリーストはミラの解説を不思議そうに聞いていた。
だけど、ベリーストの話は信用出来ないな。
あまり外に出る機会も少ないであろう彼女が街の物価に詳しいはずがない。
ましてや王族の人間。
お金には不自由がなさそうだ。
「・・・ちなみに、何の変哲もないパンが1000G」
もっと具体的な数字を提示する白司録。
それによってやはりベリーストの金銭感覚が狂っている事が証明された。
パンが1個1000Gは高い。
種類にもよるけど、一般的なパンは高くても300〜400Gが関の山だろう。
毎日1000Gもパンに使っていたら破産するのも近くない未来の話になる。
「ほら、嬢ちゃん達セレントロンだ!楽しんで来な!」
ここまで運んでくれた御者のおっさんと別れる。
あのおっさんには良くしてもらったので代金の1万Gに加えてチップで5000Gも渡しておいた。
セレントロンで最初に俺達を出迎えてくれたのは、大きな門だった。
簡単には侵入者を入れない様に頑丈な造りになっている。
そして、そこに立っている大男の門番。
体格は標準的だが、着ている装備が明らかに強そうだ。
「こんにちは」
「こんにちは。君達、旅の者か?」
「まぁ、そんな所ですかね」
「この街は完全会員制となっていて、1度中に入る為には会員登録をして貰う必要がある」
完全会員制って、店がそのシステムを採用しているなら分かるけど、街に入るだけでも登録が必要なのか。
登録には恐らくこちらの情報を記載する必要があるだろうし、犯罪への抑止力には多少なるのかもな。
「アタシは会員登録済みよ」
「ベリーも勿論登録済みー!」
「なら、登録が必要なのはそこの2人みたいだな」
俺と白司録は勿論登録なんてしていない。
お金を払って、軽く情報を記載して登録が完了する。
登録が終わると間もなくカードを渡された。
薄くて軽い、そして小さめだ。
「この街での出入りはこれが必要だから絶対に無くさないように」
こんな注意喚起があるのは無くす人が多いからだろうな。
お金に困っていない人は当たり前に再発行を選ぶので手間が掛かるのだろう。
かく言う俺も無くさないようにと言われたけど、すぐ無くしてしまいそうで怖い。
「よっしゃー!セレントロン到着!」
「この街での目標は何かあるの?」
「タタルトの隣だったのもあるけど、この街では武器調達かなー。俺も新しく短剣を新調したいし、それに白司録とベリーは武器は何も持ってないだろ?」
「持ってない。出来れば杖が欲しい」
「えーっと、ベリーはね。うーんとねぇー」
今まで戦いなんてした事が無かったベリーは武器と言われてもすぐには思い付かない。
こちらとしては焦る必要はない。
この街で戦闘の基盤を整えてから旅を再開させれば良いのだから。
「大丈夫よ、ベリー。アタシが色々と教えてあげるから」
「うぅー、ありがとうミラちゃん」
頭を撫でて励ましてあげるミラと、それに甘えるベリースト。
見ているだけでも目に優しい光景だ。
「まずは資金調達からだよな。よしっ、お金を稼ぐといえばギルド。ギルドへ向かうぞ!」
張り切って先陣を切った。
が、数歩進んでから大事な事に気付く。
「ギルドってどこにあるの?」
「何で自信満々で前歩いたのよ」
「そりゃー、テンション上がってからだろ」
「しょうがないわね!このアタシに付いて来なさい!」
勝手ながらにこのメンバーのリーダーは俺がやる物だと思っていたが、どうやらそれは勘違いだったらしい。
圧倒的に知識不足だ。
頼りになるミラがいなければ、グダグダなスタートになっていたのは言うまでもない。
ギルドを目指し、街並みを楽しみながら歩いていると1人の少年が前から走って来るのが見える。
「そこのお兄さん方!そいつを止めてくれ!」
後ろからは慌てて少年を追い掛ける男がいた。
見れば一目で分かる窃盗。
着ている服はボロボロで、腕や足は傷だらけ。
明らかにまともな生活は送れていないのが分かる。
この若さでは稼ぐ手段もあまりなく、切羽詰まり考えた結果が盗みだったのだろう。
同情する余地はある。
だけど、犯罪は犯罪だ。
例えどんな理由があろうとも。
「離せッ!」
すれ違う瞬間に服の首を掴んで持ち上げる。
身長もまだ小さく痩せ細った少年を持ち上げるのは容易かった。
「暴れるなよ」
捕まればどうなるかは想像に容易い。
だから、少年は必死に暴れた。
抵抗は虚しく、俺達の下まで追い付く店の者。
顔は怒りで満ちていた。
「ありがとうございます、お兄さん達!このクソガキッ!店の物勝手に盗みやがって!」
「・・・俺だってこんなこと」
したくなかった。でも、せざるを得なかった。
悪いのはここの仕組みかも知れないが、この世は全て結果論だ。
「で?この子はどうするつもりですか?」
「あぁ、安心してください。こちらでこの件は処分しておきますから」
捕まえはしたが、この人に引き渡せば想像以上に酷い結果が待っていそうだ。
それはこの人が向けている冷たい目線を見れば分かる。
「盗んだ物はいくらですか?」
「なんでそれを?まぁ、3000Gぐらいですかね」
あの量でこんなにするのかと思いながらも、手持ちからお金を取り出す。
「これは一体何の真似ですか?」
「その金は俺が支払います。だから、今回ばかりは見逃していただけると助かります」
「いくらお金を貰おうとそいつらを許してはいけないんですよ」
「・・・どういう意味ですか?」
俺は思わず口に出した。
少年が犯した罪とは別に深い差別的思想がありそうな気がして。
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