表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

いじめられっこ

 

 

 わたしは小学四年生の、苛められっこです。

 毎日毎日毎日苛められて、人生が辛いです、死にたいです、かなり本気で。


 わたしを苛めるのはただ一人です。

 その人は、、、ああ、目の前に仁王立ちしている男の子です。


「おいユア、こっちこい」


 彼は同学年同クラスの智樹君です、今日は通学路でわたしを待ち伏せしていたようです。

 見た目は、お世辞にも男らしくは無く、よもすれば女の子みたいです。

 わたしと同じ様な苛めらそうなタイプなのに、どうして彼はこんな事をするのでしょうか?


「なにかなぁ、ぅぅ」


 路地裏に連れ込まれて、襟首を掴まれます。


「昨日はよくも、俺を苛めてくれたな!」


「あう?」


「あう?じゃねっつの、もう俺は学校に行けないぞ! どうしてくれるぅ!」


「あうぅ、それはわたしじゃないのにぃ」


 彼の言う事は恐らく真実なのでしょう。

 わたしは日替わりで人格が切り替わるみたいで、こんな変な事になっています。


「この!この! 昨日はよくもやってくれたなぁ! 仕返ししてやる!」


「いやぁ! やめてぇ!」


「やめるかよぉ! 俺だって昨日散々そう言ったんのにぃ!やめなかったくせに!」


 そんなの知りません、実際知らないのです。


「ひどい目にあった、、」


 あれからどれくらい経ったのか分かりません、解放されてから直ぐに学校に向わい、今は教室です。

 誰も話しかけてきません、別にこれはわたしに社交性がないから、しかたありません。

 一人静かに本を読んでいると、目の前に影が現れました。


「よぉ」


「あ、、がっこうに、来ないんじゃなかったの?」


「そうだな、でも、お前に仕返しする為に来たぜ」


 智樹君は手始めとばかりに、ひょいとわたしの読んでいる本を取り上げます。


「なんだ詰まらないな、ただの文学じゃんか」


 ペラペラと捲っています、それは学校に持ってくる本だから当然だと思います。


「ユアお前、もっと変な本、持ってないのかよ?」


「持ってないよぉ、、」


「なら、明日持って来いよ?」


 どう答えたらいいか分かりません、だいたい変な本とはなんでしょうか?


「これは、もらっといてやる、返さないからな」


 ああ、お気に入りの本だったのに、ぐすぅ。


 放課後です。

 今日も沢山苛められました。

 授業の終わった後は、必ずわたしの所に来て、なにかしらしてきました。

 昼の給食では、わたしが最後に食べようと思っていたプリンを、もっていってしまいました。

 五六限目の図工では、わたしが丹精込めて作った作品を溶接して、変な風に閉じ込めて開かなくしてしまいました。


「はぁ、、」


「おい、溜息なんてついて、どうしたんだよ?」


 昇降口で、壁に寄り添うように智樹君がいました。


「あの、、、さよなら」


「ちょっと、待て」


 目の前に立たれて、進路を塞がれてしまいます。

 わたしは何だか急に怖くなって、涙がじわっと溢れてしまいます。

 彼の目は、強く真剣さを帯びていたのです。


「明日、付き合え」


「えぇ?」


「だから、明日、、じゃなくて、明後日付き合え、予定空いてるんだろ? どうせ」


「う、うぅん」


「それじゃ、明後日駅前に、10時集合な。 

 ぶっちしたら、とんでもない事になるから、覚えておけよ」


 智樹君は、なんだか早口にそれだけ言って、顔を隠すように去っていきました。

 それよりどうしましょうか、休日に呼び出されるとは、とんでもない予想外です。 

 いったいどんな事態が待ってるのか、想像がつかず、いまからわたしは戦々恐々していました。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ