光が影を打ち砕く
「馬鹿なぁああああ!!!!」
アクトの影がうねり狂い、
光を押し戻そうとする。
だが――遅い。
透の光は“陽斗の光”と完全に重なり、
アクトの影を押し返した。
光と光が混ざると、
その輝きは単なる倍ではなく“無限”へと跳ね上がる。
「ぐあああああああああ!!!
何だ……この力はぁあああ!!」
「陽斗の心だよ!!」
「そして俺の心も!!」
二人の声が響き渡り、
光の波がアクトの影を焼き尽くす。
「やめろぉぉぉぉぉぉ!!!
まだ……まだ僕は……!」
アクトの叫びは光に溶け、
影の体は崩れ落ちて消えていった。
精神世界に、静寂が降りた。
光が落ち着くと、
透と陽斗はゆっくりとその場に座りこんだ。
陽斗は深呼吸しながら言う。
「透……
俺、お前に全部見せちゃったな」
「見せてくれてよかったよ」
「透……
俺……お前を……」
そこまで言いかけて、
陽斗は言葉を飲み込んだ。
透は、陽斗の手を握った。
「言わなくていいよ。
陽斗がどう感じてても……
俺は隣にいる」
陽斗の目から涙が落ちる。
「透……
お前……ほんと……ずりぃよ……」
「そうかな?」
「そうだよ……
そんな言い方されたら……
俺……」
陽斗は透の肩に顔を埋めた。
「お前の隣に……戻りたくなるじゃねぇか……」
透は静かに陽斗の背に手を置いた。
(陽斗……
お前の心……あったかいよ)
二人はしばらくそのまま、
心の静けさを共有した。
アクトは倒した。
だが、まだ“終わり”ではない。
彼らを狙う存在はまだいる。
異能者の組織の影も消えたわけではない。
しかし今だけは――
陽斗の心は、透の隣で静かに息をしていた。




