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登校途中に繋がった異世界からやんごとなき方として戻ってきてしまった話  作者: kaioosima
第四章 ファンタジーと現実の常識が同じとは限らない
48/50

048 全ての創造は何かしらの模倣と言うけど…

自慢ではありませんし作中の話には関係ありませんが、筆者は今回出てくるあるキャラに名前が似た、あの爬虫類大好きである有名な動物番組にもよく出ていたあの先生が、筆者の地元の島で講演なされた時に聴衆として参加し、二回くらいも質問したり、握手をしたこともあります。

 ○2023年4月19日昼(神訂暦6015年4月19日昼) 日本国 鹿児島県南部 海士臣(あまとみ)島 海士臣市 異空間混在化地帯 日本・異世界仮共同管理区域内 ジブラルタル学院 山崩れ現場一角○


「こらー! この爬虫類臭むんむんなパラダイスな島でなにをしているのですかー! ポイ捨てする子はこの生物学者の“万蛇石(まんじゃごく)波布一(はぶいち)”が許しませんよー!!」


 オルガナによるコクトー破壊の巻き添えで破壊された海士臣島の森の中より、、探検家のような恰好をした人間サイズの蛇の身体をして眼鏡をかけたその新たな来客であった。


「え? 何? 今度は〇うぶつ奇想〇外の千〇先生のパチモン系パロディ?」


 その姿にミハイルは微妙な意味で見慣れたものに対する生温かい眼差しを添えたメタ発言を出した。


「む? おいミハイル、あの人達の背後…何やらクイズ番組とかでも見そうな備品やテーブルに飾りつけが多くあるぞ」


 更に、ジークフリードが気づいたそれらがミハイルの記憶をますます微妙な感じで刺激していく。


「何か私達の世界のどこかの番組の収録ですかね?」

「ん? 光代…あそこになんか番組名を示す看板が…」

「あ、本当ですねジャイナさん。名前からしてあれじゃないですか? 帝国でも漂流電波で時々見られた…ここ地球の番組のどうぶつ奇想天が…」

「いやいや、看板をよく見るんだ。これはあれのパロディだ。“生物(ナマモノ)奇天烈言外”…何かどっかの南国少年系ネタも混じってるだろ名称に…。そもそも元ネタだろう番組はとっくの昔で終わってて…」

「プロデューサー! 重要な機器や設備は先ほどの衝撃の影響がないのはわかりましたー! ゲストの方々やスタッフの皆さんも無事です! スタジオも先ほどの破壊のはカメラの位置調整でごかませそうですー! 番組は続けられそうですー!」

「そうか! じゃー行くぞー!」


 その記憶も交えてミハイルとその周囲が元ネタだろうあれこれ云々についてまたグダグダな時間に入ろうとしたその時、その今回の問題になりつつある者達から邪魔するような声が割り込んできた。


「…それでは予期せぬお客様達が来られましたがその方々もお客様に加えて! 最初のクイズをお出しします! この島に住んでいる“ハブ”と言う生物はどのような生物なのか挿絵付きでより詳しくお答えください!」

「いや、その答えは目の前にあるでしょ」


 そして、神訂暦世界由来の高度な魔術や映像機器による派手な効果音や空中投影式CGを背景に、でかでかと繰り出されたこの地では初歩的過ぎるその問いと、それを投げ掛けてきた万蛇石(まんじゃごく)に、ミハイルはシレっと指摘するが周囲は聞こえなかったのか無視しているのか話を進めていく。


「ははははい! わわわ私のが書き終わりましたよー!」

「おお! 虫人(インセクター)族きっての敏腕司会のノミ・ムシタさんが最初に書き終わったようですねー!」


 そこで、妙に黒光りした肌とノミのような長い口に腕が四本あって、何処かで聞いたことがあるような名をした高齢と思わしい、人間を基本としつつも昆虫の要素を足したようなその男性が、年齢からくる震えに包まれた手でスケッチボードを裏向きでたててきた。


「あ、たしかあの人は先生の自宅で見たテレビ番組で久々に出て立って話の腕利きの視界さんに似ていますね。確かみのも―――」

「こんな弱小SSなんか見るようなお方じゃないだろうけど一応その続きは言っちゃいけない。今は闘病中の方なんだから」

「―――ぁう…」


 ノミ・ムシタに光代が危ない発言を自覚なくしようとするも完成する前にミハイルによって塞がれる。


「…こーの縄か紐でででーぎゅうぎゅうに縛られた子でしょおおお~~。いやーわわわ若い子ほどおお血が美味しいんだよねぇええ…」

「あんたが言おうとしてるのはハブじゃなくてボンレスが付く方のハム! しかも縛られているのはまだ生きてる方じゃねえか! いい齢して何してんだ!?」


 だが、そのノミ・ムシタが見せたスケッチボードに書かれていたのは、身を縄か紐で危ない結び方で縛られた女性が大きなストローのようなもので血を吸われている最中の姿で、万蛇石は舌を出して唾を巻きながら口汚く不正解にした。


「はいはーい、じゃー次は私が書き終わったわー」

「おお! 今度は銀河連盟児童保護機関で友好大使をなされていた白鷺(しろさぎ)没子(ぼつこ)さんが! 足が広い鳥人族でも深く広いその見分なら…!!」


 今度は203高地みたいな髪型で綺麗な白髪を纏め上げて、和服の背中側の空いている穴から白い大きな羽を生やしている年老いた貴婦人がスケッチボードを掲げてきた。


「あ、何かユニセフの親善大使をしていたあの黒や―――」

「光代君、もう少し言いたいことの内容と精査を心中でしてから発言しようねー」

「―――あうぅ…」


 また光代が今この場で口にするとまずい人物の名を言おうとするも、ミハイルが掌中より放った鎖で口を塞がれてしまう。


「さっきノミ・ムシタさんが言っていたものに衣をつけて揚げたものでしょ? ね? ねね?」

「絵は美味いけどそれはハムカツだろーが!」

「似ているのは名前と容姿だけで頭の出来はー…、それに出てた番組もあの動物番組の次にやってた遺跡系のでずれてるし…」


 そして、その白鷺没子も上手い美的感覚を残念な方向で発揮して万蛇石に答えを書いたスケッチブックを破られ、ミハイルはそれに乾いた眼差しを浮かべていた。


「あーもー! こうなったらそこで何か言いたそうにしつつも隣の金髪君に防がれている女学生のあなた!」

「え? 私!?」


 それから業を煮やしてやけっぱちになった万蛇石が指名したのは、番組にメタい発言をしようとしつつもミハイルに途中阻止され続けていた光代であった。


(…あーもー光代、下手にこの世界や向こうの世界で似ているような気がするものの要素は外した上でなら答えて良いよ…)


 注視しだしてきたカメラの前に、ミハイルは下手に断るとかえってまずいと半ば諦めた感じで、光代に釘を刺しつつも発言を許可した。


「………え、えーーっと…ここまで来ていて何ですがー…あなた方の誰もがその“ハブ”と言う生物がどういうのかを知ってる方はおられますか?」

「「「「「………………」」」」」


 だが、発言を許された光代の口から出たのは悪い意味で空気を読まない天然全開の問いで、それを投げかけられた番組側を微妙な沈黙が包み込んだ。

次回、久々に政治的なお話を挟んでから話の舞台が進む予定です。

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