第一話 人生イージーモード
ーー俺、皇飛燕は死んだ。
どのようにして、死んだかはわからないが死んだ。
なぜ、死んだと断言できるかというと
真っ白な空間におれと向き合うようにして座っている謎の女がいるからだ。
「こんにちは」
とりあえず、どうすればいいかわからなかったので挨拶した。
「こんにちは・・・って!なんで挨拶を!?」
謎の女は、挨拶を返しながら驚いていた。
器用だな。
「あなた、死んだのよ!?」
んあ、そうだな。
「ゴメンなさい、こんなときどんな顔をすればいいかわからないの」
とりあえず、〇ヴァのあの人の名言を借りた。
「笑えばいいとおもうよ。」
って!何言わせんのよ!とツッコミをされた。
「お前が勝手に言ったんだろ!」
「それは、そうとあなた死んだのにも関わらず随分と落ち着いてるわね」
女は、呆れた声でそう言った。
「んー、なんで死んだかはわからないけど死んだなって感覚は残っていたからね」
今でも、覚えてるくらいだからな。
「ふーん、そんなものなのね」
私、死んだことないからわからないや。
女は、軽い口調でそう言った。
「そんなもんだ。ところでなんでこんなところに?」
生きてた頃読んでたラノベでは輪廻転生して活躍するって話だったからおれも輪廻転生てきなのに行くかと思ったけど
「あなたは、本来死ぬべき人ではなかったの・・・だから私が輪廻の輪から外したの」
女は、軽い口調でさらっととんでもないことを言った。
「なるほどね。その輪廻の輪ってやつから外れた場合はどうなるんだ?」
「そうね、輪廻の輪に戻すか私の眷属になるわ」
「眷属って・・・(汗)あんた何者なんだ?」
「私?私は女神」
女神ってぇとあの女神か?
「疑ってますね?」
「うん!」
俺は、満面の笑みで(自称)女神の言葉にうなずいた。
「うわーん!」
俺が信じていないことがよほどショックだったのか突然泣き出した。
「うるさい!」
わんわんとうるさく喚くので一発げんこつをお見舞いした。
「ひどーい!」
(自称)女神は、涙目で俺を睨んできた。
「黙れ!」
俺が殺気を放ったら(自称)女神はビクッ!なり震え始めた。
ほんとに女神かよ、威厳無さすぎだろ。
「悪かったわね!威厳がなくて」
私だって気にしてるのよ!といじけ始めた。
あれ?口に出したっけ?
「いいえ、口には出してないわよ?心を覗いたのよ」
覗き魔かッ!
「失礼ね、覗き魔じゃなくて女神よ」
覗き魔と言われたのが心外とばかり頬を膨らませた。
「しゃーねぇ、信じるしかないか」
ただの妄想やろうかと思ったけど違ったのか残念だ。
「あら、そんなことを思っていいのかしら?せっかくチート能力あげようと思ったのに」
なに?チート能力だと!?
チート能力あれば人生イージーモードじゃん!
「あら、てっきりチート能力あればハーレムやったぁ!とかと言って喜ぶと思ったのに」
そりゃあ、男だからハーレムも夢だけどそんなものは主人公か勇者に押さえ付ければいいだろ?
あくまでも、俺が望むのは脇役なんだからさ
「そう、そういう人もいるのね」
どうやら、女神は男の夢=ハーレムだと思っているらしい
あながち間違いではないが
「あまり、時間もなさそうだしパッパとチート能力と加護を与えるわね」
女神は、どこからとりだしたのか時計をみるとそう言って俺の方に歩いてきた。
そして
チュッ!
「!?」
平然とした顔でおれのファーストキスを奪った。
「これであなたも俺TUEEEE!の仲間入りよ」
いや、別に脇役でいいから
そんなの望んでないから
「ふふっ、あなたはいま完全にフラグ立てたわよ?」
む?そうか
問題ない
て、ゆーかさはよぉ異世界に飛ばしてくれ
「そうね」
女神はうなずくとおれの足元に大きな穴をつくった
「やっぱりこうなるのかよぉぉぉ!」
おれは、叫びをあげながら穴のなかに落ちていった。
「皇飛燕・・・あなたにさちがあらんことを願います」
わたしは、そうつぶやき祈りを捧げた。