12話 ワイン、肉、ワイン!
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さて、「ワイン作りの手伝い」と聞いて、普通ならどんな作業を思い浮かべるだろうか?
パッと思いつくのが果樹園からブドウを摘む、或いは樽の中にブドウを運び入れる作業だ。体力は使うが、そこまで難しい仕事ではない。
だが、俺に割り当てられた『仕事』は違った。それはある意味でワイン作りの最重要工程、そしてある意味では最も困難な作業だった。
「………ッ//」
鏡に映るのはワインレッドのドレスと白エプロンで構成された、『ブドウ踏みの衣装』に身を包む金髪のエルフ。彼女の顔は、身に付けた衣装に勝るとも劣らぬ程に赤くなっている。
俺は村長の孫娘セリアと我が師匠レイラの手にかかり、あれよあれよと言う間にワイン作りの民族衣装に着替えさせられたのだ。
「いや〜、サイズ合う服があって良かった!これでアタシらの作業も楽になるよ!それに、こーんな別嬪さんが来たのなら手伝って貰わなきゃね!」
セリアは今年で18歳となる、茶髪で快活な村娘のリーダー的存在だ。そして、ブドウ踏みをする少女達のまとめ役を毎年担っているらしい。
「うんうん、とっても似合ってるよ。やっぱり素材が良いからかな?やっぱりラルダは色々着飾りたくなるよね〜♪」
「クソッ…謀ったな、レイラ!//」
「え〜、実際に頼んだのは狩猟団の人達だし〜?ボクは関係ないけど〜?」
「こうなるって知ってて、俺に黙ってただろ!?」
「だって、ブドウ踏みについては何も聞かれなかったし。」
「この…魔女め!」
「魔女だけど?」
目の前のエルフはしたり顔で微笑んでいる。彼女もまた、ブドウ踏みの格好をしてるのがせめてもの救いか。整った顔立ちと普段と異なる格好故か、その可憐さに磨きがかかっている。そしてそれがまた絶妙に腹立たしさを掻き立てる。
まぁ、ここであーだこーだと問答を重ねても仕方がない。俺は扉を開けて屋外へ出た。兎にも角にも、観念してブドウを踏む事にしたのだ。
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「はい!1、2!1、2!」
周りを囲う村人達の掛け声に合わせて、先ずは俺とレイラがブドウを踏む。巨大な桶にブドウが敷き詰められており、果実が潰れ切ってない最初の方だと若干バランスが取りにくい。
「わっ、おっ!」
バランスを崩して転びそうになる事も何度かあった。
だが、その度にレイラが植物魔法の蔓で支えてくれる。人が飲むものだし、尻餅はつかない方が良いだろう。俺とレイラは手を取り合い、バランスを保ちながらワイン作りに専念する。
暫く踏んでいくと、葡萄が良い感じに潰れてきた。ワイン作製の第一歩だ。村人の掛け声も、益々楽しげな物になっていく。俺も、心なしが楽しくなってきた。
「おや、随分ご機嫌そうじゃないか?最初は嫌がってたのに。」
踏む足は止めないまま、レイラが話しかけてきた。
「まぁ、そりゃ最初は恥ずかしかったけど…。やっていくうちに楽しくなってきたよ。前世の世界だと、こういうのは大抵機械でやる物だったからさ。こういう文化的な体験ができるのは、新鮮で楽しいよ。」
「それは良かった。ボクも楽しいよ。
可愛い格好をした金髪エルフの女の子と、手を繋ぎながらワインを作るのはね♪」
「セリアさーん!交代お願いしまーーす!!」
俺はブドウ踏みのボスに、大声で助け船を求めた。彼女は笑いながら了承し、交代してくれた。レイラは不満そうに頬を膨らましていたが、少しの間無視して休憩させて頂く事にした。
◆
その後も交代で、収穫されたブドウを踏み続けた。量が多かったため、すっかり夕方になってしまった。
「あー、疲れた…」
屋外に用意された長テーブルの席に腰掛ける。肉体と精神、その両方が疲労した。自分の番が来るたびに、村の男達から黄色い歓声が上がるのだ。あとエルフの少女が囃し立てるのだ。恥ずかしさで身体がこそばゆくなる。
「はい、お疲れ様。料理ができるまで、ブドウでも食べてなよ。このワインも、1瓶くらいなら料理の前に開けても良いよ♪」
村娘のセリアがブドウとワインの瓶が入った籠を差し出してくれた。
「あれ?ワインって、豊穣祭当日に飲むんじゃないんですか?」
「今踏んだブドウは、すぐにワインにはならないよ。大体1週間ぐらい、樽の中で発酵させるのさ。そしてその1週間後が、豊穣祭当日って訳だ!
今日はアルフ村へのお客さん、ラルダを持て成す晩餐会だからね。普段から作ってるヤツを振る舞おうってコト♪」
「それじゃ、遠慮なく頂きます。」
俺はブドウを1粒食べてみた。豊穣の味がブドウの風味を携えて、口いっぱいに広がった。美味い、相変わらず果物が美味い。
そして、俺はふと疑問に思った。前世では、あまり酒を飲まない人間だった。理由は単純で、アルコールの味が好きではなかったからだ。なので会社の飲み会では、カシスオレンジをはじめとしたカクテル系統しか飲まない。それ以外を飲むとしても、ビール1杯が限界だ。専ら上司や同僚のドリンク注文取りに専念し、自分は飲むペースを抑える。これが俺なりの、飲み会のプチ処世術だった。
だが、ここは異世界。そして、食べ物がべらぼうに美味い。なら…酒も?
好奇心は押さえられず、俺は瓶のコルクを抜いた。そして、木製のジョッキに少しだけ注ぐ。あくまで味見だ。もし飲めそうに無ければ、酒はこれっきりにしよう。無理に飲む必要はない。
ジョッキを傾け、味を確かめる。
え、うそ…。
めっちゃ美味いじゃん。
発酵しているのに、ブドウの味はまだ残っている。果汁本来の甘さとアルコールが合わさっていて飲みやすい。まるで、天然のカクテルだ。そのアルコールですら、前世のソレとは完全に別物だ。飲みやすさが格段に違う。
気づけばジョッキ1杯に、ワインを注いでいた。一気飲みは流石に危険なので、少しずつ味わう。
今まで飲んでいた酒はなんだったのか。前世の酒もここまで美味だったなら、会社の飲み会も楽しいものだった筈なのに…。
いや、今はこの酒に出逢えた感動を、アルフ村の人々と分かち合う事が肝要だ。そして、分かち合うべき相手はもう1人いる。
「セリアさん、ワインをもう1本貰えますか!?」
「え、いいけど…何に使うの?」
「リヒトさんを、飲みに誘います!」
◆
早速酔いがまわって来たのか、少し気分が高揚していた。だがその感情に身を任せ、ワインの瓶を片手に先刻カールに案内された若者の家に着く。俺は扉をノックした。
「こんばんは、ラルダです。今日この村を訪れて、皆さんの歓迎を受けている者です。」
「…何の用だよ。」
ぶっきらぼうだが、先程より口調は落ち着いている。
「一緒にワインを飲みませんか?それと、村の皆様がイノシシ肉の料理を振る舞ってくださるとの事です。どうですか、ご一緒に!」
「嫌だ、行かねえ。つーか、何が目的だよ。俺を外に連れ出すことか?」
「目的?この村のワインが余りにも美味しかったので、一緒に飲みたかっただけなのですが…?」
「はぁ?」
ドアの向こうの声は、予想外の答えだと言わんばかりの声色だ。
「え?こんなに美味しいお酒、滅多に飲めるものじゃありませんよ…?飲まないと勿体無い…」
「いや…これ、ウチの特産品だぞ?飲もうと思えば毎年飲める。」
「あっ」
完全に失念してた。少しの沈黙の後、家屋から苦笑いが聞こえて来た。
「ただの葡萄酒が、そんなに珍しいのか?」
「少なくとも、私の故郷ではこんなに美味しいお酒はありませんでした。」
「そりゃ気の毒にな…。それで、俺にとっては珍しくもないワインを飲もうってか?」
「はい!」
「何でだ?」
「美味しい物を食べたり飲んだりすれば、気分も少しは晴れるからです。リヒトさん、一緒に食べましょう。」
「別に…アンタにゃ俺の事なんて関係ないだろ?」
「確かにそうですけど…何だか放って置けない気がしたんです。私も、仕事で失敗して…凄く落ち込んだ事があったんです。それも、何度も。一時期は、食事も上手く取れない程に打ちのめされました。
そんな時、両親が美味しい物を食べに旅行へ連れて行ってくれました。直接的な解決ではありませんが、あの時食べた魚介料理の味は忘れません。」
最初、リヒトを飲みに誘う理由は、自分でも上手く言語化出来なかった。だが、話していくうちに思い出した。一人暮らしをする前の頃、社会に出たばかりで荒波に揉まれ、打ちのめされた事を。そして、そんなドン底の自分を励ましてくれた両親の事を。
…父さんも母さんも、元気にしてるだろうか。別れができなかったのは、やはり心残りではあるかな。
「だから、リヒトさんも美味しい物を食べれば、ほんの少しでも気分が良くなるんじゃないかって思うんです!リヒトさん、是非一緒に!」
「分かった分かった。行けば良いんだろ、行けば。
流石に、ここまで言う客人の好意は無碍にゃできねえよ。」
そう言うと若者はドアを開けた。そして彼は、俺の姿を見るや否や息を呑んだ。
「?
私の顔に何かついてますか?」
「いや…、外が異様に盛り上がってた理由がよく分かったぜ。そりゃそうだよな、こんな可愛い娘がブドウ踏みやってりゃな…。」
感慨深そうに彼は呟いたのだった。
◆
俺が戻ると、ちょうど肉料理が食卓に並ぶ頃だった。
村人達は連れて来た若者を見て、驚いた表情をしていた。
「リヒト…お前、ようやく外に出る気になったか!」
カールは駆け寄り、リヒトの背中をバシバシと叩きはじめる。
「痛っ、痛えよ!俺はただ…ラルダに誘われただけだっての!」
「うんうん、それじゃ一緒に飲みましょうか。」
俺は空のジョッキを適当に取り、ワインを注ぐ。
リヒトはややぎこちない挙動で、注がれる酒を眺めていた。
他の者も、次々に木製の盃を葡萄酒で満たす。
そしてワイン製作班を代表し、セリアが乾杯の音頭を取る。
「それじゃ、みんなお疲れ様!1週間後の豊穣祭は、きっと素敵な物になるわ!はい、乾杯!」
各々がジョッキを鳴らして、酒を飲む。やっぱり、このワインは美味しい。これが異世界で飲んだ最初の酒で、本当に良かった。
「ほら、ラルダ。せっかく村のみんなが調理してくれたんだよ?キミが仕留めた大物、自分で味わうと良いさ。」
いつの間にか隣に腰掛けていたレイラが、串焼きにしたイノシシ肉を差し出してきた。調理法こそシンプルだが、それ故に美味そうだ。肉の香りと油が、味わう前から食欲を刺激してくる。
「それじゃ遠慮なく、いただきます!」
早速、串焼きの肉に齧り付く。
中まで火が通っており、肉汁が溢れてくる。
美味い。とても美味い。
味はほとんど豚肉だが、歯応えが異なる。高級和牛のすき焼きのように、口に入れたら溶けて無くなってしまった。そう錯覚させる程に、味が濃くて美味い。
赤身も美味だが、脂身もまた凄い。一噛みするだけで濃厚な味が脂と共に溢れ出るのに、後味がしつこくない。
そして、この串焼きは…赤ワインによく合う!
料理と一緒に飲むと、旨味が加速する。気づけばジョッキを飲み干してしまった。
再度ワインを注ぎ、次の料理にありつく。肉と野菜のシチュー、これも美味そうだ。
そして数秒後に実食後、本当に美味い事が証明された。
そもそも野菜も肉も美味かったら、シチューだって上手くなる。牛乳ベースのシチューに、食材の味が溶け出している。スプーンの手が止まらない。美味い。酔いが回っているせいか、語彙力が落ちている気がする。でも美味い。
シチューが皿から消えた時、ふと思い立った。こんなにも美味しい物をご馳走になったのだ。俺も何かしたほうが良いのではないか?そうだ!職場の飲み会でやったように、酒を注いで回ろう。よく見たら、リヒトのジョッキが空っぽじゃないか。
「リーヒートー、ちゃんと飲んでるか〜?」
ワインを注ぎながら、若者の様子を確認する。
コイツ、ちゃんと料理も食ってるのか?食わないと力出ないぞ?
「ほれほれ、食わせてやる。ほれ、あ〜ん!」
リヒトに串焼きをプレゼントする。理由は分からんが、暫く顔を赤くしていた。が、観念して肉を頬張った。
「どう、美味いか?」
「…//」
「美味いか!?(返事をしろ)」
「あ…ああ、美味いよ//」
それは良かった。それにしても、早速顔が真っ赤じゃないか。酔っ払ってるのか?ま、美味い酒飲んで美味い肉食ってりゃ栄養もつくし、気分も晴れるだろう!
村人達が、「おいリヒト、なーに羨ましい事されてやがるんだ?」と野次を飛ばして来た。そうかそうか、みんなも酒注いで肉を「あーん」して貰いたいのか?
お安い御用!
酒のせいで頭がフワフワするけど、それぐらいの役目はこなしてやろーじゃねーの。
あー、何だか幸せハッピーな気分でいっぱいだー!こんなに優しい人達に歓迎されて、私はなんて幸せエルフなんだー!
◆
…………
……
…
「はッ!?」
目が覚めたら、見知らぬ天井があった。
「ここは…どこだ?」
「お、起きた起きた。」
セリアが寝そべった俺に歩み寄ってくる。
「ここはアタシとおじいちゃんの家だよ。いやー、昨日は派手に酔っ払ってたじゃん。見てて面白かったよ♪」
村娘はケラケラと笑っている。俺が寝ていたのは、村長宅のリビングにあるソファーだ。毛布まで掛けてくれていた。
昨夜の宴会…何か面白い事あったか?
少し時間が経つと、レイラが台所から薬草を煮詰めた出来立てポーションを持って来てくれた。
「はい、酔い覚ましのポーション。熱いから、マグカップでどうぞ♪」
「ああ、ありがとう。」
受け取った魔女の秘薬を啜る。身体が温まり、疲労が抜けていく。
「それにしても、まさか村の男が全員酔い潰れるなんて!ラルダ、あんた見かけによらず結構な酒乱なのね!」
セリアは笑いながら、昨日の事を話してくれた。
つまり要約すると…
俺が酔った勢いで村人達に酒を注ぎまくって、男達はエルフの女の子が注いでくれたのが嬉しくって、すぐ飲み干した後にまたラルダちゃんに注いで貰ってた…?
……
「レイラ!早く酔い覚ましの薬を!いや、回復魔法でみんなを助けないと!俺のせいで、みんなが急性アルコール中毒で大変な事に!」
「落ち着きなよ。とっくに全員分の処置は済んでいるさ。少し休めば、みんな元気になるよ。」
「良かった〜!」
俺はホッと胸を撫で下ろした。
「それと、異世…ラルダの故郷ではお酒の飲み過ぎで倒れる人もいたらしいけど、回復魔法もポーションも潤沢にあるこの国なら、そんな心配は皆無さ。キミは自分が思う程、悪い事はしてないから安心しなよ。」
「しかもラルダのお酒は、みんなが注いで欲しいって言ってたものさ。だから、悪いのは可愛い娘に酒をねだった男達。ラルダが気にする事はないよ!」
セリアにも気を使わせてしまった俺は、「あはは…」と苦笑いする事しかできなかった。
兎に角、本当に良かった。
前世では控えめな飲酒しかしてこなかった。そのせいで、酔いが回ったら自分が何をしでかすか分からずじまいだった。
飲み過ぎには気をつけよう。そして、他人に迷惑をかけるのはやめよう。そう心に決めたのだった。
◆
「それで、今日は楽しかったかい?」
村人達に見送られた後、杖に跨って飛んでいる帰り道。レイラは俺に尋ねて来た。
「うん、とっても楽しかった!この世界の祭りやイベントについて知る事ができたし、何よりずっとレイラの家で生活してたから、見る世界が広がったよ。今日はありがとう!」
「喜んでもらえたようで、ボクは何よりさ。」
「もしレイラが良ければさ…また、色々な場所を紹介して欲しいな。もちろんその分、研究助手の仕事は頑張るからさ!」
「…色々な場所に、行ってみたいかい?」
気づけば家に着いていた。杖から降りた俺を、まっすぐな目で少女は見つめていた。
「もし…仮にキミがこの世界を旅する機会があるなら…どうする?」
「え?でも、レイラの助手の仕事が…」
「それは抜きにして、純粋なキミの気持ちが知りたいんだ。」
俺はレイラの瞳を見た。真っ直ぐな眼差し、こういう時のレイラは真面目な話をしているのだ。エルフの魔女は基本陽気で、俺の事を揶揄ったり着せ替え人形にしたりするが、魔法や研究については真面目だ。と言うより、多分根が真面目な性格なんだろう。
「正直に言えば…行ってみたい。この世界そのものに、興味があるんだ。」
「そっか…そうか…」
レイラは感慨深そうに、頷いた。そして、ある話を切り出した。
「実は、ボクは近いうちに旅に出る。と言うより、キミと一緒に旅をする事になりそうなんだ。」
「初耳なんだけど…そりゃまた何故?」
「ごめん…それはまだ言えない。でも、これも研究の一環と思ってくれていい。キミが毎日つけている日記、『異世界から来た人間が何を学び何を感じたかの研究』、その延長線だと思って欲しい。そして、ラルダが1週間後の豊穣祭で行われる『狩人グランプリ』で優勝した時は、また改めてスカウトするよ。」
そういうと、レイラは家の中に入って行った。
『狩人グランプリ』…仕留めた獲物の大きさや希少さを競う、豊穣祭の一大イベントだと聞いた。そこで大物を仕留めて優勝する事で、今までの修行の集大成にしろと言う事だろうか?
彼女の思惑はよく分からない。だが、我が師匠は俺を試し俺を旅に連れていくつもりらしい。なら、全力で挑もうと思う。それが彼女への返礼にもなる筈だからだ。
◆
ラルダが去ったアルフ村でもまた、1人の若者が決意を固めていた。
「俺…『狩人グランプリ』に出るよ。珍しい得物を狩って、ラルダにプレゼントする!」
「リヒト…それってお前…」
狩人は意中の人へ告白する際、花の代わりに美味い肉を渡す風習もあった。故に、カールはすぐに悟った。
「なんだ、ラルダに一目惚れか?」
「わ、悪いかよ!?」
「いいや、ちっとも?それにしても、お前が恋とか、やっと青春する気になれたか!?」
「余計なお世話だ!」
「なら、余計なお世話ついでに弓のリハビリに付き合ってやる。1週間あるんだ、せめてウサギぐらいは狩れるように腕を戻しておかねえとな!」
「…恩に着るぜ、リーダー!」
こうして、祭本番に向けて若人達は動き出すのだった。