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TS少女の異世界人生録  作者: 千智
俺が私になった理由
14/33

13 とりあえずの一歩

「ぅ……」


 目が覚めると同時に、(うめ)きがつい口をつく。

 部屋の明るさに目を徐々に開けつつ、周囲を確認する。

 何もなし。いつもの部屋。


『そういえば、あの赤髪の人の家に住んでる子がさー』

『そうなんだすごいね!』


 窓の向こうから聞こえる鳥の声。

 ちゅんちゅん鳴いているのかもしれないが、俺に聞こえるのは翻訳された言葉だった。

 どうでも良さそうなその返事に、くすりと思わず笑みが漏れた。

 眼が光に慣れて、ちゃんと開けられるようになると同時に欠伸(あくび)をした。


「ふぁ、ねむ……いっ! っつつ……」


 布団の中で身体を伸ばすと痛みが走る。そういえば、まだ怪我は完治していなかった。

 その事実を思い出すのを皮切りに、少しずつ寝る直前のことが蘇ってくる。

 昨日起きたのは昼ぐらいで、テオと色々会った後ベッドの上に倒れて寝た筈だ。

 なのに今は朝、そしてベッドにいるのは変わらないが布団を(かぶ)っているし、寝間着だって変わっている。

 一日以上は寝てないと思いたいが、半日は寝ていたことになる。

 あの時テオは父と母を呼んでくるといって部屋を出て行ったし、悪いことをしたな。


「それにしても……」


 夢のことだ。

 きっと昨日までなら、寂しさに思いを募らせていたに違いない。

 けれど今は懐かしむ、故郷(こきょう)を思う気持ちこそあれすぐにでも帰りたいと思わなくなっていた。

 そりゃあいつかは戻りたいし、帰りたい。でもそれは今じゃなくてもいい。心の整理がつけられた。

 きっとこれはテオのお陰だ。本来は年上の俺が一回り年下に男気を見せつけられるのは恥ずかしいことだが、精神的に参っていたから仕方がないということにしておこう、うん。


「いっ、っ……」


 起き上がろうとするとやはり腹部が痛む。

 母が致命傷だけ治したらしいが一体どうやったのか。回復魔法の原理がわからない。

 仮に手を当てた部分だけ治す事ができるなら内臓部位と一緒に骨も治っているはずだし。それとも、重傷の部分から順番に回復していくのだろうか。

 そういえば、腕や足の欠損もどういう扱いになるのか聞いてない。魔法が使えないからって聞かなかったが、今度からはそういったところも聞くべきだろうか。


 そう考えていると、ガチャリと思う間もなく部屋のドアが開く。

 そこから現れたのは今の俺の両親である父と母だった。

 二人とも俺と眼が会うと、ほっとした表情を浮かべる。昨日テオから聞いていただろうけれど、実際に起きている所を見ないと安心できなかったのだろう。そのことに罪悪感が募る。

 俺は俺の勝手な考えで、二人から娘を奪おうとしたのだ。

 俺を要らないだなんて誰も言ってない。落ち着いて考えればすぐにでもわかることだったのに、どうしてあの時は気が付かなかったのだろうか。

 どれもこれも精神状態が悪い。いや、結局俺が悪いんだけど。


「おはようございます」

「うん、おはよう」

「おはよう、リリィ。怪我は……痛みはどうだ?」

「腕とお腹がまだ少し痛いから、あまり動けないと思う」

「そうか……」


 俺がそう答えると、父は落ち込んだような素振りを見せる。というか落ち込んでいる。

 何を言うか迷うように唇を噛み締め、次に俺を見据えたかと思うと目線を下げた。


「本当に、すまなかった」


 父のそんな言葉を、そんな真剣な表情を俺は初めて見る。

 剣を教えるときは勿論真剣だし、昨日……一昨日? わからないけど森に行った時だって俺とテオに厳しく注意を促していた。

 しかし、今日のはそれらとは全く異なる、誠心誠意の謝罪だ。


 その声に何か答えるべきなのだろうなと考えて、早速疑問にぶちあたる。

 なぁなぁで話を進めても仕方がないし、正直に尋ねた。


「……何が?」


 小さく首を傾げる。謝られる理由が見つからない。

 俺達を助けられなかったというならまだしも、昨日のテオからしてきっと父があのオークから助けてくれたのだろう。

 だったら俺は感謝することはあっても、謝罪される覚えはなかった。

 そんな俺の様子を見て、父の傍らに立つ母は父を肘で軽く突いた。


「ほら、あなた。ちゃんと話さないと、リリィもわからないわ」

「ああ……ええとな、実をいうと俺の仕事にリリィとテオを連れて行ったのは、仲直りの為に俺が考えたことだったんだ」


 俺の誕生日から数日。俺がテオを顔を合わせるのが気不味(きまず)かったように、俺と会うのはテオからしても気不味かった。

 そこで相談をしたのが、俺の母。とりあえず好きなものか何かを聞こうとでも思ったようだ。

 しかし簡単に思い当たるものはなく、母は父と相談。そこで父は弱い魔物を寄せ付けない魔法具を持たせて(勿論俺には秘密)のピクニックもどきを提案したらしい。

 俺はテオより強いとはいってもあくまで女の子であり、危険のあるところで頼れる所を見せてやれば仲直りができるだろうという考えだった。

 しかし予想外だったのは低層に魔法具が効かないどころかそれに反応して襲い掛かってくる上位種がいて、碌な武器も持っていないのに俺達が戦いを挑んでしまったこと。

 偶然最初の咆哮が聞こえて運良く間に合ったからよかったものの、もう少し遅ければ預かっている他人の子供どころか自分の娘すらも失うところだった、と。

 父の言ったことを要約すれば、つまりこういうことだった。


「もしかしたら、大怪我どころじゃなかったかと思うと……本当にすまなかった!」

「ママからもごめんね。上位種が出現する確率と遭遇する確率を考えたら可能性は低いって考えたからママも何も言わなかったの」


 改めて、二人は頭を垂れる。

 それを聞き、見て俺はまた自己嫌悪した。

 そもそもといえば、俺がテオに八つ当たりをしたのが原因だ。それをテオに気をつかわせて、更に善意から仲直りをさせようと画策してくれた両親が自分が悪かったと頭を下げている。

 死にかけたのも何も全部俺が悪いのに、これで何も思わないほうがどうかしている。


「……リリィこそ、ごめんなさい」


 言葉は言わなければ伝わらない。言わないで察してもらおうなんて笑止千万。

 俺は今回、そのことを強く学んだ。

 例え自分が悪いと知っていても、謝らなければ意味は無い。

 自分を見て貰いたいと思っていても、自分からそれを言わなければ知ってもらえるはずがない。

 ……最も、俺はあなた達の娘に生まれ変わって前世の記憶がありますだなんて口が裂けても言えることではないが。


「リリィがテオと喧嘩しなければ、こんなことにならなかったから」


 迷惑をかけて、ごめんなさい。

 そう(つむ)いで、俺は眼を閉じて頭を深く下げる。少しばかり痛みが走るが、この程度どうってことない。

 俺の知る最上級の謝罪は土下座だが、あれは日本人特有の謝罪だし見慣れない人に対しては何もそこまでしなくともという罪悪感より許してしまうかもしれない。

 だから今の俺に出来る精一杯の謝罪は、ただ『良い』と言われるまで頭を下げることだった。


 一秒か、十秒か、一分か。十分や一時間ということはないだろう。

 しかし時間間隔がわからなくなるほどの緊張感と時間を経て、ぎしっ、とベッドが小さく歪む音がした。


「ねぇ、リリィ。頭をあげて頂戴?」


 眼を開けて顔をあげると、ベッドの(ふち)に座った母が手を伸ばして俺の頬を撫でる。

 これ以上ない慈愛(じあい)が込められたその笑みに見惚(みと)れていると、母の指は俺の目尻をそっと拭った。

 どうやら、知らぬ間に涙腺が刺激されていたらしい。最近涙脆(なみだもろ)くなったな、とぼんやりと思う。


「ママね、本当のことを言えば、少しだけ安心したの」

「え?」

「リリィは昔はよく笑ってたけど、剣の鍛錬をするようになってからあまり笑ったり怒ったりもしなくなったじゃない? 全くないわけじゃないけどあまり表現しなくなって、やっぱり早かったんじゃないかなってずっと思ってたの」


 嬉しかったり悲しかったりはあれど、笑ったり怒ったりはあまりなかった。

 それは自分(の外見)が魅力的になるだろうことを知っているから、感情を表に出さないようにという訓練の一環もあったのだけど、親から見れば心配になるのも当たり前だ。


「喧嘩をするのはよくない事だけど、リリィがそうやって怒ったりして安心した。子供はそうやって沢山遊んで、いろんなことをするのが当たり前。勿論あまりしてほしくはないけど、喧嘩だってそうよ。だから子供のリリィが、そんなことで私達に謝ることはないの」


 子供だから失敗してもいい。

 子供だから余計なことを考えなくてもいい。

 けれど俺は大人だ。身体はどうあれ、成人男性の精神を持っている。今まではそう思って雁字搦(がんじがら)めに縛られていた。

 しかしリリィもまた俺であり、生まれ変わったといえども今の身体は子供なのだ。自分を知って欲しかったというのに、誰よりも自分を見ていなかったのだから皮肉な話だ。


「リリィは、あまり手のかからないいい子だけど。もっと甘えて、もっといろんな顔を見せて? じゃないとママとパパは、寂しいわ」

「……うん」

「ええ。いい子、いい子」


 そう言うと母は俺の怪我に気を使ってか、触れるか触れないか程度に優しく抱きしめる。

 いや、違う。母じゃない。

 俺は今まで、母をリリィの母として見ていた。父についても同様だ。俺の両親は今でも父さんと母さんだけだと(かたく)なに思っていたのだから。

 だから、呼び名を変えよう。父さんと母さんとも区別する必要があるし、頭に『お』をつけるだけじゃ寂しい。

 ……お母さまとか? いや、ないか。

 俺が男だったらお袋だとか親父だとか色々あったのに、ここでもまた女という条件が邪魔をする。


 まぁ、いいか。

 思いつくまで、或いは呼び方を変えても自然になるまで、今のところはパパとママということで。少しだけ恥ずかしいけれど、今までそう思っていなかった罰として甘んじて受け止めよう。

 それを受け入れて俺はようやく、この両親の子となる。


「……よし、うまくまとまったことだし朝食にしよう! リリィもお腹が空いて」

「あなた? まだ終わってないわよ?」


 俺を抱きしめている母……じゃない、ママから底冷えするような声が出る。

 思わず俺も全身の毛を逆立て、小さく震えた。きっとその言葉を向けられていたらこれどころでは済まなかったに違いない。

 ママは何も言わず俺を抱きしめていた腕を解き、冷や汗をかくパパの方へと向き直る。その顔は紛れもない笑顔なのだが、なんというか、迫力というかそういったものが(こも)っていた。


「エ……エミリア? なんだ、そんな顔して?」

「あなた、私に言うことがあるわよね?」

「……な、なんのことだ? 覚えはない、が」

「そう? 私とあなたの思い出の場所を壊しておいて、何もいうことないの?」


 思い出の場所?

 俺が疑問に思うと同時に、パパは慌てて弁明をする。


「あっ、あれは違う! 俺のせいじゃない! リリィとテオがあそこで襲われたんだからしょうがないだろ!?」

「ふぅん、リリィとテオのせいにするんだ?」

「そういうことじゃない! ただ……」

「うん? ただ、何かしら。あなたが依頼のついでとか考えないで、こっそりと二人についていっていればこんなことにはならなかったんじゃない?」

「…………、ごめんなさい」


 ……ええと。

 話から察するに、テオがパパに教えてもらったというあの小さな広場は二人の思い出の場所だった、ということ?

 だとしたら悪いことをした。俺とテオにとっても不可抗力であって、どうしようもなかったけれど。

 でも例えば、プロポーズした場所とかだったら……うん。ママの怒りようもわからなくもない気がする。

 ママは笑みをより深めて、しかしその発している怒りのオーラは収めずに答える。


「よろしい。それじゃあ……ああ、そういえばそろそろ仕事の時間じゃない? ご飯食べてる時間もないわね?」

「え、それは」

「ないわね?」

「…………はい」


 がっくし、と肩を落とす。

 流石にこれは酷い仕打ちだ。父……じゃない、パパでもないのに。強いて言えばあのオーク(上位種?)のせいなのだからそれを討ち取ったことで帳消しにしてあげてもいいのに。


「それじゃ私はまだリリィとお話することがあるから、いってらっしゃい。ああ、あれはちゃんと私から事情を説明して渡しておくから、心配しなくていいわよ?」

「……わかった、行ってくる……」


 パパは捨てられた子犬のようにとぼとぼと、足取り重く部屋から出て行く。きっと耳と尻尾がついていれば落ち込んで下がっていたに違いない。

 俺はそんな彼に同情の眼を向けつつ、扉を閉めるその時までパパを見送った。

 パタン、と扉が閉じて数秒。オーラを消したママが先ほどと同じ笑みでこちらを向く。


「さて、じゃあリリィ、少しだけお話しましょうか!」

「…………」


 こくこく、と二回頷く。

 今まで知らなかったけれど、この家のカーストはどうやら父より母の方が強いらしい。

 怒らせたら怖いタイプ。なるべく怒りを買わないようにしようと俺は心に誓う。


「あ、その前に一ついいかしら。これに答えてくれたら、怪我を全部治してあげるわよ?」

「……いいの?」

「ええ、両手で数えられるぐらいなら全部治しても問題はないし。それに、どっちにしても治さないと困ったことになるから」


 うん? と疑問に思うよりも早く、ママからの質問が俺に向かって飛んできた。


「テオにちゃんと謝って、仲直りしたの?」

「……あっ」


 前言撤回。これからは絶対、怒りを買わないようにする。

 笑みを更に深めたママ……否、お母様を見て俺は心からそう思った。


 ☆


 昼過ぎ。こんこん、と扉につけられたノッカーを鳴らす。

 少しすると足音が内側から近づいてきて、扉が開かれた。


「はい、どなた……って、あなたは…………わかった、テオドールね。少し待っててね」


 こちらを見て用事を察したのか、テオの(推定(すいてい))お母さんは扉を閉めて足音を荒らげて家の中へと消えていく。

 会話の内容は聞こえないが何か話していることが聞こえたその少し後、今度も慌てた様子の足音が、しかし先程より幾分か軽いそれが近づいてきてその勢いで扉を開く。


「またせた、リリィ! お前動いてだいじょう、ぶ……!?」


 慌てて出てきたテオは続いて驚愕し、眼を見開いく。

 それも当然のことだろう。きっと俺……いや、わ……私だって驚くだろうと思う。


「なっ、なんだその格好!? スカート!?」


 私は、テオから眼を逸らす。きっと今の顔は恥ずかしさに真っ赤になっていることだろう。

 そう、今のお……私はスカート、ワンピースタイプのそれを穿()いていた。ただ只管(ひたすら)に足元がすーすーして、落ち着かない。


 それもこれも、全部あのママ()のせいだった。


『約束通り、怪我は治すわ。けど、ちゃんとテオに謝って来なさい。いつもの服じゃダメよ、ちゃんとママが用意してあげるからね』


 それだけで済むのならと一も二も頷いたのがまずかった。

 用意されたのは白のワンピース。袖がある分まだよかったかもしれないが、生まれ変わって初めての体験だった。

 いや、前世でもやったことなんてないけど! ないけど!

 そして着る服をみて硬直した私をささっと着替えさせて家を追い出す直前、母はついでのように言ったのだ。


『そういえば、リリィ。リリィは女の子なんだからちゃんと『私』って言わないとダメよ? 今度から『俺』なんて言ったら怒るからね?』


 なんで知っているのか。俺は両親の前では自分のことは名前で呼ぶようにしてたし、自分のことを俺を口に出したのはテオと喧嘩した時ぐらいだ。

 そう思った瞬間に怖気(おぞけ)が走った。どうやらこの母上様は、思っていることにまで干渉してくるらしい。

 恐怖を植え付けられた俺……じゃない、私には(あらが)(すべ)などあるはずもなく、その言葉に従うことしか出来なかったのだ。


 しかし前世を含めて三十近く続けてきた一人称を直すのは中々に難しい。スカート(ワンピースだけれど)を履いて更に思ったのは、猛烈な違和感。それはやはり、心も男だということだった。

 で、あるからして。今の私は男友達に女装(じょそう)姿(すがた)を見せている気分であり、禄に目線を合わせることが出来ないのも当然だろう。


「…………」

「…………」


 沈黙が降りる。

 手に汗が(にじ)む。それを()くように、私はスカートの端を握りしめた。ごくり、と緊張を(ほぐ)すように(つば)を飲み込む。

 小さく深呼吸をして、顔を持ち上げると同時に口を開く。


「なぁ!」「あの」


「っ!」「ぅ……」


 テオと私の声が重なり、二人して出鼻を(くじ)かれた。再び、顔を逸らす。

 再び沈黙がその場を満たし、発散しそこねた言葉はぐるぐると身体の中を(めぐ)る。

 言わなきゃいけない、言わなければならない。そう心の中で思っているのに言葉が出てこない。どこぞのゲームにある魔法ではないけれど、現状からして『沈黙』そのものにも途轍(とてつ)もない威力があるような気がした。


「あの、さ」


 それを打ち破ったのはテオだ。

 驚きに顔をあげると、テオもまた顔を赤くして俺に焦点を合わせていなかった。

 が、その口はしっかりと言葉を(つな)ぐ。


「この後、遊ぶ予定があるんだけどさ……よければリリィも来るか? 他の奴には俺がいうからさ」


 その姿に、小さな頃の姉を思い出す。

 インドア派の『俺』を無理につれだして、自分の友人達と共に遊ばせてくれた姉のことを。

 テオのなんとなく不器用なその誘い方がその姿と重なって、不意に笑みが落ちた。


 今なら言える気がする。

 その直感に(したが)って、私もまた口を開く。


「テオ」

「……なんだよ」

「その。ええと。……うん。わ……私は、テオに言わなきゃいけないことがあるの」


 私、と自分のことを言ったことに対してか、驚くテオを余所に私は続ける。

 先ほどまで出なかった言葉は、予感した通り嫌にすんなりと口から(こぼ)れ落ちた。


「あの時は、ごめんなさい。あと、それから……」


 とりあえず、まずは目先のことから順番に。

 後のことはそれから考えても遅くはないだろう。


「誘ってくれて、ありがとう。お願いしても、いい?」

「……! ああ、勿論!」


 今日は、きっといい日になる。

 テオの満面の笑みをみて、柄にもなくそう思った。

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