今後
「シンデレラ今後の事ですが、貴女は何をしたい?」
「え?」
「私は、素敵な旦那様の所へ行くわ!」
「私も!」
「見ての通り、リゼもシアも普通の令嬢、わたくしは出来るだけ意に沿うような良い人を探すわ
でも、貴女はあまり貴族とか気にしないでしょう?」
「え、なんで」
「習い事の息抜きに従者も侍女も付けずに街に歩いて行く令嬢が居ますか、後ろに護衛を付けていたのですよ」
「あ、それは、ごめんなさい・・・」
「いいの、これからは気を付けなさい、シンデレラ貴女はこれから大変よ」
「え?」
「今でさえ攫われかねないのに、このまま順調に成長したらどうなるでしょうね・・・」
「シンディの事だから、お妃様になるかもね!」
「王子に一目惚れされたりとか?」
「・・・」
まあ、そうなるんでしょうなあ・・・
「あのう、ちょっと良いですかね・・・」
「何?」
「仮の、例えば、何ですけども
今の王子が行き遅れて、王命により国中の歳頃の娘を集めてパーティーが開かれたとして
私はサボっても・・・」
「なんか、やたらと具体的な例え話ね・・・
結論から言えばシンデレラがその時に未婚や婚約者が居ない場合サボタージュはとても難しいと言わざるを得ません」
「やっぱり・・・」
「伯爵家、まあ下の方の伯爵家ですが、仮にも貴族なら王命に逆らう意味が分かるでしょう?」
あー、無理か!マジか・・・
舞踏会に行かないのが1番なんだけどなー
本当にお后様なんて嫌すぎる、見た目だけの娘に惚れ込んで時期国王がそれはいかんと思うんですよ。
私もそういうの興味ないし、正直普通の家庭で一般的な幸せを築ければそれで良いのですが・・・
母や姉からの指摘の通りシンデレラは超の付く美人だ
これまで気にして来なかったのは、シンデレラがポケーっとしていたのと
私はシンデレラだから綺麗で当然と思ってその容姿を当然のものとして受け入れていたから。
改めて自分を見る
うん、クッソ美少女だ
金髪はお葬式から帰ったばかりだから灰を被ったままでくすんでいるけど
ぱっちりお目目に透き通った碧眼
肌も透き通る様な白、と言っても血管が浮くような不健康さは無い美しさに
顔のパーツの配置も完璧ときたもんだ
手足もスラッとして長いから、これから身長も伸びるだろうし
義母の言う通りになるとすれば、ボン、キュッ、ボン
しかも約束されたスタイルの良さになるとか・・・
メタ的に言えば、シンデレラだから美しく、魅力的になって当然なのだ
それこそ見た目だけで王子が一目惚れしてしまうレベルまで
ヤベーな、やべーよ・・・
王子って基本的に他国の王女様や公爵様の娘みたいなキラッキラの可愛く綺麗な子に見慣れている筈なのだ
シンデレラの物語って、王子様に女の影がさっぱりだから王様が舞踏会を開く、とかそんな感じな訳で
美しい女の子を見慣れていて、かつあまり女の子に執着も無い王子がだよ?
一目惚れしてしまうレベルまで容姿は極振りになる訳だなシンデレラは
好みの容姿と言っても、金髪碧眼は普通に居るので
並の美しさには収まらないはずだ
え、私王子ルート決定なの?
シンデレラだからそうなんだろうけど
無理無理!ほんと無理、王子だよ?
しかも年齢も高めになると来れば、その嫁になる人に望まれるのは後継を1発で産むことだ
男産め、男産めと周囲からは言われて
王宮内を収め、かつ国王、王妃とお付き合いをして
王子のご機嫌も伺う
悲しいかな貴族制の国、男尊女卑だから王子の言う事にはほぼ逆らえないと言って間違いない・・・
派閥争いもあるのかな?
友達付き合いもまともに出来ないよね?
利害関係オンリーの人付き合い?
無理だ、ストレスで病むわ!
や、でも私の中で普通の幸せってなると庶民生活な訳なんだけど
例えば王子の舞踏会時点で私が既婚、若しくは婚約者が居る状態だとしよう
その場合、舞踏会に行く必要は無い、これが1番良いケースだ
でも当然王子はシンデレラと出会わないから結婚しない、他の誰かに興味を持って行くなら良いけど
それならそもそも王様が心配して国中の歳頃の娘を集めたりしない
つまり結婚しない可能性が高いと思われる。
その後は完全に想像の域を出ないのだけど
ガラスの靴を持って街狩り?してシンデレラを探そうとまでする性格を考えると1度執着するとヤバそう
例えば庶民の娘でも構わないからと言って
街で働いてて舞踏会に行く余裕のない娘を見始めたりしてよ?
街中をぷらぷらしてる私なんか見掛けて
「あの娘だ、それ以外ない」
なーんて王子が言い出したら、あら大変
王子が見初めた娘は既に婚姻しているのです!
うん、絶対私未亡人になるわ
庶民の1人や2人何とも思わないし、どうとでも出来るのが王族というものだ
金を渡して別れさせる?
否、下手をすると一生集られかねない
暗殺して、夫を失い悲しみに暮れる私を励ます内に・・・
なんて美談に仕立てあげた方が楽だし都合もいいだろう・・・
庶民でなくても爵位の低い貴族へ嫁いでも同じ事でしょうね
「やば・・・、国出ようかな・・・」