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ハシビロコウさん

作者: コメタニ

3月27日の日曜日

隣りにハシビロコウさんが越してきた


ハシビロコウさんは日の出とともに出かけていく

僕は夢の中でハシビロコウさんの大きな羽がはばたく音を聞く


ハシビロコウさんは夜遅くに帰ってくる

僕はシャワーを浴びながら大きなくちばしがドアノブを咥える音を聞く


土曜日の午後に駅に行くとバス乗り場とタクシー乗り場のちょうど真ん中にハシビロコウさんが立っていた

身動きもせずに改札に吸い込まれていく人々をにらんでいた

じいっと改札から吐き出されてきた人々をみつめていた

だれもハシビロコウさんには気がつかない

その視線を感じることもなく足早に改札に吸い込まれ吐き出される


4月3日の日曜日

ハシビロコウさんは越していった

隣りの部屋はまた空き室になった


月曜日になり僕は改札に吸い込まれる

夜には改札から吐き出されるのだろう

ハシビロコウさんがいない駅の改札を

明日も明後日も吸い込まれ吐き出されるのだろう

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― 新着の感想 ―
[良い点] なんだかホンワカしているような、切ないような気分になりました。 [一言] 私は、待ち合わせのあてが外れて、夜の新宿の改札口のあたりを、一人でほっつき歩いてしまったときのことを思い出しました…
[一言] ハシビロコウさんを検索してみましたが、目がくりくりでくちばしが笑っているようで可愛らしいですね。 何かが変わっても気が付かないぐらいに忙しなく過ぎて行く日々。それを見つめる優しくも寂しい瞳…
2016/04/02 19:39 退会済み
管理
[気になる点] 写真見てきました・・・目つき悪! ハシビロコウさんが怖かったので「悪い点」に記入w
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