甘い③
デューク様と正式?に婚約を結び、改めてリュシエルお母様とお父様にご挨拶すると、
「あら、わざわざ良いのに、元々逃がす気は無かったから予定通りよ?」
あっれぇー?
私ってチョロいの?
数週間で落ちちゃったけどさ
自分の好みの人に甘く優しく紳士的に口説かれて落ちない人って居るの?
しかも毎日のように花も贈られてさ
これまでの男性は素のシンデレラを見るとイヤらしい視線が先立っていたのに
デューク様はそういう事は全く無いしさ
私がチョロいんじゃなくて、デューク様がタラシの手練手管に長けているとも言えませんかね!?
「母上、もう少し気を遣った言い方をして下さい
シンデレラが頭を抱えているでしょう・・・」
「良いじゃない、どうせその内気付くなら最初から腹を割って話した方が余程建設的よ」
「ははは、シンデレラさんこんな義母と嫁姑になるのは大変だと思うけど決して君を傷付けたりする人間じゃないから、許しておくれ」
「何よ、こんな、って、もう失礼しちゃう!
シンディちゃんとは仲良しよ、ね?シンディちゃん!」
「あ、はい、」
因みにお母様と雪、姉様達に宛てて手紙を送ると
姉様達からは「おめでとう!」と返事と贈り物が
お母様と雪は大公家に来て直接話をしました
その際、
「だと思ったわ」なんて言われて理由を尋ねると
「あのね、大公様よ?天下の大公様が全く何も下心も無く、善意のみでシンデレラを助けると思う?
シンデレラを助ける事で利益を見込んだか、王子から引き離す事で何か得する事があると思っていたわ
それに最初からシンデレラを見る目が好意的過ぎたし」
あー・・・
チラリとデューク様を見ると、
「全くの善意と言うと嘘になるけどね、あわよくば良い関係を築けたらとは思っていた。
でも、別にフラレてもシンデレラの事は助けていたよ」
ほら!ほら!この大きな器、紳士たる男前がデューク様ですよ!
「あー、ハイハイご馳走様・・・」
「チュー・・・」
雪もチュー太もため息をついた、なぜだ・・・
「でも良かったわね、下衆が多過ぎて良い婿なんて見つからなかったもの
王子に見初められた時なんて本当に生きた心地がしなかったわ・・・」
「む、そう言えば何故シンデレラも夫人方もそこまで王子を嫌っているのか聞いていなかったが、理由を聞いても?」
「あれ?シンディ話してないの?」
「う、うん・・・」
「えっと、大公様」
「デュークで構わない、家族になるのだから気楽に行こう」
「じゃあデューク様、王子はね変態なの、これ別に侮辱とかそういう話でなくて、事実変態で・・・」
白雪が包み隠さず舞踏会での王子の行動を話す
聞いたデュークは付き合いの長い友の知らない一面を聞いて顔が引きつった
嫁(予定)のシンデレラに対してのセクハラに次ぐセクハラ行為
しかも胸を凝視しただと!?
シンデレラの胸は確かに立派だ、とても豊かで・・・
デュークも決して興味がない訳では無い、男なのだから寧ろ大好きだ
だが、リュシエルと父に寄る紳士教育の賜物か
性的な目を向けない様に必至に堪えていたのだ、母からは特に口酸っぱく言われている
「いい事デューク、貴方も男、女性の胸やお尻、身体に興味を持つのは自然の摂理、悪い事ではありません、そうして男は女に惹かれ、女も男を惹き付けるのです。
ですが良いですか、女は男の視線に100パーセント気付いています、分からないだろうとチラリと胸を見る、絶対バレてます。
見るのは構いません、わざと誘う女性も居ますから、でもね、本当に愛した相手には意地でも性的な目は向けてはなりませんよ。
親しくなり、愛を囁き、唇を許し、絆を育んで初めてそういう視線が許されるのです」
まさに母の教え通り、シンデレラは男の視線に気付いていて
しかも嫌悪を感じていたそうで、デュークは母の教育指導に心から感謝した。