第三話 死の森
「戻って来たのか。」
見覚えのある景色に戻りすこし安心した。
さて、これからどうするかな
この森である程度力付けるか・・・
森を抜けるか・・・
(森を抜けながら修行するってのはどうかしら)
おれがこれからのことを考えていたら女神がアイデアを出してきてくれた。
その手があった!
ありがとう!
おれは、女神にお礼をいうと通信をきった。
さてと、ここから近い村は・・・
おれは、こっちにきた時にポケットに入ってたコンパクト地図を広げるとこの『死の森』から一番近い村を探し始めた。
「『ムギの村』か・・・」
『落命山』を越えた先にあるのか・・・
なら、2日くらいでつきそうだな。
んじゃ、目的地も決まったし向かいますか。
地図をたたむとポケットに戻して歩き始めた。
ーー向かうは、『ムギの村』!
このとき、おれは知るよしもなかった・・・
あのようなことに巻き込まれることになるとは
〜〜〜 〜〜〜☆〜〜〜 〜〜〜
「なんだ?なんか気配がする・・・?」
歩き始めて10分、何者かの気配を感じた。
振り返るも誰もいなくただ緑が生い茂っているだけだった。
「気の所為か・・・」
こっちに来てまだ、日が浅いために変に警戒しているのだと思いまた歩き始めた。
そして、数分後・・・
「GRUOOOH!」
「さっそくお出ましか!」
おれの目の前に出てきたのはゴリラの腕のような太さの腕とクマのような凶暴さを持ち合わせた『デスベアー』だった。
おれは、リオ〇ウスを倒した木の枝を取り出すと『デスベアー』の動きを警戒しながら攻撃をくわえた。
「GUGYAOOOH!」
『デスベアー』は胸に突き刺さってる木の枝を抜こうとするがなかなか抜けずもがき苦しんでいた。
「フィニッシュだ!」
おれは、魔素を木々から集めると魔力にかえて詠唱なしに火の玉を放った。
リオ〇ウスのそれには及ばないもののそれなりの威力だった。
火の玉は『デスベアー』を生きたまま焼き始めた
火の玉が『デスベアー』を焼き終えると肉の焼けた嫌な匂いが立ち込めた。
火の玉はLv.2になった。
またしても、あの無機質な声が脳内に響いた。
「さて、先を急ぐか・・・」
暗くなる前にはこの森を抜けないと
暗くなると魔物たちの動きが活発になるのそうだから(女神直筆の手紙)そうなったら厄介だからな。
だが、物事はそう上手くは行かず・・・
森を抜ける前に暗くなってしまった。
そして、『死の森』に夜の帳が完全に降りると
魔物の唸り声があちらこちら聞こえ始めた。
「GIYAOOOH!!」
そのうちの一匹、『ヘルアント』がやってきた。
『ヘルアント』の顎はかなりの力を持っており『ガチン鋼』というとても硬い鋼を砕くほどだ。
だから、不用意に近づかない方がいい。
「まぁ、魔法を使えるなら問題はないがな・・・!」
おれは、『火の玉』を『ヘルアント』の弱点である頭の部分をめがけて放った。
しかし、倒すほどの威力にはいたらず『ヘルアント』を怒らせる結果となった。
「やっぱり、硬ぇな!」
説明書の通りだったか・・・
流石は、『ガチン鋼よりも硬い身体の蟻』と言ったとこか。
「どうする?考えろ・・・」
あいつを一撃で仕留めるためには・・・
ー火の玉が火炎球にグレードアップしました。ー
おれが、考えていたら脳内にまたしてもあの無機質な声が響いた。
「よし!なら、さっそく!『火炎球』!!」
先程よりも威力が高くでかい火の球が『ヘルアント』の頭に炸裂した。
そして、そのまま全身を焼き尽くした。