今日の麦生は何人目?
俺の名は、樽酒 麦生。
ここからはハッピーな時間。
つまり、俺が安い男になる時間でもある。
今日は素敵な出会いがあるだろう。
「はじめまして、お店は初めてですか?」
「あぁ、今夜はよろしく」
彼女は、枝 豆子。
かなりのベテランらしい。
だけど、今宵の君はとてもフレッシュさ。
「私は、どうせ…とりあえず要員なの」
彼女は、悩みを打ち明けて来た。
ファーストかヘルプで着く事が多いらしい。
俺はどんな女の子でも、合う男だ。
「大丈夫、今日の君は素敵さ」
「麦生さん!嬉しい!」
今夜の俺は、まだチェリーなのさ。
初めてを、豆子と過ごす。
シュワ~
溢れ出る泡と、塩味が効いたお豆が出会う…
それはハーモニー。初夜の奇跡。
さぁ、どんどん行こう。
今夜はまだ、始まったばかりだ。
「こんばんは、お兄ちゃん!」
「あぁ、よろしく」
次の彼女は、冷 奴子。
クールな見下す視線で、あざとく笑う。
俺は既に2人目だ。今夜はペースが早いな。
「豆子さんはまだいいよ…」
「悩みがあるなら、聞くぜ?」
「私は、ほとんどリピートされないよ?」
豆子はヘルプだが、何度もお呼ばれする。
彼女のお呼ばれは一度きりだと愚痴を零す。
2人目の俺はとてもクールな俺だ。
「一度きりでも素敵な出会いさ」
「麦生さん!貴方はクールね!」
俺はエクストラ。そしてコールド。
冷たさと冷たさが出会い、それは熱になる。
シュワ~
冷えた躰と、微かな薬味で鼻腔をくすぐる。
それは二人だけの、一度きりの出会い。
ハッピーな時間が終わる…
その直前で、俺は3人目になった。
「お兄さん、そんなに酔って大丈夫?」
「問題ないさ…よろしく」
今度の彼女は、串 盛子。
彼女の頭部は、沢山の簪で彩られている。
「私、宴会要員だから…バラバラなのよ」
奴子は綺麗に食べて貰えるから妬ましいと…
バラバラにされた心で、彼女は涙する。
俺はバラバラなんかにしない。約束する。
「君を綺麗に食べたい。それが俺さ」
「麦生さん!ありがとう!」
そのままの彼女を頂く、それは至上の喜び。
独り占めしてこそ、彼女は輝く。
シュワ~
様々な肉と汁との出会い、苦味と麦の香り。
今宵の主役は君さ。何度も躰を重ね合う。
流石にペースが早かったのか?
素敵な出会いが多く、少し目眩がする。
「ふふっ…私はこのお店のNo.1なのよ」
「それは凄いな。よろしく」
強気な彼女は、八木 餃子。
自信に溢れたオーラから強い刺激を感じる。
既に俺は、6人目。でも出会いは大切さ。
「私はこの店の看板よ?弱みなんて無い」
「嘘だ。明日が早朝会議でも、俺は愛せる」
「なんでもお見通しなのね…参ったな」
他の女の子と違って、彼女は翌日次第だ。
でも、そんなのは関係ない。そう励ます。
微笑んだ彼女の瞳には、自信が溢れていた。
「さぁ、一つになろう」
「麦生さん。貴方、凄くドライね…」
俺はスーパー。ウルトラセクシーなドライ。
ハードボイルドな俺が、彼女を包み込む。
シュワ~
溢れる愛液と乾いた泡達、強い刺激と刺激。
彼女と俺が交わる時、それは幸せになる。
…濡れ場が続いて、足腰がフラフラだ。
俺も、もう8人目。限界は近い。
「お隣いいかい?」
「俺は男でも、来る者は拒まないぜ」
彼は、高 玉男。
早い俺と違って、彼はリリーフエースだ。
ヘタすりゃ俺は、1人目で終わる事もある。
「やらないか?」
「ウホッ!いい男…」
彼の、はだけた胸元が俺を誘う。
シュワ~
2人が出会い、駆け込む男子トイレ。
そこに咲くのはレインボー。
店員さん、ごめんなさい…
チャンポンはヤメた方がいい…教訓だ。
俺は9人目。最後の出会いを楽しみに待つ。
「こんばんは。締めに呼ばれたわ」
「あぁ、よろしく」
彼女は、博多 麺子。
ダイナマイトでわがままなボディが誘う。
イケナイ事と、分かっていても止まらない。
「最近は、飲みでお呼ばれしないの」
「俺は大丈夫さ。君は別腹だ」
「気にしないのね。麦生さん好きよ…」
豚骨の香りと、紅に染まったアクセント。
縮れた彼女は、とても多く濡れている。
シュワ~
明日の朝には後悔が待つだろう。
でも、彼女達との素敵な出会いを求めてる。
…そこに、俺がいる限り。
酔った勢いのテンションはおかしいな。
朝みたら、文章が出来上がってました。
どうしようも無く、くだらない内容ですが…
妙に、構成とオチまで纏まってました。
せっかくだから公開(後悔)しようかと。
銀河の黒歴史がまた1ページ…