028話 俺の英雄
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集められた騎士団と自ら志願して来たクラスメイト10名。
人数としては多い様にも思えるが、相手の戦力が分からないので多いに越した事はない。
「これより皇女様奪還作戦を遂行する。我々は2度も愚かな犯行を許した。今、我々に許されるのは成功という文字だけだ。その覚悟がある者だけ付いて来い。それ以外は容赦なく切り捨てる」
騎士団長の言葉。
士気を上げる為の言葉だが、そもそもやる気のない者などいない。
全員、怒りで震えているのだから。
ある程度の概要を伝えて終えると、本当はすぐにでも助けに行きたかった人が多いらしく、足早に散って行った。
俺もここでじっとしている時間はない。
事前に渡された四姉妹の居場所の分かる魔導具を確認する。
どうやらバラバラではなく、四姉妹同じ場所に囚われているみたいだ。
そこまで辿り着けば、一気に4人助けられるがそんなに甘くはないよな。
兎に角、今は向かう事を優先しよう。
夜の街を走る。
住民達は寝ている者が多いのか足音1つしない。
自分の息遣いだけが耳に入る。
「この先に何か用かな?若人よ」
1人、杖を突いて歩く老人。
白髪が混じった紺色の髪に曲がった背中。
絵に描いたよう老人だな。
「こんな夜中に散歩とはお元気ですね。ですが、最近の王都の夜は危ないと言いますから」
「ご親切にどうもありがとう」
被っていた帽子をわざわざ取って会釈する。
俺も合わせて首だけで会釈をする。
「それでは先を急いでいるので」
老人の横を走って横切る。
「それはそれ。お忙しそうですねッ!」
老人は急激に態度を豹変させた。
刃を隠した仕込み杖を振り翳し、通り過ぎる俺に向かって斬り掛かる。
聞こえてくる高笑いで勝利を確信し、自分に酔いしれているのが良く分かるな。
だけど、俺も馬鹿じゃない。
こんな怪しい老人を見て、何も考えずに横を通り過ぎるはずがないだろ。
「通らないんだよ、お前の刃ではな?そうだろ?蓮也」
俺と老人の間に割って入る顔の良い男がいた。
蓮也が少し遅れて出発する事は把握済み。
同じルートを辿るのも事前に聞いていた。
後はタイミングもあるかも知れないが、俺の運と蓮也の主人公としての才能を合わせれば、来ないはずがない。
「お前って奴はッ!・・・死んだら!・・・どうするつもりだ!」
剣と剣の激しい競り合いで言葉が途切れ、途切れになる蓮也。
「死んでないだろ?お前が助けに来た」
「馬鹿も休み休み言え!あぁー、もう良い行け!」
「ありがとうな。お前にはいつも助けられてる」
「本当にその通りだぜ」
蓮也の相手をしながら、俺を追い掛けるのは不可能だと判断した老人は諦めて、蓮也に集中する。
「私とした事が逃してしまったか。でも、君も要注意人物の中にいたはず。足止めしておけば、問題はないだろう」
懐から何人かの似顔絵と名前が書かれた手配書の様な紙を取り出した。
こちらの戦力は筒抜けで、戦闘力が高い人間はマークされていたのだろう。
蓮也はその事実を知っても驚かなかった。
「やっぱりな。最近、変な空気を感じたんだ」
「フフフ、まだ余裕そうですね。先程、剣を交えて理解したでしょう?貴方と私では天と地程の差があると。あっ、そうだ。死ぬ前にあの世で私を語るなら名を知らないといけないですね。私はウォームテッド・ロングラン。最初で最後のお見知り置きを」
「ジジイなのに知らないんだな」
「ジ、ジジイ!まぁ、良いでしょう。それより何を知らないんですか?」
「弱い犬程良く吠えるってな」
「貴様ァーー!!!」
感情的な一振り。
蓮也はそれを僅かな動きで避ける。
少しでも動き始めが遅ければ死ぬ距離だった。
ウォームテッドはこう考えた。
やはり、自分の剣の腕は誰にも負けないと。
相手は避ける事で精一杯、攻撃しているれば疲れ果てて確実仕留められると。
だが、それは勘違いに過ぎない。
蓮也はウォームテッドと最初に剣を交えた段階でレベルを悟った。
自分とは相手にならないくらい"弱い"と。
今までのウォームテッドの人生は知らないが、慢心、傲慢、無知、そのどれもが彼に当てはまり、そのどれもが彼を弱くしていると。
「これでトドメだぁー!【老剣術】"懐古の舞"!!!」
無駄のない踊りを踊るかの様な連撃。
それでも、顔色を崩さない蓮也にウォームテッドは恐怖した。
今までの戦って来た相手よりも確実に強いと察したからだ。
「弱いな、剣も心も。【剣術】"明鏡止水"」
音すらも斬り裂く一撃が、静かにウォームテッドへと命中する。
途端、激しい衝撃が全身を巡った。
薄れ行く意識の中、ウォームテッドの視界に映る蓮也。
「そう言えば名前がまだだった。鷹越蓮也だ。地獄に行ったら、泣きながら俺に負けたと言いふらせば良い。誰も同情してはくれないだろうがな」
「ゆ、るさない、から・・・な・・・。」
最後の最後は恨み節。
これには蓮也も呆れるばかりだ。
「俺の仕事は果たした。後は任せたぞ、俺の英雄」
士郎が走って行った方向を眺めて、蓮也は呟いた。
人は誰しも憧れというものがある。
蓮也にとっての憧れは、他でもない士郎だった。
その事を本人は知らないし、教える事もない。
知ったら調子に乗ってしまいそうだから。
「さて、俺は他の所の手助けでもするか」
───
「大丈夫かよ!尾美ちゃん!」
「下がってください、日比野くん。彼女は相当手強いです」
日比野京蘭は戸惑っていた。
クラスで1、2位を争う実力を持つ尾美が押されていたからだ。
しかも、それでも足手纏いの自分を庇いながら戦う尾美を見ていると情け無くて仕方ない。
「ちょっとちょっとー!2人で仲良く話さないでウチも混ぜてッよッ!」
敵である女の身長を越える大剣による破壊力のある一撃が2人を襲った。
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