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39.XX


 第三週:2日目


 私は今ハヤト=タチバナの目の前にいる。

 ああ、間に合ってよかった。おそらく今のタイミングが彼に会って話せる最初で最後のチャンス。

 その理由は私が彼の、前世の記憶は持っているが、この世界での記憶を持っていないから。つまり彼が最後の生存者になるのだ。


「初めましてハヤト=タチバナ」


「なぜ俺の本名を知っている!?」


 君はこの世界で本名を名乗っていなかったのか。ならば当然の疑問だろう。

「その答えに、正確に回答するには話が長くなるがいいか?」


「ああ、構わない」

 彼は丸腰だった。そして私の武器を見て戦うのが好ましくないと判断したのだろう。

 対話による現状の解決の意向を示した。


「私の名前はラテス=ヒポク。STOP細胞の発明者だ。

 君は冤罪の死刑囚。そしてその牢獄の中からこの世界に転移したことを知っている。

 だからSTOP細胞の本質について何も知らないだろうね。

 君は人体実験の過程でSTOP細胞を植え付けられる。そしてその細胞を植え付けられた人間は死ねなくなる。

 人類はその被験者を邪魔だと判断する。その結論として一つの焼却炉に集めて火を放った。

 その過程で私達の細胞は溶け合い混ざり合う。そして記憶までもが混ざり合った。

 だから私は知っているんだ。君達のことを、そしてこの世界で何が起きたのかを」


「情報量が多い少し考えさせてくれ」

 彼はあたかも困惑している様子。だが内心この場を切り抜ける方法を考えているんだろ?

 心配しなくていいよ。君に選択肢は私が与えない。


「じっくりと考えていいよ。

 それまで私の能力とこれまでどうやって生きてきたか説明しよう」


 私は手に持っている銃を構える。

「これは猟銃。第一週これを発明することで称号を得た」


 次に私は近くに転がっている生首に猟銃の狙いを定めて、撃つ。

 その生首は吹き飛んだ。

 同時に私の猟銃も爆発四散する。その影響で私の両手の指も吹き飛ぶ。

 その瞬間<逆流する時間>を発動する。


 すると吹き飛んだ生首はそのままに、私の指と猟銃が射撃前の状態に戻る。


「私の能力。それは私の時間を巻き戻す。

 一度使えば壊れてしまう物を私が使えば何度も繰り返し使い回すことが出来る。

 だから、第二週で私はこの猟銃を使って多くの人を殺し偉業を達成した。

 私の能力は対人戦においてこの使い方が最も効率的な運用方法だよ」


 私は続けざまに彼に質問する。


「もし、君が生き残ったらどうしたい?」


 彼は即答した。

「死ぬよ。この世界なら楽に死ねるんだ。

 俺は多くの人の命をこの手で殺めた。だから自らの罪に自ら罰を下す」

 


「素晴らしい。私と同意見だ」


 なら本題に入ろう。

「この世界には“転移魔法”というものが存在する。何か連想しないかい?」


「転移者!?」


 そう大正解。

「私達は前世からこの世界へ転移して来た。なら転移魔法を使って逆も可能じゃないか?」


 その瞬間、彼の瞳孔が広がった。


「私はこの世界の時間の多くを転移魔法の研究に費やした。

 私は魔法に関する書物を読むことが出来たし、転移魔法を体験した記憶もあった。

 そうして今の私は転移魔法習得している。現にさっき私は君の目の前に突然現れただろ」


 転移者はこの世界に転移した時間軸がそれぞれ異なる。それは私が転移者の記憶を有していることが証明している。

 そして私の記憶の中で強烈に印象付いている時間軸がある。そこへなら転移出来るかもしれない。

 これは勝算の分からない賭け。だけど私がこの世界転移した理由はこのためだと信じている。


「君にお願いがある。私と一緒に前世に転移してくれ。

 そしてそこで私を殺してくれ!!」




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