第五話 『ユニコーン』vs『ケルベロス』・・・!
ユニコーンの『雷閃』とケルベロスの『地獄の咆哮』がぶつかり合い地面にクモの巣状に亀裂が入った。
「なぜ、邪魔する?」
たしか、ユニコーンはケルベロスとこの山守ってんじゃなかったっけ?
「あなた様を守るためですよ。スメラギヒエン様」
ユニコーンは、おれのほうを向くと恭しく頭を下げてきた。
「ジャマスルナ・・・」
「私とスメラギ様の話しの邪魔をしないでくれるかしら?」
ユニコーンは、ケルベロスのほうを向くと蹄で地面を思い切り叩いた。
「『雷光』!!」
地面に皸が入るとあいだから白色の雷が出てきた。
「あなたごときがスメラギ様に触れていいはずがない!」
やべぇ!このユニコーン『ヤンデレ』だ・・・!!
「ヴヴヴ・・・ジャマスルナラ・・・ケス!」
おいおい、まじかよ!仲間消すって宣言しちゃったよ?!
「調子に乗らないでよね、駄犬が!あなたごとき消すの訳ないわよ?」
ユニコーンは全身に雷を纏った。
「『千雷・麒麟』・・・!」
技名通り、千の雷が麒麟となりケルベロスを襲った。
「グオオオ!マダダ・・・ユニコーン!コロジテヤル!!」
「「!」」
なんだと!?あの技を受けてもまだたちあがるだと!
「あんな、ケルベロスを見るのは初めてだわ・・・」
長年、ケルベロスとこの山を守ってきたユニコーンですらケルベロスの異常さに恐怖していた。
「どういうことだ?」
「あれほどにまでしぶといケルベロスは初めてということです。」
「???」
この山を守ってるくらいだから相当のしぶとさじゃないのか?
「ケルベロスを創り出したのは閻魔大王様なのですが・・・あのような異常さを持ち合わせるようなことをするお方ではない筈ですが・・・」
つまりは、
「その、閻魔大王になにか起きているのか・・・あるいは・・・」
「何者かが操っている?」
ユニコーンは、ありえないですよ。そんなことはといった目でおれを見てきた。
「現に、こうやって狂ってるだろ?」
信じたくない気持ちもわかるけどさ・・・
なにせ、長い年月をともに過ごしてきた仲間が突然狂いだしたんだ
おれがユニコーンの立場だったら発狂してるもん。
それ考えたら、ユニコーンはすげぇや。
いくら、おれの前だからって気丈にふりまうなんてさ。
「・・・」
ユニコーンは、何かを決意した目になった。