15.切り札
第二週:1日目
俺は瞼を閉じていたこの瞬間、日付が変わったことを知る。
そしてその奥に浮かび上がる文字は。
・称号:<虐殺者(ハープの町)>
この意味。俺はこの町の住民の多くを殺した。
そして今俺はあの時の様に頭を下げ首を差し出している。
俺は待っている。その時を。
「今から私はお前を殺す」
そしてアフロディテは剣を構える。
だがその剣はいつまで経っても振り下ろされることはなかった。
「解せない点がある。ここで死ぬ運命であるお前が、なぜ隷属契約に三つの条件を加えた?」
信じていたよ。彼女からその言葉が発せられるのを。
俺はこの時を待っていたんだ。
「『時間停止』俺が想定した最悪の能力。
あんたは光を遮る能力。弱すぎるんだよ、あんたはそいつに絶対に勝てない」
「ンッ!!」
俺は止まらない、このまま撒き餌をばらまく。
「そいつはあんたの存在を確認すれば、一瞬で殺しに来る。気づいた時には死んでいるだろうさ。
あんたはどうだ?近づかないと戦えないんじゃないのか?」
「あんたと俺が『時間停止』に勝てる唯一の可能性。それはそいつの虚を突くこと。
そいつは想定しないだろう、転移者同士が協力しているなんて。
そして俺達にはそれが出来る。隷属契約という形で既に契約しているのだから」
俺は切り札の全てきった。彼女の反応は……
「フロディ、私のことは次からそう呼べハヤト」
俺は生き残ることに成功した。
三日寝ずに活動していた俺達はハープの町で仮眠を取る。
そしてドラムの町に戻って来た。そこで噂を耳にする。
フルートの町が虐殺されていると。そしてもう一つ王都にて新しい“剣聖”が生まれたと。
第一章 完




