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恋心  作者: 水城朱音
8/14

第8話:休みの代償

あの後。

貴重な週末を、二日酔いと、寒い中1時間近く外で過ごした影響で熱を出してしまい、ベットからほとんど移動する事もなく過ごした。


その間、祐樹のお世話になってしまい、心身と共に疲れ果てる事になった。


なんとか、日曜の夜には平熱に近い体温に戻ったが、念のため月曜の仕事は午後からと言う事にしてもらった。


祐樹は午前の授業があるといって8時には家を出て行った。

いつもは私の方が見送られる立場だから、ちょっと新鮮だった。

それからは、洗濯ものを干したりちょっと部屋の掃除をして過ごしていると、いつの間にか10時前。

そろそろ支度して会社に行かなくちゃいけない。

スーツに着替えて必要なものを鞄に詰め込むと家を出た。


「今日も寒いわね…」

はぁっと手に息を吹きかけ手を擦りながら駅へ向う。



いつもとは違う電車なので比較的空いていて、椅子に座ってゆっくりと会社へ向う。

熱はすっかり平熱に戻り、これなら仕事に支障はないだろう。



心配しているだろう優子には先ほどメールをしておいた。


椅子に座って向い側の景色をぼーっと見つめていると、会社のある駅にいつの間にか着いていて、ちょっと焦った。

慌てて電車を降りて、改札を通って時間を確認する。

今はまだお昼休みだから出社にはまだ間に合う時間。

とりあえず小腹が空いた私はコンビニに寄ってから向う事にした。


店内に入った私はまず、お弁当コーナーの前に来るとおにぎり一個を手に取ると次は飲み物。

とドリンクの所へ移動した時だった。


ドリンクの前には藤崎課長。なんだかコンビニには似合わない人がそこに居た。


「おはようございます」

「えっ?」


声を掛けると課長は振り返り姿を認めるとにっこり微笑みかけてきた。


「川原さんか。おはよう」

「課長がコンビニだなんて珍しいですね」

「そう?結構ちょくちょく来るんだけどな」

「そうなんですか?」


話しながらレジに行き並んでいると、課長はさり気なく私が持っているおにぎりと飲み物を取ると一緒に精算してしまった。


「あの…お金…」

「あぁ、いいってこれぐらい。ところで具合はもういいの?」

「えっ?は、はい。大丈夫です」

「そう。よかった」



課長の隣に並んで一緒に会社へ向う。何だか変な感じだ。


会社のロビーで課長とは別れ、先に部署に戻ると優子が駆け寄ってきた。


「亜子ちゃん、もう大丈夫なの?」

「うん。大丈夫」

「そっか。よかった」


午前中休んじゃったから仕事は山のようにある。

こりゃ残業決定だな…



==========================================



只今の時刻17時13分。

やはり仕事は終わらない…しかも今日に限って、明日朝一で必要な書類の作成がまだ残っている。

朝ごはんは祐樹が作っているが、夕飯は私がなるべく作るようにしている。と言っても最近は週に2,3日しか一緒に食べる事はないけど…。

それでも、もしかしたら今日は早く帰ってくるかもしれないと、一応祐樹にはメールを打っておいた。

返事はすぐ来て、祐樹も友達と過ごすからいいと言うことだった。


パソコンと睨めっこしている間に次々と人が帰っていく。

すでに優子は彼氏と約束があるといって定時に帰っていった。

時刻を見ればいつの間にか8時過ぎている。

まぁ、この調子で進めれば後30分ほどで帰れるだろう…。

あともう一息だ!と気合を入れてパソコンを見つめる。


「……らさん…」

「あの、川原さん!…」

「え?は、はいっ!?」


キーボードをがむしゃらに打ってたから、私に話しかけているなんて思ってもいなかった私はちょっとビックリしてしまった。


「俺もう帰るけど、一人で大丈夫?」

「へ?一人?」


そう言って周りを見渡すと確かにこのフローアーに残っているのは私と彼二人だけらしい。

しかも彼は帰ると言っている。


「あー…あと少しで終わるし、大丈夫ですよ」

「そう?じゃあ、俺帰るね。お疲れ」

「お疲れ様です」


ついには一人っきりになってしまってちょっと心細いけど仕方が無い。

早く終わらせて帰ろう。そう思ってパソコンに向う。


「終わったぁーー!」

「あれ?川原さん?」


私があげた声とほぼ同時にシーンとしたフロアーの入り口から声を掛けられた私は乾いた悲鳴をあげてしまった。


「ごめんごめん、驚かしちゃった?」

「…課長でしたか…どうなさったんですか?」


私の質問に答える事も無く、クスクスと笑いながら私のそばへやってきた課長は隣の机に腰掛け見下ろしてきた。


「そろそろ9時だ。表に出る玄関が閉まってしまうよ」

「えっ!そうなんですか!?」

「だから早く支度して出ないと」

「そうですね。仕事もやっと終わりましたし、帰ります」


すばやく身支度をして課長と一緒にフロアーを出る。

エレベーターに乗り込んだところで課長が話しかけてきた。


「そういえば、ご飯は食べた?」

「いえ。もうお腹空いちゃって…」

「じゃあ、これから一緒に食べに行かないか?俺も何も食べてないし」

「そうですね…。じゃあ…、食べに行きましょうか」




課長と食事なんてちょっと緊張してしまいそうだが、お腹が空いていた私は軽い気持ちで誘いに乗ってしまった。


私のお話を読んでくださってありがとうございます。

なかなか話が進んでいませんが、あともう少ししたら動くと思います。スイマセンっ

これからもよろしくお願いします^^


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