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33.居場所


 私は別なる世界に転移する。


 今いるのは道端だ。

 私は心が清らかなものになっていることに気づく。ああ、あの忌々しい黒いものから解放された。


 私は目を閉じ深く瞑想する。いくつかの疑問の答えを知るために。

 そして瞼の奥で文字が浮かび上がる来る。


・第一週:1日目

・Transcendentトランスエンデント ability:<強制する絶対服従の誓い>

・称号:なし


<以降は初回のみ表示する>

1.あなたは1週間毎に偉業を成す義務がある。

2.この義務の期限はあなた以外の転移者全てがこの世界から消えるまでとする。

3.一週間に複数の偉業を達成したとしても、翌週の偉業を成す義務へ繰り越すことは出来ない。

4.偉業を成すことに成功した場合<称号>が与えられ、以降ここで確認することが出来る。

5.偉業の獲得方法として、他の転移者を殺せば無条件で<転移者殺し(Name)>が与えられる。

6.その他獲得方法として、有名になること、生物を殺すこと、発明すること、etcで与えられる。

  上記の裁量として、百の運命に変化を与えたか、又はこの世界で未だ成されていない出来事を実現したかを基準とする。



 私は再び目を開ける。

 こんなもの見せられても分からないことは沢山ある。ただ私はこの世界で生まれ変わったんだ。

 だから前世みたいに権力者に人生を壊されるのはもうたくさんだ。

 私がやるべきことは一つ。そうならないために私自身が権力者になること。


 そのために一つの疑問Transcendent ability:<強制する絶対服従の誓い>の意味を考える。

 言葉の意味だけで判断するならば、相手に対して服従を強制することが出来るということだろうか?

 誰でもいい、試してみれば分かること。


 私は顔を上げ、今いる場所と道先に何があるか見る。

 私は驚いた。遠くに真っ白な城が見える。

 美しい城。あれは私のために存在するに違いない。

 あそこが私の居場所になるのだ。だからそこへ向かおう。



 その道中綺麗な町があった。そしてそこには門兵がいる。

 彼らは近づく私を制止させる。

「これより先は王族貴族区だ。身分を証明出来ない者は何人たりとも立ち入りを禁ずる」


 その門兵は私が城へ近づくのを阻害している。

 私は彼が邪魔だと思った。私の都合のいい人間になってほしいと思った。

 だから彼に触れ<強制する絶対服従の誓い>発動する。


 すると彼は私への制止を辞めるばかりか、私へ口出しすらしなくなった。

「私はあのお城へ行きたいの、手伝って」


 彼は頷くと、私を門の中へ招き入れてくれた。

 門兵は彼だけではない。他の門兵は何事かと近づいてくる。

 すると彼が他の門兵に対して私を庇う様に立ちはだかる。


 その門兵は仲間が異常な行動をとったことに驚いたのだろう。彼を説得し始めた。

 私はそのいざこざの間に門兵それぞれに対し能力を発動していった。


 私はこの能力の本質を理解する。

 この能力は言葉通りだ。他者を私に服従するマリオネットに変化させる。

 ああ、なんて都合のいい能力なの。これで私は何の障壁もなくあの城を私の物に出来る。



 そうして私は城に到着する。そこには何百人もの兵士が私の前に立ちはだかった。

 数や力の暴力など私には無意味だった。

 私は触れた人間を味方にする。どんなに人数差があろうとも敵が味方になっていく。

 それはチェスで例えるならば、相手の駒の操作権を私が無理やり奪う様な。

 兵士達は恐怖しただろう。

 最初は仲間の方が圧倒的に多かった。それがいつの間にか数的不利になっているのだから。


 私がその城の玉座に座るのは時間の問題だった。

 この城にいる全ての人間をマリオネットに変化していくのだから。


 私が玉座に座った瞬間、頭上からファンファーレの音が鳴る。

 私は瞼の奥の文字を確認する。


・第一週:一日目

・称号<強奪者(ハーモニー王国最高権力)>


 私は心身共に安心する。

 これで今週は生き延びられる。次の週からは王族や貴族など不要な人間を処分して偉業を達成していこう。

 

 私は座っている玉座から広間を見渡す。そこには何百もの兵士が私を前に跪いている。

 

 ああ、ここにあったんだ。私の居場所。

 



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