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ボクっ娘幼なじみが本命の最強美少女パイロット、女心を学ぼうとして全部間違える 〜女の子とデートしまくれば百合が理解できるよね(???)〜  作者: そらいろきいろ
001 / レクセルより愛をこめて

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#1 罪深き少女、その名はレクセル

あまりギスギスしない、おバカな百合です。

たまにトップガンや007くさくなります。

10万文字の完結まで書き終えていますので、安心してお読みください!


 とある地方都市ソフィア。

 太陽が沈み、ガス灯が照らすアスファルトの道を、仕事帰りの人々が行き交っている。

 

 疲れて猫背気味な人混みの中を――――颯爽と歩く少女が1人。

 姿勢がよすぎて、すごく目立ってる奴がいた。

 

 彼女の名はレクセル。主人公である。


 プラチナのロングヘアが、さらりと肩を撫でる。

 軽く手で払うと、その横顔があらわになった。

 

「うわぁ……綺麗なひと……」


「おお」


「うお」


 すれ違った人々が思わず呟く。

 無意識のまま立ち止まり、目で追ってしまう。

 

 スカイブルーの瞳に、すっと伸びた鼻筋。

 妖精のような美貌を見つめていると、さすがにレクセルは振り向いて――――。


「…………なんですか?」


 少し尖った視線で尋ねた。

 

「あっごめんなさい……!」


 慌てて視線を逸らす者。

 しれっと無関係を装う者(今更遅い)。

 目を奪われたままの者……。


 レクセルは放っておくことにした。


 知らぬうちに3人の男性(おぉっ♡)、5人の女性(まぁっ♡)、1匹の犬(ワオンッ♡)を虜にしながら、街灯が並ぶ下をこつこつ進み、信号を渡る。

 

 ぐおおんと頭の上を通り過ぎた飛行機を見上げながら、角を曲がると。


 ――――目の前で、若い男女が揉めていた。


「――――いいじゃん、ご飯奢ってあげるからさ!」

 

「だから、ボクは人と待ち合わせしてるんだって! ナンパなら他の子を当たってよ!」

 

「お、ボクっ娘? いいね、ほんの少しだけ付き合ってよー」

 

 ボーイッシュな少女が迷惑そうに身を捩る。

 ツンツンな毛先の、真っ黒なウルフカットがばさりと揺れた。

 

 見覚えのあるその姿に、レクセルはチッと舌打ちをして、つかつかと歩み寄る。

 2人の間に割り込んで、がしっと少女の肩を抱いた。


「――――私の連れになんか用?」

 

「レクシー!」

 

「ごめんハレー、遅くなった」

 

 ぱあっと笑顔を咲かせる少女――――ハレー。

 男は一瞬呆気にとられていたが、すぐにヘラヘラ笑いを取り戻す。

 

「なーんだ、相手も女の子じゃん! なら3人でご飯行こうよ――――って」

 

「…………?」

 

「キミめっちゃかわいくね!? ねぇオレと付き合ってみない?」

 

「見境のないヤツは嫌い。それに私、この子と付き合ってるから」

 

「「えっ」」


 男は驚いた。

 ハレーも驚いた。

 付き合っていないからである。


 ……もしかして、ボク記憶喪失? ボクってレクシーと付き合ってたのかな。

 割と本気で悩み始めたハレーを、レクセルは無理やり引っ張る。キッと男を睨みつけた。

 

「そういうことだからどっか行って。ほら行こ、ハレー」

 

「う、うんっ……!」


 どことなく嬉しそうに、ハレーが応える。

 ばたばたと去っていく2人を、男はぼーっと見送っていた。

 しばらくして、ぼそりと一言。


「ボクっ娘百合BSSぼくがさきにすきだったのにも悪くねーな……」


 ――――男は新たな扉を開いた。






「あのぉ……レクシー」

 

「ん、どうした?」

 

「ボクたちって、いつから付き合ってるんだっけ……?」


 レクセルはぽかんとした。

 目をぱちぱちと瞬いて、あぁさっきのことかと思い至る。


「……嫌だった?」

 

「ううん嫌じゃないよ! えへへ、むしろ付き合うならレクシー以外考えられな――――」

 

「たしかにナンパ避けとはいえ、冗談で付き合ってるとか言うのはよくなかったな……」

  

「――――あふぇ?」

 

「ごめんハレー、私が軽率だった」


 緩んだ口元を直しきれず、ハレーが腑抜けた声を漏らす。

 脳内で繰り広げられていたウェディングシーン――それも誓いのキスの場面――がぱちんと弾けた。

 現実は非情である。  


「じ、冗談……? 付き合ってないの?」

 

「? 当たり前だろ」

 

「…………な、なぁんだ! あはは、そうだよね! なーんだぁ」


 あせあせと笑うハレーは、すこし残念そう。

 ごくりと喉を鳴らし、手を握りしめる。

 冗談ではあったけれど、と自分に言い聞かせてから、こっそり考えた。


 ――これってレクシー的にも、ボクと付き合うのはアリ……ってことだよね?


 ドキドキ、心音が大きくなってくる。

 隣のレクセルに聞こえてないか不安になりながら、ハレーは決意した。


 ――――今日の夜、想いを伝えよう。


「――――レー。ハレー?」

 

「ひゃ! なっなに、レクシー?」

 

「なにって、家着いたけど」


 大丈夫? と覗き込んでくるレクセル。

 ハレーはぶんぶん首を振った。


「大丈夫っ! 考え事してただけ!」

 

「そっか」


 それ以上気に留めた様子もなく、レクセルは玄関のドアを開ける。ほっとしたハレーも後に続いた。

 

 ばたんと閉まったドアの表札は、2人分の名前が書かれている。

 レクセルとハレーは幼なじみ。

 親友同士、仲よく一緒に暮らしていた――――のだがそれは今日までのことである。

 ハレーは爆弾を落とそ(告白しよ)うとしていた。

読んでいただき、ありがとうございます!

本日は世界観や雰囲気がわかる3話まで更新!

次は18:00、19:00です!

面白いと思っていただけたら、ぜひブックマークをお願いします。


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