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義母

「泣いていいのよシンディ」


そう言われて抱き締められた、解せぬ・・・

継母(はは)よ、私を虐めて苛めて、いじめ抜くのではないのか?

ぎゅっと抱きしめられて困惑していると、上の義姉マリゼラが


「ズルいお母様!シンディは私が慰めるんだから!」


そう言って抱き締められた、解せぬ・・・

上の姉よ、私を虐めて苛めて、いじめ抜くのではないのか?


何が起こっているのか分からない、呆然としていると、下の姉アナスタシアも


「リゼ私もー!シンディ、お父様が亡くなったのは残念だったわね、でも私達が居るから寂しい想いはさせないわ」


そう言って抱き締められた、解・・・



改めてお話をしてみると色々と誤解があった


父が生きていた時に凄い目で睨まれていた事がある

義母、姉達にだ

てっきり「今に見ていろ」的な睨みかと思っていたら・・・


「それはあの人が、シンディには絶対に近付くな、この子は王妃となるのだ、って言って・・・」


余計な事に時間を使わせるなって?

マジか父よ・・・、王妃になんかならんよ私は


「本当は一緒に髪を結ったり、おめかししたり、お風呂入ったりしたかったのに・・・」


「あ、はい・・・」

どうやら仲良くしたかったらしいが、父が私と義母ズを引き離していたようだ。



「じゃあ、父から贈られた私の新しいドレスが破かれたのは?」


ある日自分のドレスがナイフで切り裂かれていた事があった


「ドレスって、あの紫の?」


「はい」


「あんな色シンディに似合わないから!義父様ったら何も分かってないんだから、あんなものシンディが着させられる前に処分したの!」


「oh・・・」

結構過激ですね上の姉よ・・・



「今日のお葬式の「灰を被らない限り出席は認めません!」って言ったのは?」


「それはシンディが可愛すぎるのが悪いのよ!」


「は、はあ?」

何を言っているんだね母よ・・・?


「やだ、お母様、やっぱりこの子気付いてないわ」


「その様ね・・・」


ん?、なんか言われているがどういう事だろう


「それはどういう・・・」


「いいシンディ!」


「は、はい!」

バンっと両肩に手を置かれて握られる、痛いです下の姉よ


「貴女はね、とってもとってもとっても、とぉーーーっても可愛いの!」


「はあ・・・」

まあシンデレラだ、そりゃ可愛いだろう

ブサイクなシンデレラじゃ話が成り立たないから


「「はあ・・・」じゃないの!本当に本当に可愛いらしくて、貴女何回誘拐されかかったか気付いている?」


「えっ!?」

なんだそれは

父の習い事ラッシュのせいで毎日毎日ご飯食べて習い事、ご飯食べて習い事、ご飯食べて習い事、寝る、の日々だ、そんな事はない、はずだ・・・


「もー、やだ、この子・・・」


「シンディ、貴女よく街にお出掛けしていたわね?」


「はい・・・」

唯一週一の午前だけ息抜きの時間があった

習い事ラッシュがキツくて

家には居たくなかったからブラブラと市場に顔を出して食べ歩きとかしていた。



「すれ違った男全員、後ろを付けて行ったとか知らないでしょ?」


「はああっ!?」


「あのね、貴女は本当に可愛いの。

一点の曇りもない大空の様な蒼い瞳、光り輝きクセもなくサラサラと流れる黄金の髪の毛

神様が創ったと言われても信じてしまうような整った顔立ち」


「・・・」


「ぷっくりとした赤い唇に」


「透ける様な白い肌」


「そして、匂い」


「に、匂い!?」


「シンディが歩いた後はそれはもう素晴らしい匂いが残って・・・」


「えー、義母様も上姉様も下姉様も同じボディーソープとシャンプー使ってますよね?」


「ならないの!貴女の様になりたくて同じ物を使ったのよ!

それでも貴女にはなれないのよ!」


「えー?」


「もうシンディ、私の髪の匂い嗅いでみなさい」


「ん、とても良い香りですが?」


「次は私を」


「ん?アレ?」


「気付いた?」


「使っているの同じシャンプーですよね?」


「そうよ、同じシャンプーを使っても個人で匂いが違うの、そしてシンディの匂いは・・・」


「「「凄い」」」


「凄い!?」


「強い香りじゃないの、でも人を惹き付けるような」


「お日様のような落ち着く暖かい匂いというか・・・」


「取り敢えず凄いの!街の男をゾロゾロと引き連れてしまうようなレベルで」


それは、やばいな・・・、ん?


「今のとお葬式の話になんの関係が?」


「そんな貴女が貴族が集まる葬式に出てみなさい、あっという間に求婚の嵐、当家は伯爵家、それ以上の爵位の所から申し込まれて断れるとでも?」


それは、無理だ・・・


ウチは確かに伯爵家、まあ中堅所なのだが当主不在であーだこーだ周りからつつかれて

ウチの嫁に、妾に、なんて言われては堪らない


「という事は、灰を被ってお葬式に出たのは・・・」


「貴女の金髪と匂いを誤魔化す為よ」


「下を向いて頭を上げるなと言ったのも」


「綺麗な碧眼を誰にも悟られないようにする為

幸いシンディはあの人の実子だから、悲しみに暮れていたで通しました」


「oh、マジか・・・」

私の容姿はそんなレベルか・・・


「マジよ!」「マジマジ!」


姉ズはノリ良く私の軽口に乗って来た、虐めるような陰険な雰囲気は全くない

義母も今の話を聞く限りは、寧ろ私の心配をして護っていたくらいだ。


シンデレラの話、逸脱し過ぎじゃないかね?





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