憑依者視点の夢を見た話
久しぶりに夢を見ました。
普段、夢を見るときは俯瞰で全体を見ているのですが、なんか今回は違いました。
流行りの憑依系視点。
肝心のストーリーは悪役令嬢ものではなく、どちらかといえば【現実世界(恋愛)】にカテゴライズされると思います。
ただ、夢ならではの突拍子もないものでした。
恋の相手は安定の16〜18歳のイケメン。
(私の夢に出てきたのは、初期のご○せんに出てた俳優さんでしたが、好みもあるでしょうから名前は伏せます。それぞれ好きな芸能人などを当てはめてください)
で、職業なんですが。
まさかの仏像彫師。
学生じゃないの。多分、中学卒業と同時に弟子入りしたか何かだと思う。
しかも、賞を獲ったとかで、すでに注目され始めてる。
ついでに言うと、イケメンは作務衣でもイケメン。
むしろ似合いすぎて3割増しのイケメンぶり。
あと、歳の離れた弟がいて、これがまた可愛くてさ。
悪役令嬢ものの漫画で、よく「天使?」って言われたりする見た目の男の子いるじゃん?
透けるようなふわふわの金髪寄りの茶髪、ぷくぷくのほっぺに大きな目。
こんな可愛い子が、スゲェ懐いてくれるの。
『僕が大きくなったら結婚してね』ってレベルの懐かれぶり。
そんな5歳児のファーストキスをさらっと奪ったヒロインのこと、ただのクソ○ッチじゃん、って思った私は間違ってないと思う。
で。
恋愛パートはありがちなじれじれのラブストーリーなんで省きますが。
このクソビ○チに憑依していた私が、どうなっていたかと言いますと。
五感すべてを共有していました。
(理由は後述しますが、ちょっとした地獄かと思った)
仏像彫師のイケメンに抱きしめられてるときも、唇が触れたときも、その感触を自分自身に起きているリアルなものとして体感していたし、なんならクソ○ッチの心の声までバッチリ聞こえてました。
それでいながら、私はただの憑依者であって、『それは人としてアウトでしょ』っていう行動を取ろうとするクソビッ○を止めることは出来なかったし、どれだけ悪態をつきまくっても彼女には届かないんです。
マジで何も出来ないの。
決して自分の意思で動かせない身体。
なのに、否応なしに伝わる体温も匂いも感触もいやにリアルだったし、まるで本当に自分が相手に恋してるんじゃないかって錯覚するくらい、ヒロイン目線でトキメキかける始末。
なんかさ、逃げ場のない地獄ってこのことかなって思ったよね。
いや、同中とか、家が隣でとか、余程のアレコレがなきゃ知り合えないはずのイケメン仏像彫師とはいえ、恋愛くらいするだろうけどさ?
インスピレーションが高まるとかなんとかで、『怪しい宗教かな?』ってレベルでヒロインを崇めてるし。
その割にファーストフードくらいの軽い感じで手ェ出そうとしてくるし。
しかも、仏像彫り始めたら集中しすぎてスルーだし。
どんなに私が『ねーよ』って思っても、あのクソ○ッチには何も響かないし、どうすることも出来ませんでした。
基本的な意識は私のものだけど、それ以外は、ヒロインのもので。
ここまでくると、逆に「あれ?逆に私が乗っ取られた?」って気持ちになってました。
無事に目が覚めて良かったです。