表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

14/26

もしかして……

 私たちは屋敷の裏口すぐにある小さい林に来ている。


「ナミ、跳べる?」

「行けるニャよ」

「むむ、跳ぶとは?」


 屋敷の外に出たはいいもののこの国から出るには屋敷の場所が悪すぎた。 そこで私はナミの能力に目を付けた。


 ナミの特技(スキル)を使えば簡単にここから辺境あたりまで跳べるんじゃないかな、と思ったんだけど……


「ナミの特技(スキル)だけじゃ三人は難しいかな」

「うーん、やってみないとわかんないニャね」

「だから何の話をしておるのだ!?」


 領主様にもわかりやすく説明しなきゃね。


「ナミの特技(スキル)は脚力アップっぽいのでそれを使えばこの国の外れまで跳べるんじゃないかと」

「この国の外れだと!? 距離がどれだけあるかわかっているのか!?」

「だからやってみるんですよ」


 私は全員に水の膜を張った。


 跳ぶときに起きる空気抵抗で体ごと持っていかれかねないからね。 その点水は抵抗が増えれば増えるほど固くなるから防御にぴったりだなあ。


「なんだこれは! 息が…… できるぞ」

「あ、いい忘れていましたね。 これが水の羽衣です。 少し応用してありますけどね」

「なるほど、これが…… って僕は下に服を着ているんだが!?」

「あ……」


 体に合わせて動くとは言え密着しているわけだから…… まあいっか。


「ナミ行ける?」

「あいニャ! 行くニャよ!」

「え、ちょ、まだ心の準備が……」


 次の瞬間ナミは私と領主様を掴んだまま跳んだ。 一瞬にして屋敷が豆のように見える。


「私たち落ちすぎじゃない?」

「そうニャね。 ほんとは嫌ニャけど水にも慣れてきたニャ」

「きゃああああああああああ!」


 領主様は女の人顔負けの高い声で叫んでいる。


 あれ? 普通男の人ってこんなに高い声でるっけ?


「あ、気絶してるニャ」

「別に風圧とかは全部カットしてるんだけどね」


 領主様は高いところが苦手なのか、それとも初めて来たからなのかぐったりと気絶していた。


「駄主人様、もうそろそろお願いニャー」

「りょーかーい」


 私は祈る。


『水よ、私たちを包み込まん』


 いつもの通り私たちの周りに球状のバリアが貼られた。


 ボヨヨーン、と間抜けな弾み方をして着地する。 どうやら最初の泉に戻ってきたようだった。


「どうする? これ」

「そうニャね。 空から見てた感じだと町からは遠いからしばらく追ってはこなさそうニャね」

「なら休憩でもしてこかな。 いきなり色々なことが起きたから少し疲れたし」


 あ、でも濡れた服着せたまま放置っていうのもかわいそうだよね。 着替えさせてあげようかな。


 そう思い、いかにも貴族っぽいシャツのようなもののボタンをはずした。


「えっ!?」


 領主様はシャツの下にコルセットを着ていた。 しかもかなりキツめのを着ている。


 もしかして…… 領主様って女の人なんじゃ……





ここまで読んでいただきありがとうございます!

是非是非ブクマや感想、評価をお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] お、お、女の人なのか⁉︎ 『( ゜д゜)『
[一言] \(´°v°)/んぴッ ( ゜д゜)ハッ! 領主様は逆まんじ先生!?
2020/07/12 15:52 退会済み
管理
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ