癒し?
それからしばらくして、俺は漸くシーの街に到着した。
さて、どうやって月夜を探すか。
とか考えていたら、
「バセット!」
背後から誰かが腰にぎゅっと抱きついてくる。まあ、誰なのかはわかってるが。
「月夜」
振り向きながら名前を呼ぶと、相手はにぃーっとした笑みを返してくる。
こいつの顔見て安心する日が来るとは·····。なんか悔しいな。
月夜はじろじろ俺の顔を見て、
「三日分くらい老け込んだような顔してる」
「それあんまり変わってなくないか?
まあ良い。こっちは色々あってだな···」
「うん。見てた」
「変な吸血鬼に·······は?」
「あたし、姿消せるから
ずっとバセットの後ろにいたの」
·····理解が追い付かない。俺はこめかみを押さえる。
言いたいことはある。色々。
でもとりあえず、聞く。
「なんでそんなことを」
「シーシェに会うのが嫌だったから」
月夜にしては珍しいことを言う。
「あいつ、嫌いなの
殴っても蹴っても喜ぶ奴だからいたぶっても面白くないのよ」
その判断基準もどうかと思うが。
「でも、嫌ならわざわざあの道を通らなくても良かっただろ」
シーシェの城を迂回することも出来ただろうに。
俺がそう言うと、月夜は満面の笑みで答えた。
「あいつに絡まれるバセットは見たかったから!!」
「······」
こいつが一番性質悪かったわ。




