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凪の本音
凪が透の前に立った。
「透。
アインの言葉は半分正しくて、半分間違ってる。」
「……半分?」
「透の力は確かに世界に影響する。
それは事実。
でも――」
凪は透の胸に手を置いた。
「力が“世界に必要だから”透が必要なんじゃない。
透自身が必要なんだよ。
透の意思なしに“導かれる”なんて違う。」
凪の言葉は、誰よりも静かで力強かった。
(凪……
お前は……俺の“力”じゃなく“俺”を見てくれる……)
胸の奥が熱くなる。
しかし陽斗は眉を寄せて凪をにらむ。
「凪……てめぇ、透に変なこと吹き込むなよ」
「これは透の人生よ。
あんたが決めることじゃない。」
「俺は透を守ってんだよ!」
「守るだけじゃ透は幸せになれない!」
「なんだと……!」
二人の間に火花が散る。
透は二人を止めようとしたが、言葉が追いつかない。
(俺のために……
陽斗と凪が争ってる……
こんなの……望んでないのに……)




