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捜索

舞踏会の次の日、私達は普通に学校へ行った。

話題は勿論謎の美女の話と王子が血眼になって探しているという話だった


王子曰く


運命の人 我が最愛 彼女以外は有り得ない


と・・・


「熱烈ね、シンディ?」


「止めてよ雪、只のストーカーな存在に言われて気持ち悪い以外の感想ないし」


「同感」


因みにガラスの靴テストは最初に学校に来ました

嬉嬉としてガラスの靴テストする令嬢

馬鹿らしいと顔に出しながらも王命となれば渋々テストする令嬢

特に何とも思ってないのか粛々と受ける令嬢と

様々な様相を呈している


白雪姫とシンデレラ(わたしたち)は粛々と受けて、当然履けないのでスルー


まあ、野次馬で見に来ている子息達には


「あんなんでもやるのかよ(笑)」

「来たぞダブル眼鏡!」


などと揶揄されましたが、いちいち気にしてられません

偶に金髪碧眼の子が呼び止められて確認されていましたが

容姿が違うと判断されたり、ガラスの靴のサイズが合わなかったりと撃沈していました。



「これで当分は安泰かな?」


「だね、でもシンディ気を付けてよ、貴女抜けてる所有るんだから」


「え、そう?」


「・・・貴女、舞踏会の時に本名言いそうになってたでしょ」


「う」


「そういう所、本当に気を付けて」


「うん、ありがとう雪」


「良いの、姉妹でしょ?」


「うん!」


姉妹仲はとても良好だ

雪は前世で妹が欲しかったらしく

私は1人っ子なので姉妹は知らないけど

家族にはしっかり者の白雪姫、おっとりしたシンデレラ

と言う評価の姉妹になっていた。


自分ではしっかりしたつもりなんだけど・・・




それからは平穏な日々だった

王家、王子によるシンデレラ捜索は難航

王都内は探し尽くしたとさえ言われて

捜索範囲は王都を中心に国内へと広がっていった


だけど・・・


「報奨金?」


「王家が有力な情報、もしくは本人を連れて来たら莫大な報奨金を支払うって」


「ふーん、まあどうにもならないだろうけどね」


「ね」


なんて、思っていた時が私達にもありました

報奨金の話が出た次の日の事・・・


「おいシンデレラ、お前ちょっと眼鏡外してみろよ」


「え?」


クラスの男の子に突然言われました

イヤな予感がします


「何?突然、失礼でしょ!」

雪が間に入って警戒、私も身構えます


「俺見たんだよ、前にシンデレラの目、それにスタイルもかなり良いだろ」


ギクリとします、多分雪も驚いています

何処で見られたんだろうか

雪も私も美人で余計なトラブルには巻き込まれたくないのでお互いに協力して顔を見られないようにしてきました

見られたとすれば・・・


「やだ、覗いたの?最低・・・」


「っ、ちが、俺は、」


男の子はチラチラとシンデレラを見る

白雪が察した


「ふーん、で?」


「え?」


「何が言いたいの」


「い、いや、黙っていて、」


「あ、もう良いわ消えて、下衆に用はないから」


「雪?」


「な、な・・・」


「透けて見えるのよ、アンタみたいな覗き野郎の考えなんて!」


恐らく、この男は本当に覗きを行ったのだ

その時にシンデレラの着替えと顔を見た

普段物静かで居るか居ないか分からないシンデレラが実は・・・

と知って、ひっそり過ごしている2人を観察

目立ちたくないと確信した上での、今のタイミングでの接触

強請るつもりなのだと白雪は看破する


王家に報告されて目立ちたくないだろう?

だったら・・・


と言った感じかな?


男と大人しいダブル眼鏡が揉めている事で人が集まって来た

「お、俺は、、っ、ああああっ!」


動揺した男は自分の要求を強引に突き通す事にしたのか

襲い掛かって来た


白雪もまさか実力行使されるとは思っていなかったので虚を突かれ

シンデレラのメガネが叩き落とされる


カシャンッ、ガラスのレンズに亀裂が入る

「あっ、、」


パッと直ぐにメガネを掛け直したけど

集まって来ていた人、何人かには見られたようで


「お、おい・・・、みたか?」

「え?いや、」

「すげえ透き通った目だ」

「ああ、青い瞳・・・」

「シンデレラって、あんなに・・・」

ザワザワと周囲の反応が聴こえてくる、これはマズイ


「このっ!」


手遅れだが、白雪は反撃し返す

足を踏み付け、痛みにしゃがみ込んだ男の側頭部を蹴り上げた

ゴトリと床に頭を転がし昏倒する男

白雪は隣国の森の中で過ごしていたので荒事にはそれなりに自信があった


「シンディ、行こう!」


「う、うん・・・」


慌ててその場を離れたが

次の日の朝、やはりトゥラヴス伯爵邸に騎士団が来てしまった・・・






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