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影踏みのルミナス  作者: antild


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放課後へ落ちる影

放課後。

 校内放送が流れ終わり、生徒たちが帰り支度を始めるころ。


 透は鞄を持ち、廊下に出た。

 陽斗はサッカー部の練習があるので先に別れた。


 廊下には人影が少なく、夕日の色が差し込んで長い影を作る。

 階段を降りようとしたそのとき――


 ふと、空気が揺れた。


 ざわ、と。

 耳ではなく“心”に直接触れてくるような、奇妙な乱れ。


 透は立ち止まる。


 ――誰かの感情が、大きく崩れている。


 そう直感する。

 遠く、校舎の奥。

 そこには一年生の教室が並んでいる。


 朝の噂が脳裏に蘇る。

 意識が飛び、混乱して泣きだした生徒。


 ――まさか、本当に?


 透は迷った。

 関わるべきではない。深入りすれば、自分の力が露見する可能性がある。


 しかし、胸の奥から強く引き寄せるように、誰かの“助けを求める色”が流れ込んでしまう。


 助けたいと思う気持ち。

 それすら能力の作用なのか、透にはわからなかった。


 だが、一歩踏み出す。

 その瞬間――


 背後から声がした。


「……神代先輩、ですよね」


 透が振り返ると、そこには一年生の女子が立っていた。

 目が赤く腫れ、制服は乱れている。


 そして彼女の感情の流れは――まるで壊れたガラスのように、裂けていた。


「助けて……また、“あれ”が……」


 透の心臓が強く跳ねた。


 ――“あれ”?

 何が起きている?


 そして、彼女の感情の乱れ方は、明らかに誰かが無理やり心を捻じ曲げた跡に似ていた。


 透は戦慄した。


 自分以外に、こんなことができる存在が――この学校にいるのか。

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