032話 答え合わせと行こうか
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廃墟の裏口を見つけた俺達は音を立てない様に最大限の注意を払って外へと出た。
敵の気配は全くない。
雰囲気からして戦いは終わったのだろう。
しかし、気配の1つや2つくらい簡単に消せる奴がいても可笑しくないだろう。
「それにしても魔物や敵の死体で溢れてるな」
「その分、みんなが頑張ってくれたということですね」
気絶から目を覚ましていたラズリがまだ起きていないアルップを抱えながら冷静に答えた。
それにしても良くこれだけの数相手に勝つ事が出来たな。
後はこちら側が誰も死人がいなければ良いのだけど、そんなに甘い話はないか。
あれだけ激しい抗争になったのだから、死人がいないはずがない。
帰り道は少しだけ行きより長く感じた。
あまりにも見える物が多すぎて。
王城に戻ると、国王は大いに喜んだ。
自分の娘が攫われたとなったら、例え自分がどんな身分でも心配でない親はいない。
「ありがとう、シロー。君のおかげで娘達は生きて帰ってこれた」
「いや、俺だけのおかげじゃないですよ。みんながいたから、助け出す事が出来ました」
「そうか、君はそう答える人間なのか。素晴らしい。この後の食事は心ばかりではあるが豪勢な物を用意させよう。ゆっくりと楽しんでくれ」
疲れた体には美味しい物がよく効くと昔から相場が決まっている。
だから、今日の晩御飯は楽しみだ。
出来ればステーキとか、ステーキとか、ステーキとか。
兎に角、肉を体が欲している。
エネルギーを全て使い果たしたからな。
「つ、疲れたー!」
「これで無事に終わったみたいだね」
次に戻って来たのは、日比野、尾美ペア。
普段はあまり見ないペアだが、仲の良い様子を見ると何かあったのだろう。
2人を皮切りに続々と戻る騎士団員やクラスメイト達。
それを見て、本当に戦いが終わったのだと実感出来る。
後、気になるのはダクマズとクランの決着の行方だ。
どうにかして知りたいが、ひとまずは大丈夫だと信じよう。
クランが負けているとも思えないしな。
「さてと。ここから美味い飯と言いたい所だけど、俺にはもう少し仕事が残ってるんだよな」
話はこれで終わりではない。
まだ、解決しないといけない事がある。
裏切り者、いや、真の犯人に会いに行かなければならない。
ただ、大々的に会うのは問題があるのでひっそりと。
俺の胸の中だけで事件は終わらせる。
とある部屋の前でノックを3回。
返事が返って来て、入室を許可される。
ドアノブに手を掛けて、ゆっくりと扉を開けた。
彼女は俺が来た事に対して、不思議そうな顔を1つもしていない。
最初から俺が来ると分かっていたかの様だ。
「どうしたんですか?シロー」
「今日は大変だったな」
「えぇ、私もまさか誘拐されるとは」
「思ってもいなかった。か?もう良いんじゃないか?この一連の事件を企てたのはアンタなんだろ?"ラズリ・タタルト"」
不適な笑みを浮かべた。
整った顔だというのに綺麗という感情よりも先に恐ろしいという感情が湧く。
瞳の奥には光など一切通っていない様に見えた。
「あらあら?何のことですか?」
「惚けたって無駄だ。自分が何したか分かってるのか?」
「だから、何を言っているのかさっぱり」
「最初はダクマズと会った時だ。あの時、アンタは魅了をスキルを使ってダクマズを落としたのかと思った。だけど、実際は違うんだろ?」
「はて?それではどうやって彼を?」
まだ仮面は付けられたまま。
ピクリとも動かない表情からは余裕を感じられる。
「持ち掛けたんだよ。悪魔の契約を」
「どんなですか?」
まるで俺の推理を試すかの様に質問を投げ掛けるラズリ。
「この王都に大混乱を呼び込み、派手に暴れされると」
「そんな事が可能ですか?」
「だから、ダクマズに自首を促した。そうすれば、騎士団の評価が上がるから」
「騎士団の評価?全く話が見えませんね」
「騎士団の評価が上がれば、民衆は騎士団を支持する。そういう心理を利用して、火事を敢えて起こして騎士団を警備に当たらせた」
「それはおかしいですね。火事は複数の箇所から同時に。それも目撃証言はほぼ無かったとお聞きしていますが」
どこまでもシラを切る。
でも、何故か敢えて真実へと導いているような気もした。
何がしたいのかさっぱり分からないが、俺はその誘拐に乗るしかない。
「古代魔導具"時の鍵"。あれを使えば、どこからでもいくらでも火事を起こせる。確かあの時、時の鍵を回収したのはアンタだったよな」
「ええそうですね」
「騎士団の巡回も」
「ええそうですね」
「それでもアンタはやってないって言うのか?」
少し間を開ける。
考える素振りを見せているが、何を考えているかは分からない。
「んー?仮そうだったとしても全て証拠があるんですか?私が証拠だという物的証拠が」
「・・・ない」
現場で拾ったランプの破片も恐らくは指紋など付いていない。
だから、現段階でこれは俺の妄想だと言われてたらそれまでなのだ。
「でも、確信がある」
「それは何故?」
「ダクマズが全部吐いてくれたからな。俺とのサシの勝負を条件に」
咄嗟に鎌を掛けた。
嘘が通用する相手ではないと思ったが、ここで逃す訳にはいかない。
彼女は大罪を犯した人間なのだから。
「・・・そうですか。彼もまた貴方に固執している人間。あり得ない話ではないでしょう。それに十分欲しい物は得られましたし。貴方を揶揄うのもここまでにしましょう」
「揶揄うだと・・・。人が・・・人が死んでるんだぞッ!」
怒りで思わず手が震えている。
そして気付けば彼女の胸倉を掴んでいた。
心の底から湧き出る黒い感情を必死に抑えるので精一杯だ。
「フフフ。やっぱり、貴方は優しい。こんな私、殴っても良いのに。手は出さないんですね」
うっとりとした狂人が俺を見つめていた。
こんな状況でどうして惚けた表情が出来るのか。
人を殺して罪悪感はないのか。
問いただすべき事はまだ山の様にあった。
だけど、ここからは彼女自身の口から聞きたい。
納得出来るような答えなど最初から1つもないと知りながらも。
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