選択の夜明け
凪は透の肩に手を置く。
「透。
あなたは逃げなくていい。
陽斗の心は強い。
あなたと向き合う力を持ってる」
透の胸の奥にあった恐怖と罪悪感が、
ゆっくりと溶け始めた。
(陽斗の心は……弱くなんかない。
俺が勝手に“守らなきゃ壊れてしまう”と思い込んでただけだ)
透は陽斗の方へ歩み寄る。
「陽斗……
俺は、お前の心を奪ったりしない。
お前の気持ちを決めるのは、お前自身だ」
陽斗の目に光が宿る。
「透……」
「だから……俺を信じるかどうか、
“選んでいい”。
俺はそれを受け止める」
陽斗の胸の奥で、温かい光がゆっくりと渦巻き始めた。
「……透。
俺は……強くないぞ?」
「知ってるよ。
でも、それでいい。
俺だって強くなんかない」
陽斗の喉が震える。
「透……
俺は……お前を――」
その言葉が、影の咆哮で遮られた。
「やめろォォォ!!!」
アクトが闇を膨張させ、屋上が黒に染まる。
「陽斗の心に光を戻すな!!
陽斗の孤独は……僕のものだぁぁぁッ!!」
透は陽斗の手を握り、叫んだ。
「陽斗!!
お前の心の光を――
俺と一緒に取り戻すんだ!!」
「……ああ!!」
二人の手が強く結ばれ、
凪が後ろで霊的な結界を張る。
光と影が激突し――
屋上全体が白い閃光に包まれた。




