58/67
陽斗の選択 ― 「透を引き戻す」
透の暴走の中心で、陽斗は透を抱きしめ続けた。
「透!!
お前はな……!!
俺が生かしたんだよ……!!」
透が目を見開く。
「…………え……?」
「透を生かしたのは“コーラス”じゃねぇ。
お前の家族でもねぇ。
“俺”だ!!
俺が透と出会って……
透を大切だと思って……
透が必要だって思って……
だから透は今ここにいるんだよ!!」
透の影が一瞬だけ揺れ、乱れた光が止まる。
「陽斗……
それ……どうして……」
「理由なんて知らねぇよ!
でも――
お前がいなきゃ俺が壊れる!!
だから透、お前は……!」
陽斗は透の頬に手を添える。
「俺のために、生きてろ!!」
透の暴走光が爆発し……
一瞬で消えた。
透は陽斗の胸に崩れ落ち、
そのまま深く息を吸った。
「陽斗……
俺……生きてて……いいのか……?」
「当たり前だろ……
バカ……」
陽斗の声は震えていた。
顔は涙で濡れている。
「生きてろよ……
俺の隣で……」
透の目から、初めて涙が溢れた。
「……ありがとう……陽斗……!」




