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人狼。CMナレーション風物語

作者: 現状思考

物語の序章を書いたものです。

内容はありませんので、悪しからず。


人狼をやる際は、臨場感を持ってやりましょう!

 この小さな村が僕の村。

 周りは山に囲まれ、畑も少ない。集落は小さくて村人も数える程度しかいない。週に一回くる行商人が市を開くのがこの村の少ない楽しみの一つだ。

 そんな村でも、僕は満足していた。みんな優しいし、気の合う友達もいる。畑仕事は時々嫌になるけど、頑張った分だけ美味しいご飯が食べられたから嫌いになることもなかった。村を出たいなんて、一度も思った事なかった。



 ある日、街から兵隊が1人やってきた。行商人の御車台に一緒に乗ってきたのだ。銃を大事そうに抱きながら俯いていた彼の姿を今でも覚えている。

 彼は村に着くなり、化け物がいる。人間もどきの化け物が近くに来てる。とにかく村長に合わせろと、口を開いた。

 大人たちは、それを聞いて顔色を青くした。僕にはその意味が分からなかったが、危険なものが来ている。それだけは分かった。


 それが、始まりだった。


 その次の日から毎晩、一人一人村人が消えていった。

 占い好きのおばあさん、薬師のおにいさん、パン屋のおじちゃん。そして、僕の両親。


 夜、耐えきれなくなって両親を探しに外へ駆け出した。

 気がつかなかった。まったく。

 何かが背中をゾロリと撫で回したので、身を剃り返しながら振り返ると、黒い、大きなものがいた。

 声も出ず、口からは浅く細い息が漏れるだけ。


 あ、死ぬんだ。僕。


 不意にそんな事を悟った瞬間、銃声が鼓膜を叩いた。

 僕の目の前には、猟師をしているおじさんが立っていた。黒い物体の姿は見当たらなかった。

 おじさんは言う。早く家に戻れ、と。


 僕は一目散に家に向かって走り出した。

 その後、おじさんがどうなったのかは知らない。

 今夜、この村でいなくなったのは誰なのか。


 次の日から毎日、村民全員で集会が開かれるようになる。

 人を信じる事を良しとせず、疑い、傷付け合うだけのハナシアイが。



『人狼。』

 もう誰も、信じない。

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