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大公

「お待たせ致しました、では」


「う、わっ」


流石に屋根から飛び降りられるとヒュンとする


「レディ、どうして・・・」


「デューク様、その前にお嬢様の治療を、怪我をしております」


「膝に、裸足、靴は?」


「あ、途中で転んでその時に・・・」


「足首が腫れ上がっている、セバス」


「酷いですね、ヒビか骨折の可能性も有ります」


「え!?」

全然痛くないし、気付かなかった・・・

でも足首を見ると通常の3倍位に膨れ上がっていた


「一先ず屋敷に行こう」


「あ、ちょっとだけ待ってください」

懐から犬笛を出して吹く


「ん、それは?」


「犬笛です、チュー太を呼ばないと・・・」


「「チュー太??」」


「チュ!シンデレラ無事でチュ?」


抱えられている私を見付けたチュー太は

セバスさんの脚をよじ登って胸に乗ってきた


「うん、取り敢えず、チュー太は怪我してない?」


「チュ!大丈夫でチュ、おチュくって逃げてきまチュた」


「そう、良かった・・・」


「使い魔かな?」


「いえ、その、魔法使いの魔法で・・・」


「まさか、フェアリーゴッドフェザーか?」


「ゴ、ゴッドフェザー?」

あのおばあさん、そんな大層な名前だったのか・・・


「デューク様」


「あ、ああ、込み入った話は屋敷で」


そう言うと大公様はセバスさんから私を受け取り・・・


「ちょ、え、!?たたた大公様!?」


「ん?」


「あの、何故私を運ぶんですかね?」


「足を挫いているからだろう?」


「いえ、そこではなく、や、そこでは有るんですけど、大公様の御手を煩わせる訳には・・・」


「気にしない気にしない、さあ行くよ、掴まって」


強引に会話を打ち切って歩き出す大公様

何かやたらと上機嫌に見えるのは気の所為だろうか?


屋敷の中へとそのまま連れていかれ

扉を潜るとそこには1人の男性が居た

男性はこちらを見ると驚いた顔で固まる


「お、おおおおおお・・・」


「お?」


「女だーーーっ!皆、若旦那が女を連れて来たぞー!!」


「・・・」

いや、女ですけど、それが何か・・・


突然女だと叫ぶ男性に呆気に取られる

すると叫びを聞き付けたのか続々と人が集まって来た


「女!?ヒャッハー!」

「絶対に逃がすな!!」

「持て成して屋敷から出られなくなる身体にしてやれっ!」

「くっそ地味だけど、女は女だ!捕まえろ!」

「ヤロー共五月蝿い、どうせ近くのばあ様だろ、て女だっ!?」

「きゃー!若様に遂に春が!妻!?妻なの!?」

「王子とデキてるとか言われたデューク様が、遂に女の子に手を出したの!!?」

「私、旦那様と奥様に報せて来ます!」

「おおお、地味だけど女だ、地味だけど!」

「バカ、失礼な事言ってんじゃないよ、どう見ても超美人だよアレは、隠してんだ、どこ見てんだい!」


うん?なんか地獄絵図だ

別に大公様とは何でも無いんだけど、勝手にお嫁候補になってしまったようだ

屋敷の人にとっては何か思う所があるのだろうか?


「・・・」


「レディ、申し訳ない、我が家の使用人達が迷惑を・・・」


「いえ、王子とデキてたんですね、私口は堅いから安心して下さい」


「違うからレディ、私は職務上王子と居る時間が長いだけで衆道の嗜みは無いし、普通に女性が好きだから・・・」


「ああ、そういう事にしているのですね

分かりました大丈夫です、私そちらの道も理解は有りますから

人それぞれですよ、うん」


なるほど、男にしか興味が無いから王子にも大公様にも浮いた話が無かったんだ、納得。


「セバス・・・」


「実際女性の気配は皆無でしたからね、デューク様は

ある意味自業自得の結果では?」


「・・・レディ、誤解だ私は」


「冗談です、すいません楽しい方達なので少し乗ってみました」


「・・・」


「デューク様、先が思いやられますなぁ」


「うるさい・・・」


大公様が予想以上にしょぼんとなった

悪いことしたかな?




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