031話 非人道的な実験
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息を切らしながら廃墟を走り回るとやっと四姉妹の姿が見えた。
冷たい何もない一室で拘束されている。
眠らされているのか、気絶しているのか分からないが、とりあえず息はあるようだ。
体も目立った外傷はないし、囚われてはいるものの酷い扱いを受けている訳では無さそうだ。
それだけでも確認出来て安心した。
「・・・貴方は誰?」
備え付けられた埃を被った窓に腰を据えて、外を眺める少女が1人。
四姉妹以外にも囚われていた人間がいたのか?
赤いボサボサ長髪に不健康な血色の悪い肌。
身なりに反して、整えられた服。
年齢は見た目からして12歳ぐらいか。
「俺か?俺は士郎だけど」
「・・・そう。それなら安心して命令を遂行出来る」
いきなり果物ナイフを取り出して歩き始める少女。
俺は恨まれる様な事をした覚えはない。
となると彼女も敵と思ってまず間違いないだろう。
ゆらゆらと近付いてくる。
俺もこのまま無抵抗にやられる訳にも行かず武器を構えた。
「貴方を殺さないと私が死ぬの。だから、死んでよ」
武器を持ったのを確認した途端に、彼女の動きが早くなる。
「そんなに簡単に死ねないんだよ俺は!」
果物ナイフという戦いの為に作られていない刃物のはずが、俺の持っている短剣と互角の勝負を繰り広げていた。
これは武器そのものの性能よりも本人達の性能の差な気がする。
こんなにステータスを上げているにも関わらず、互角という事は相手も相当強い。
「何者だよ、お前」
思わず問い掛けた。
「・・・私の名前。No.001、そう呼ばれている」
「番号で呼ばれるってどんな生活だよ」
拮抗した勝負をそういつまで続かない。
相手は込める力が少しずつ増えている。
このままでは負けるのも時間の問題だった。
片手でホルスターから銃を取り出し、至近距離から発砲。
この距離からは外れるはずがない。
反動で左半身が大きく後ろに逸れる。
だけど、これで俺の勝ちなはずだ。
「私に攻撃は効かない」
「嘘・・・だろ」
思わず目を疑った。
あの距離では避けられなかったはず。
なのに倒れているどころか無傷だ。
攻撃が通用しないとなれば、勝ち目はない。
だけど、逃げるにしても4人を連れながら逃げ切れる方法はどこにも。
「どんな体してれば今のが無傷になるんだよッ!」
蹴りや殴打、短剣での攻撃。
どれも当たってはいるが傷にはならなかった。
まるでスライムかの様に斬られて側から再生をする。
攻撃スキルが少ない俺にとってこの状況は非常にまずい。
「人工的半人半魔化計画。その最初の試作品が私。母と魔物が実験に使われた。魔物は比較的捕獲の簡単なスライムで。生まれた私はスライムと人間の両親を持つ半人半魔という訳」
「そんな非道徳的な試みが許されるのかよ」
「非道徳。そうかも知れないけど、私に選択肢はない。」
「それで良いのかよ!ただ兵器として生み出されたんだぞ」
「私に嬉しいも悲しいも必要ない。ただ、命令に従うだけ。だから、ここから1人も逃さない」
今度はスライムの力を隠す事なく攻撃を仕掛けて来た。
分裂した腕から繰り広げられる多方向からの攻撃。
これには俺も守るので精一杯だ。
(どうすれば良いんだよ!ここから攻撃に転じる術なんて無いぞ!このままだと俺の体が持たないッ!)
[緊急事態を確認。女神の権限により、異世界スキル習得を解放します]
[知力のステータスに魔力のステータスを内蔵します]
[スキル【剣術】、【光魔法】、【闇魔法】を習得しました]
[エラーコード:001を女神の権限により解除します]
いきなり、頭に流れるメッセージ。
そこには異世界スキルの解放が書かれていた。
どうやら女神が俺の味方をしてくれているみたいだ。
会った事は無いけれど、心の底から感謝を言うぜ。
これでもっと強くなれる。
「どうしていきなり。だけど、チャンスだ。【剣術】"スラッシュ"」
無数の触手は一瞬にして斬り刻まれた。
落ちていったNo.001の触手は地面に落ちてもまだ動き続ける。
まさかトドメをさせないとは思っていなかったのか、一瞬だけ戸惑いの表情を見せるNo.001。
感情はないと言っていたがそれは嘘だったらしい。
「失敗はダメ、失敗はダメ、ダメ、ダメダメダメ・・・」
何かトラウマを思い出したのか震え出している。
どんな生い立ちがあるのか。
もしかすると同情の余地はあるのかも知れない。
だけど、それとこれとは話が別だ。
俺は四姉妹を救い出さないといけない。
それを邪魔するならいくら相手が悲しい過去を背負っていても手加減は無しだ。
知力を200ポイントを費やして、200まで上げる。
蔵書室に置いてあった本から得た知識。
同魔法スキルにおいて威力に差が出る理由。
それは込められた魔力の量によるものだ。
「全てこれで終わらせよう」
「私はまだ死にたく無い!助けて!」
目を背けるしかなかった。
これ以上、彼女の命乞いを聞いていたら本当に手加減してしまいそうだ。
「【光魔法】"浄化の雨"」
「きゃーーーー!!!」
光の矢がいくつもNo.001に襲い掛かる。
威力は誰が見ても分かるほど高い。
それが魔力の量が増えている事を表していた。
しかし、気分は上がらない。
幼い少女の悲痛な叫びが耳にまで届く。
痛むのは俺も同じだった。
もしも、この子が普通に女の子だったら。
そんなありもしない想像が脳裏をよぎる。
攻撃が止むと彼女は気絶していた。
だけど、まだ息はある。
迷った。
トドメを刺すか否か。
「いや、俺の目的は四姉妹の保護だ。そっちを優先しよう」
言い訳を探して逃げた。
もしかすると元気を取り戻した時、俺を殺しに来るかも知れない。
だけど、またその時考えれば良い。
俺の心がこの子を殺さなかった。
理由はただそれだけ。
四姉妹の拘束を解き、起こすことに専念する。
途中、鉄が割れた様な金属音が鳴った気がするけど、気のせいだろうか。
もしかするとまた新たな刺客が迫っているのかも知れない。
急いで俺はこの場を後にした。
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