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初夜に「君を愛することはない」と言ってみた

作者: ぺいた
掲載日:2026/06/23

おげひんかも…

結婚式を終えた晩、俺は夫婦の寝室でベッドに座っている妻にむかって


「クラウディア、君を愛することはない」


と言った。


「なぜですか」


聞くのかそれを。神経図太いなオイ。


「だって君、他に男いっぱいいるでしょ」


「ぎく」


「ぎく、じゃないよ。第二王女の君が派手に遊んでいたことは、貴族ならほとんど知ってるよ。それで、ほんとなら王族と結婚できるわけがない身分の、伯爵家の俺に嫁がされたんだろ。そんでもって、これからも前の男との関係は続けるつもりなんだろ」


「もちろんよ。でもせっかく結婚したんだから、あなたとも褥をともにしてあげようと思っていたのに」


「いらないよ。君は好きなように暮らしていい。といっても王家のようにお金は使わせてあげられないけど。子供ができたら俺の子として育てよう。だけど俺は君を愛せない。それだけだ」


「わかったわ。同居人としてよろしくね」


「ああ」


素直に納得してくれてよかった。

実は、俺が彼女を愛せない理由は、男遊びが派手だからだけじゃない。

そのせいで病気にかかることがわかっていたからだ。


俺は転生者で、この世界が前世で読んだ小説と同じであることがわかってる。

そして俺は、今から2年後、妻から性病をうつされるのだ。

この、抗生剤のない時代に!

妻はその後寝たきりになる。その妻を死ぬまで看病するのがこの俺だ。


小説では、美しかった妻はひどい見た目になるが、夫は献身的に看病する。妻は脳もおかされ、会話もままならなくなり、子供のように甘えるようになる。そして夫は「やっと妻が私を見てくれた」と涙するのだ。


バカか。


こんな妻を大事にできるかよ! 病気までうつされるんだぞ!

愛せるわけないだろ!


そういうわけで、「病気をうつされたくないから」という理由での「君を愛することはない」であった。

よく言った俺! 

童貞のままはつらいけど、妻が病気になったら、とっとと王家に返品して、新しい妻をもらうんだー! それまでの我慢だー! 


◇◇◇


それから10年。うちには顔の違う4人の子供がいる。

妻もピンピンしている。


たぶん、俺の他にも転生者がいたのだろう。

この時代に抗生物質を発明してしまったのだ。

そのおかげで、妻は病気も治り、元気に浮気をくりかえしているのだ。


誰か助けて…! 俺、童貞のまま人生終わっちゃうー!


5人目を妊娠している妻を横目で見ながら、俺の心の叫びがむなしく頭の中でこだまするのであった。

かわいそう。

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― 新着の感想 ―
かわいそう過ぎるwwwwwwwwwwww かみさまー!なんとかしてあげてー!!!
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