第四話 落命山
ーー落命山
『ムギの村』と『死の森』の境界線の役割をしている標高8000mの山である。
別名、『天国への階段』や『地獄への入り口』とも呼ばれ踏み入ったら最後命を落とすとして誰も近づきたがらない。
もう一つ、『落命山』と呼ばれる由来がある。
それは・・・
『落命山』を守っている魔物にある。
一匹は、『一角獣』。
これが、天国を司る魔物でもう一匹は
『地獄の番犬』
こちらは、地獄を司る魔物である。
この二匹が守るために王国は『落命山』に一般人が立ち入ることを禁じているのだ。
〜〜〜 〜〜〜☆〜〜〜 〜〜〜
あの後、なんとか『死の森』を抜けたおれは次なる難関である『落命山』に来ていた。
「よし!行くか・・・!」
木の枝を取り出すと山を登りはじめた。
「なるほど・・・『落命山』と呼ばれるだけのことはあるか。」
足場が不安定で足を滑らすと地の底へと真っ逆さまに落ちていく。
「そして、この状況で出てきたか・・・『地獄の番犬』!!」
いきなりのラスボスか・・・
いいぜ、やってやらァ!
「キサマニワシヲタオセルカナ?」
喋れるのか・・・
厄介だな。
「いくぞぉぉぉ!」
木の枝に込めれるだけの魔力を込めると『地獄の番犬』に向かっていった。
「オソイ・・・『地獄の息吹』!」
ブオオオオオ!
『地獄の番犬』の息吹は空気の塊となり大きな音をたてながらおれを地の底へと真っ逆さまに落とした。
「イマノオマエデハカテナイ・・・!」
『地獄の番犬』は吐き捨てるようにそう言うとどこかへと歩いていった
〜地の底〜
「くっそぉ!やはりつええか。」
肋骨数ヶ所と木の枝が一本折れちまった。
おれじゃなきゃ死んでたな。
「あいつをどう攻略するか・・・」
真正面から向えば即ゲームオーバー・・・
かといって、後ろに回り込むのもムリゲーだし・・・
2人でやればいけるが・・・
あいにくとおれは一人だし。
ん?一人・・・?
そうか
「その手があった!」
ふむ、『地獄の番犬』攻略はどうにかできそうだな。
そのためには木の枝が数本準備しとかないと。
「やりますか・・・」
いつまでも、ここにいるわけにもいかないからな。
〜〜それから 数日後〜〜
「まさか、この山に数日もいることになるとは・・・」
こっちにきた時に着ていた服もボロボロになっていた。
「さてと、あんときの屈辱を晴らすとしますか・・・」
おれは、斜面を一気に登ると木の枝を取り出した。
「来たか・・・」
ズシン!ズシン!と地面を揺らしながら『地獄の番犬』がやってきた。
「・・・!イキテイタカ」
「ああ、お前を倒すために地獄の底から戻って来たんだよ。」
文字通り・・・いや、見たまんまな!
「さてと、第二回戦はじめるとしようかぁ!」
おれは、正面から木の枝を手に向かっていった。
ーー数日間、この山で過ごしていてケルベロス攻略の方法は真正面から向かって行くことだった。
べつ、なんの攻略方法も思いつかなかったからではない。
理由は、2つある。
一つは、さっきも言った通り後ろに回り込むのは不可能だからだ。
もう一つの理由は、ケルベロスに『地獄の息吹』を使わせるためだ・・・
『地獄の息吹』を使用させることによってケルベロスの魔力を削ることと習得するためだからだ。
「モウイチド、オトシテヤル!」
ゴオオオオ!
ケルベロスは、周りの空気を禍々しい魔力に変換すると
「クラエ・・・『地獄の咆哮』!!」
『地獄の息吹』の上の魔法を放ってきた。
「させません!『雷閃』!!」
そこへ、ユニコーンがやってきて雷を纏った角で攻撃して防いだ。