表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
影踏みのルミナス  作者: antild


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

9/67

黒い影との遭遇

冷たい風のような、しかし確かに“感情の重み”を伴った衝撃が透を襲う。


 胸の奥が一瞬にして乱され、吐き気がこみ上げる。


 ――打ち込まれたのは、強烈な“恐怖”。


 透はとっさに壁に手をつく。


(くそ……押し返さないと……!)


 透は意識の深部で、感情の流れを握る。

 自分の心を守るため、影から流れ込む恐怖を“そらす”――

 だが、影はしつこく追いすがってくる。


「透!後ろ!」


 凪が叫んだ。

 振り返ると、影の別の腕のようなものが透の背に伸びていた。


 透は反射的に精神を集中させ、その腕を弾き飛ばすように“拒絶の感情”を流し込む。


 影はぐにゃりと形を崩し、後退する。


 凪は無表情のまま言った。


「やっぱり。“上書き”ができる」


「……上書き?」


「あなたの感情を相手にぶつけて形を変えた。

 それは、読み取るだけの能力じゃ無理」


 透は息を切らせながら影を睨む。


 その影の中心にある“瞳”が、苦しげに揺れた。


 まるで助けを求めているように、弱々しく。


 透は息を呑む。


(……こいつ、本当に“ただの怪物”じゃない)


 透の頭に、凪の言葉が蘇る。


「喰感者の正体は、負の感情に飲まれた普通の高校生」


 影の奥。

 そこに誰かの“心”が沈んでいる。


 透がその気配に意識を向けた瞬間――


 影が激しく震えた。


「……来るわよ、透!」


 次の瞬間、影は校舎全体を揺らす勢いで膨張し――


 透たちの視界を闇で覆い尽くした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ