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屋上に戻った二人
夕焼けの残光が差す屋上。
透と陽斗は倒れ込むようにして元の身体へ戻った。
「……戻ってきた……?」
「たぶん……な」
陽斗の呼吸はまだ荒いが、
その表情にはどこか晴れやかなものがあった。
凪が駆け寄ってきて、透の肩を掴む。
「透!陽斗!
本当に……無事なの!?」
透と陽斗は互いの顔を見て微笑む。
「うん、大丈夫」
「凪。助けてくれてありがとう」
凪は胸を撫で下ろし、小さくため息をついた。
「……本当によかった。
二人とも戻らなかったら、私……」
その声が少し震えていることに、透は気づいた。
(凪……心配してくれてたんだ)
陽斗がゆっくり立ち上がり、凪に頭を下げた。
「ありがとな、凪。
変な影が俺の背中に潜んでる時、ずっと見張っててくれたんだろ?」
「見張ってただけよ。
別に心配したわけじゃない」
相変わらずのそっけなさ。
だがその頬がわずかに赤いことを、陽斗も透も見逃さなかった。




