016話 君と待ち合わせ
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事件から数日経ったある日、俺は街へと足を運んでいた。
とある人物と待ち合わせをしている。
集合時間より少し早く着いた為、待ち合わせ場所の中でも分かりやすいであろう、噴水の前で待っている事にした。
待っている間は特に何も考えずにいたので、街の声が良く耳に入る。
大半の話題は騎士団を褒め称えるものだった。
それもそのはず。ダクマズは名の知れた悪党だ。
騎士団がそれを捕まえたとなると評価が上がるのは当然の事。
しかし、騎士団としては不服だろうな。
あの場に居た人間だから分かる話だが、捕まえたのは騎士団では無くタタルト家長女のラズリだ。
他の人間は何も出来ていない。
騎士団もその無力さが悔しかったはずなのに、街では英雄の様に扱われるとは皮肉な物だ。
「お待たせーシロー、待ったよね」
約束の時間を少し過ぎた辺りで彼女は現れた。
普段の機能性を重視した装備では無く、デニムのショートパンツに白のオフショルダー。
いつもの元気なイメージではなく、清廉潔白なお嬢様みたいだ。
その可愛さは自然と周りの男共の視線を集める。
「いや、待ってないぞミラ。それよりいつもと雰囲気全然違うな」
「誰かと出掛けるのって久しぶりだからさ。・・・ちょっとはしゃぎ過ぎたかな」
「いやいや、普通にめっちゃ良いよ!」
少し落ち込んだ雰囲気を醸し出したミラ。
俺は慌てて素直な気持ちで褒める。
元々顔が良いのだから、何を着ても似合うとは思うけど、口に出せばセクハラになるかも知れないのでそれは心の中だけに閉まっておこう。
「今日は相談したい事があるのよね?」
「ちょっと戦闘スタイルについてな。それとこの間のお礼も兼ねて」
この間、三宅達を探している時に少し意見を貰った。
その時にお礼をすると約束したので今日があるのだ。
そうでもなければ、こんな機会に巡り合う事なんてないだろう。
女子2人と遊びに行った事なんて無い俺は、ここからどうすれば良いのか悩んでいた。
合流した後、すぐ相談に入るのはいくら何でも違うか?
そうなると腹を満たすのが正解だろうか。
しかし、今の時間は10時を過ぎた辺り。
朝食を食べているとしたら、まだお腹は空いていないかもな。
どうすれば良いか必死に考える。
しかし、ゲームでしか異性と遊びに出掛けた事のないので、あまりにも経験不足だった。
「とりあえず、あそこで相談内容聞かせてよ」
合流したにも関わらず、煮え切らない俺を見兼ねてミラがリードしてくれる。
非常に情けない話だが、このまま無駄に時間が過ぎるよりは良い。
疲れた人が腰を掛けられる様に設置されたベンチに座り、今日の本題へと入る。
「相談というのは、遠距離攻撃の手段が思い付かない事なんだよ」
どこから話し始めようかと迷ったが、変に回り道をふるのは避けて単刀直入に言葉を選ぶ。
「遠距離攻撃?そんなの魔法スキルとか取れば良いんじゃない?」
「色々と訳があってスキル系に頼れないんだ」
「その訳ってのが気になる所だけど、そこは敢えて踏み込まないであげる。うーん、そうね。武器を遠距離系の物とかにすれば?」
武器に関しては俺も考えてみた。
候補の1つではあるけれど、もう1つ武器を持つとなるとその分機動力を失う。
拳銃の様にコンパクトな物があれば、それに越した事はないがここは異世界だ。
そんな物があるかどうかは分からない。
「後は、効率が悪いけど魔導具とかかな?使用するのに魔石を大量に消費するから大変だけど、誰でも簡単に扱えるし、最近ではギルドも魔導具の使用を勧めているわ」
「その話詳しく!」
魔導具と聞いて俺はひどく食い付いた。
きっと夏休みの少年くらい目は輝いていると思う。
最近、古代魔導具も話題に上がっていたので、魔導具については興味があった。
魔法のリングみたいなのがあればスキルを使えない俺でも魔法が使えたりするのかな。
「ちょ、ちょっと!近いっての!」
興奮のあまり距離感を間違えてしまった。
ミラは両手で精一杯拒絶していたので、相当気持ち悪かったのだと思う。
心の中で反省しながらも、やはり魔導具の話は気になる。
「そんなに気になるなら行ってみる?魔導具屋」
「良いのか?めっちゃ行きたい」
「案内するわ。付いて来て」
ここまで心強い案内人はいない。
赤い髪をたなびかせて、自信満々の笑顔で立ち上がった。
道中は魔導具に関する基礎知識について語ってくれる。
「魔石はこの間一緒に取ったから分かると思うけど、あれには水、火、風、闇、光の5つの属性があるの。そして、魔導具はその魔石の力を使って動かす道具全般を指しているの」
「でも、古代魔導具は魔石使わないよな?」
「あぁ、アタシも本物を見た事ないから分からないけど、古代魔導具はわざわざ魔石を使わなくても空気中の魔素を取り込むことが出来るらしいわ。まぁ、その辺は人間が魔法スキルを使えるのと同じ原理ね」
「今の魔導具で空気中から魔素を取り込む技術は使えないのか?」
「無理無理。そもそも、そんなの出来たら技術者を国家間で取り合いよ」
やはりあの"時の鍵"は相当貴重な物だった様だ。
今回は奇跡にも近い形で守り抜けたが、あれが本当に悪用されていたらと考えると恐ろしい。
「あー、それと魔石の中で1番高いのって何属性か分かる?」
豊富な知識を披露するのが堪らないのか、嬉しそうな笑顔で質問するミラ。
「闇とか光とかじゃないのか?」
「ぶぶー!正解は炎よ。5属性の中でも威力がトップクラス、且つ生活面でもかなり活躍してくれるから人気があるのよ」
「へぇー、じゃあ、王城に置いてある廊下の光源。あれも炎の魔石使ったりしてるのかな」
「うーん、それは光の魔石なんじゃない?分からないけど。って、何でシローが王城の内装に詳しいのよ」
会話の途中で疑問を抱いた様だ。
話が急に切り替わる。
「何でって今、寝泊まりしてるからな」
「あー、なるほどね。寝泊まりしてるんだ。・・・えぇー!!!」
目玉が飛び出る程、古典的に驚くミラ。
前にも話した事がある様な気がするけど、気のせいだったか?
こういう偶にある話した気になる現象って何か名前とかないのだろうか。
みんな絶対に経験したことあるだろってレベルであるよな。
その後は魔導具や魔石の話よりも俺のことについて根掘り葉掘り聞かれた。
最初の人の事情に踏み込まないという宣言はどうしたのやら。
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