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ガラスの靴は走りにくい。

「あああああーっ!!」


今私は全力で走っている

ドレス姿、両手にはガラスの靴を握り締めて。


全力だ、ガチで全力疾走だ。


ガラスのヒールを履いていたらどんなに慣れていようが

王子から走ってなんて逃げられるもんか。


走っている途中でガラスの靴の片足を置いて、再びダッシュ!

あんなナルシストに見せ掛けたサイコパス王子なんて御免だ

そもそもポッと出の招待したかどうかさえ謎な怪しい娘を捕まえて嫁にしようとする精神を疑う。


あんた王子だろ?

美人局だったらどうするんだ

一目惚れなんて聴こえは良いが、王子のような立場のある人間がそれはダメだろ

パーか?頭がパー子か?


「待ってくれ!」


走りながら声が聞こえる、つい振り向いてしまった

「ひっ」


意図せずして口から悲鳴が漏れた

グングン距離を詰めてくる王子がそこには居た

速っ!王子脚はえーよ!シンデレラ、あんたどうやってこいつを撒いたんだ!?


舞踏会場から大広間、回廊、エントランスを駆け抜ける


「はぁっ、はぁ、はあっ、ん、く」


流石に息があがる、でもあんな変態王子に捕まる事を考えたら脇腹の痛みや素足で足裏が痛いなんて瑣末な事


城の前の大階段、一段一段降りてなんかいられるか!

数段飛ばしで一気に駆け下りて、かぼちゃで作られた馬車に飛び乗る


「出せ!チュー太、出せー!!!」


「ちゅっ!?」


「ちゅっ!?じゃねえー、出せーー!」


シンデレラ鬼の形相に人間に変化した鼠の御者が本気でビビる

ガラガラガラと馬車が走り出して城をあとにする


「はぁー、もー、疲れた・・・」


ぐったり背もたれに寄り掛かり一息吐く



しかし王子の魔の手は今後も執拗に迫る事をシンデレラは知る由もなかった。





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