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逃走

城を出て馬車を飛ばす

追っ手は幸い居なかったけど、念には念をで計画通り行動


途中で馬車を降りて、チュー太は適当に王都を走り回る

魔法の馬車と馬と御者なので12時を回れば魔法が解けてドロン。

チュー太はネズミの姿でウチに帰宅


私は降りた所から護衛が居る路地へと入り着替える

質素な服とフード付き外套で金髪も隠す

右へ左へ路地を通り、安全を確保してから家に戻った。


「ふう・・・」


終わった・・・


「チュー」


「あ、チュー太お疲れ様、さっきは怒鳴ってごめんなさい・・・」


「大丈夫でチュ、そんなに王子はイヤだったでチュ?」


「うわ!?チュー太その姿で喋れるの!?」


「でチュ、人型にもなれるでチュ」


「そ、そうなんだ・・・、まあ嫌とか言うレベルを完全に超えてたよ

あの王子と結婚したら早い内に死ぬと思う・・・」


「チュー・・・、怖いでチュ」


「もう近付かないから大丈夫だよ、チーズでも食べて休んで良いから、はい」


「チュ!!ありがとうでチュ、おやすみなさいデチュ」


高いカチカチのチーズの欠片をチュー太に渡すと

目をキラキラに輝かせてトコトコと部屋の片隅のケージに入って行った。

可愛い・・・



程なくしてサリーも雪も帰って来た

サロンで報告会を開く、お母様、姉様達、雪、その他関わったみんな


「で、どうだった?」


「完璧、逃げ切ったよ」


「いや、そっちじゃなくて王子は?」


「・・・変態(サイコパス)だった」


「変態?」


「うん、実は・・・」


王子の事を皆に伝えた

ねっとりと胸元を凝視していた事

ホールドの手でさわさわされた事

お前を蝋人形にしてやろうか、事・・・

ダンスが終わった瞬間、腰をヌルりと撫でられた事


話が進むにつれて、皆ドン引きしていく

雪が口を開いた


変態(サイコパス)じゃん?」


「「気持ち悪すぎる・・・」」


「はからずも逃げ切る計画を立てていて良かったわね・・・

まさか王子がそんななんて・・・」

姉様達もお母様もドン引き、侍女のサリーもだし

護衛のマイクも思い切り引きつった表情だ。



「あの後はどうだった?会場」


「もう騒然よ、王子は女の子の後を追い掛けて姿を消すし

かと思ったらガラスの靴を片手に・・・

「この靴に合う娘と結婚する!」って宣言

その場にいた令嬢は崩れ落ちたり、呆れてため息をついたり、茶番だと怒り出す貴族当主も居たわね」


ま、そりゃそうだ。

いくら王族でも勝手が過ぎるよね、王子の為に集まった人達に敬意が足りない

シンデレラの物語って、結婚ハッピーエンド時点で周囲の反感強いのでは・・・


「後は、明日以降の反応次第だね」


「うん」


「まあ、偽物のガラスの靴を置いて来たから、それの合う娘を探し回るんじゃない?」


「そうだね」


出たとこ勝負なのは変わらない

靴テストはどういった所までやるのか

街中を王子は練り歩くのか

学校来て履かせるのか


王子の出方次第だ

絶世の美女シンデレラを見つかるまで探されると、ちと面倒だ

適当に探した所で諦めてくれるならいいんだけど

草の根を分けてでも!となると・・・


例えば靴のテストをやり過ごしたとしよう

当然シンデレラ(わたし)には合わない、偽物のガラスの靴だからね

コレ、疑問なんだけど国中の娘がガラスの靴履けるんだよね

オリジナルのシンデレラだと義姉様達も履こうとしてダメだ、って描写があるし

でだ、シンデレラと同じ足のサイズの女の子って居ないのって話よ


居るよね

国中とまでは行かなくても、王都内に何人の歳頃の娘が居るよ?

偶然シンデレラ以外の人がガラスの靴を履けたらどうするの?


そう考えると王子が結婚する相手は

王子の記憶に合致する

「金髪」で「碧眼」の「美人」かつ「落として行ったガラスの靴」を履ける女性

となる訳だけど、当然見つからない


次の段階は、ガラスの靴を履けた娘の中に変装している者が居るかどうかの確認になる


それでも見つからない、そこからの対応だ・・・



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