あとがき
最後までご覧いただきありがとうございます。
この後はあとがき……作者のボヤキをお楽しみくださいwww
この作品、
「プレジデント・カプリッチオ」
を最後まで読んで頂き、誠にありがとうございます。綾部 響です。
さて、この作品を書き上げたのは2017年の3月か4月……おおよそ1年半前の事となります。
この作品のアイデアは何処から来たのか?
それは読んで頂ければ分かると思うのですが、就任以来何かと話題を巻き起こし、未だにその名前は連日のようにメディアへと登場している彼の大統領です。
彼の大統領が就任した折、そのあまりに突飛で挑戦的な言動に、
「この人……暗殺されてしまうんちゃうか?」
とwkdk……いやいや、心配したものです。
それ程に、歴代大統領とは大きくかけ離れた言動が多かったからです。
そして思い至ったのは、
「政治家や政治経験の無い人が……つまりは全くのアマチュアが大統領になったら、そりゃー何でも出来るって錯覚するよな―――……」
と言う事です。
そしてその時に、ピキュ―――ンと思い至ったのです。
そうして作られたのがこの作品でした。
ただし、どれ程不正が行われようと、どれほど納得のいかない結果になろうとも、「大統領」になろうと思えば“民主的”に行われた“選挙”が必要です。
そこで最も多くの得票を得て、初めて“首相”なり“大統領”となれるのです。
そして響さんの得意……と言うか、書きたいジャンルは「異世界ファンタジー」。
この組み合わせは、流石にすぐにはすり合わせの出来る様な事ではない……と思わされました。
異世界に行こうが何しようが、民衆に選ばれたのではない者は「大統領」にはなれないのです。
そこで思い至ったのは……「異世界転移」です。
響さんは、基本的に異世界転生・転移物を書きません。
……違いますね。
最近の流行りに乗っかった、所謂「テンプレ物」を扱わないと言った方が良いでしょうか。
ひょんなことから異世界に行くのも、異世界へと転生するのも構わないのですが、肝心なのは「物語にとってそれが必要な事なのか?」なのです。
昨今の異世界転生・転移物では、それが流行っている、喜ばれているからという理由で現代人が異世界へと行く話が多いです。
ただそういった話は、その異世界に住む住人を扱っても問題ないじゃん。と言うものも少なくありません。
例えば「トラックに惹かれて命を落とした主人公が、神様の導きでチート能力を与えられ異世界へと赴き、そこで現実世界ではありえなかった強い自分になれたばかりか、何故か美女美少女からちやほやとされてハーレム状態になる」
……飽きれるくらいにテンプレですね。
ただしこの設定、異世界人が不意に命を落とし……でも可能な訳です。
別に現代人が異世界に行かなければ話が続かない……と言う事はありませんよね?
響さんは、そう言った設定を扱う事に忌避感があるのです。
それでもこの作品では、異世界転移を用いました。
その理由は簡単です。
そうでもしなければ、ただの学生や一民間人が、いきなり「大統領」になれないからです。
いえ、屁理屈を付ければ出来ない事もありません。
現職の大統領に代役を頼まれて……。
とか、
現職の大統領とうり二つの青年が影武者として……。
とか。
しかし、ここで忘れてはならない事があります。
―――響さんは、異世界ファンタジーが大好きで、異世界ファンタジーが書きたいのです。
つまり大統領になるにしても、兎に角異世界での話としなければならないのです。
元々「民主主義」や「選挙」「大統領」と言う言葉の無い世界であったならば、そこから根付かせる必要があります。
だいたいが中世をモチーフにしている異世界物ならば、専制国家、独裁国家が基本的な国家の体制でしょうか。
そんな中で「共和制」が敷かれている処もあるかもしれません。
ですがその中枢は、やはり豪商や貴族の実力者……となり、とても国民が選んだ指導者であると言う発想には至りません。
いえ、下手にその様な制度を取り入れてしまったら、異世界ファンタジーでは無く現代ファンタジーになり兼ねません。
もしも1から根付かせる……なんて設定にしたら、それはどれだけ長い話になるか分かったものではありません。
そしてこの作品は出版社主催の新人賞に投稿する為に書かれて、文字数やページ数に制限があるのです。
そうなったらもう、異世界転移しか思いつきませんでした。
異世界転移されて大統領になる様に命じられる……。
この設定でごり押しするしかありませんでした。
そこからはもう、無理矢理な話の展開のオンパレードです。
ハッキリ言って、書いていて「うわ―――……」と言う場面は何度もありました。
ですがそこは、「こういった考えなの!」「こういった行動を採るの!」と自分を納得させて、兎に角プロット通りに書く事を優先しました。
そして出来上がったのがこの作品でした。
初めての異世界転移物……。
「大統領」と言う、権力がありそうでその実は無い「はず」の役職。
割とゴリゴリのファンタジーを書いている響さんには、その殆どが初めての取り組みでした。
初めてと言えば「チート能力云々」も初の試みです。
神様に……有り得ない様な反則級の能力を貰って……異世界でウハウハライフ……?
……はぁ?
やはり響さんにとっては、その部分にはどうにも納得できない部分がありました。
そこで響さんは「これっ!」と言った能力では無くて、「何でもっ!」と言う方法を取りました。
つまり特定の能力では無くて、何でもできる能力にしたのです。
ハッキリ言って、これ以上のチート能力は無いでしょう。
ただ、無制限にそんな能力を使えたら、ハッキリ言って作品として成り立ちません。
ですからせめて、「神様が認めた時に限る」と言う制限を付けて整合性を取ろうと試みました。
さて、そんな試みが色々と散りばめられた今作ですが、上手く機能しているでしょうか?
響さんとしては、あまりうまくいっている様には感じられませんがwww。
それでも何とか書き上げる事が出来、1度とは言え某出版社新人賞の1次を通過したのです。
少なくとも、作品としての態は保っているのかな―――……と。
そう自分を言い聞かせていますwww。
兎にも角にも、この作品を最後まで読んで頂いて本当にありがとうございました!
意欲作……とはとても言えませんが、やはりこの作品も響さんの思い出に残る物となりました。
だから、楽しんで読んで貰えたなら……嬉しい限りです!
では、いずれまた別の作品でお会いしましょう!
2018年9月2日
綾部 響
本当に最後までありがとうございました。
また別の作品でお会いしましょう。




