第六話 衝撃の結末・・・!!
なかなか、ムギの村につかずに申し訳ないです。
「ケルベロスを・・・彼を倒します。」
ユニコーンは、苦渋の決断をくだした。
「そうか・・・」
おれは、反対はしなかった。
いや、出来なかった・・・
なぜなら、これはユニコーンが決めたことなのだから。
おれにできることはケルベロスをこれ以上苦しませないということだった。
「グルルル」
ケルベロスは、よだれを垂らしながら殺意に満ちた目でおれたちを睨んできた。
おれは、ケルベロスの底知れない闇に一瞬たじろいだが踏みとどまり木の枝を握る手に力を込めた。
「スメラギ様・・・」
「なんだ?」
「申し訳ないのですが。大技を使用するのでしばらく魔力を溜めるのでそのあいだのーー囮をしていただけないでしょうか」
ユニコーンは申し訳なさそうにこちらを見てきた。
おそらくは、おれを巻き込んだことにたいする後ろめたさが来てるのだろう。
だが、そんなことは
「気にすんな!そのつもりだから!!」
巻き込めれてやるから安心しろ!
「・・・!」
ユニコーンは、一瞬驚いた表情になったがすぐにキリッとした表情になり魔力を溜め始めた。
「こい!逝かれた犬やろう・・・おれが相手してやる!!」
おれは、思いつく限りの悪口でケルベロスを挑発して怒らせた。
「ガルルル!!」
ケルベロスは、おれの挑発にのり完全にオコの状態になった。
わかり易く例えるなら某ハンティングゲームのモンスターの激昂状態みたいな感じだ。
ケルベロスは、おれやユニコーンに対する負の感情を魔力にかえて纏った。
「なんつー、魔力だよ!規格外か!?」
もう、これ閻魔大王がどうとかのレベルじゃないだろ!
ビュッ!
「・・・はやっ!?」
なに、今の・・・!
一瞬で、おれの前に移動しやがった。
「ガルルル!!」
大きな口をひらくと鋭く尖った牙でおれを噛み殺そうとしてきた。
「させっか!」
木の枝で対抗した。
しかし、そんなものはきかなかった。
当たり前だ。
紙飛行機で本物の戦艦に挑むようなものだからな。
「ガルルル?」
ちぃ、気づきやがった!
ケルベロスは、突然の大きな魔力がユニコーンのものだと気づくとターゲットをおれからユニコーンに切り替えた。
「させっか!」
おれは、ケルベロスに追いつこうと走るも全然追いつけずむしろ差が開くばかりだった。
「おい!ユニコーン!気づかれたぞ!」
ユニコーンに向かってそう叫ぶも魔力を溜めるのに集中しており届いてなかった。
「ガルルルゥ!」
ケルベロスは、ニヤリと笑うと牙でユニコーンをーー
「なんてな。」
とはいかずにおれの背中を貫いた。
おれは、咄嗟な判断で盾になることにした。
「溜まりきりました・・・って!スメラギ様大丈夫ですか!?」
ユニコーンは、魔力が溜まりきったのをおれに報告しようとおれのほうをみると牙に貫かれてるおれを見て心配してきた。
「ああ・・・なんとかな。」
しかし、牙から注がれてきてる闇魔法によって激痛は走ってるが。
いくら、死なないからってこれは痛すぎるぜ・・・
「ユニコーン・・・おれにかまうな・・・おれごとや・・・れ」
く・・・
もう、呂律がまわらなくなって・・・きてやがる。
「しかし!」
「なにを・・・やってる!ためらうな!死にてぇのか!!」
おれが痛みに耐えながら大声でそう怒鳴ると
ユニコーンは、ややためらいながらも攻撃の準備をした。
「そう、それでいい・・・」
「すみません・・・スメラギ様・・・」
ユニコーンは、おれにたいする謝罪をすると
「・・・『天雷神・閃』!!」
天から無数の雷を落としてきた。
「グルルル!?」
ケルベロスは、それに気づくとよけようとしておれの体から牙を抜こうとした。
しかし、おれは牙を手で握ると抜かせまいと踏ん張った。
そして
無数の雷はおれごとケルベロスの体を貫いた。
雷が収まる頃にはおれとケルベロスの体にはたくさんの穴があき大量出血した。
なんとか、意識が残ったので牙を抜いた。
「スメラギ様!スメラギ様・・・大丈夫ですか!?」
意識を失う間際・・・見たのはおれのことを心配そうにみてくるユニコーンの顔だった。
〜〜〜 〜〜〜☆〜〜〜 〜〜〜
ん?なんだ、この柔らかさは。
まるで、太もものような柔らかさだな。
ん?太もも?
「でぇぇ!?」
おれは、変な声を出して起きてしまった。
「クスクス・・・でぇぇ!?ですって。可愛らしいですねスメラギ様」
長い銀髪に頭から生えてる一本角のスタイル良いお姉さんは凛とした声で笑っていた。
「・・・誰?」
「え?」
おれの心からの本音にお姉さんはこの世の終わりみたいな顔になった。
「私を知らないというのですか?!」
お姉さんは、おれに思い出してもらおうと必死になり肩を揺らしてきた。
「ちょっ、まっー!」
あー!死ぬ!死んじゃうから!
いや、不死身だから死なないけどね!?
花畑でオババが手を振ってる!
「スメラギ様!?死んじゃ嫌だ!」
オババいまから、そっちに逝くね。
・・・・・
「はっ!」
「気づきましたの?良かったぁ!」
お姉さんは、いきなり抱きついてきた。